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過去作品<抜粋版>

(4)「母の決意…」

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【2014年9月】


ショーツを紛れ込ませてから1週間が経ちました。

未だに息子からの自己申告はありません。
 
ショーツは、息子が気に入って着ているシャツの間に挟み込みました。

そしてそのシャツは、すでに1度着ていることも確認済みです。

(絶対気づいてるはずなのに…。)

ただ、息子のクローゼットの隅に落ちてしまっていることも考えられます。

しかし、息子が居ない時を見計らって部屋を確認しましたが、やはり私のショーツはどこにもありませんでした。

(どこかに、隠してる?)

息子は、私がお掃除や洗濯物を仕舞うために部屋に入ることを知っています。

簡単にはわからないところに隠していると考えた方が自然でした。

(やっぱり…、私の下着で…。)

隠しているとしたら、見せられない状態になっているのかもしれません。

自然とあの光景が脳裏に浮かびます。

(ゆうちゃんが出したもので、汚されてる…。)

大量に放たれた息子の液。

青臭い匂いを放つ液が、私のショーツを穢します。

それを思い浮かべただけで、私の身体は男性を迎える準備を始めていました。

(あぁ、また、溢れて…。)

日を重ねる毎に、母としての葛藤が増えていきました。

(相手は息子なのに、身体は、男性と思ってるみたい…。)

もちろん、仕事中や家族で会話しているときは冷静になります。

(やっぱり、こんなことやめよう…。)

ただ、あの光景を思い出すと、普通の母ではいられなくなります。

(ゆうちゃん…、このままだと、お母さん、もぅ…。)

母としての理性ではなく、女としての欲望が身体を支配していくのを感じていました。

そして更に1週間が過ぎていきました。

(ゆうちゃんと話をしよう…。)

そう考え始めた時、運命の日は突然やってきました。

その日は主人も出張で私たち2人きりになることが決まっていました。

(あの人もいないし、久しぶりに外で夕食もいいかな…。)

そう思い、買い物はせず、パート先から真っ直ぐに帰宅しました。

(何を食べに行こうかな?)

そんなことを考えながら自宅前に着いた時、急に思い出しました。

(今、こっそり入ったら、もしかして…。けど、そんなこと…。)

いけないことだとはわかっていました。

けど、怖いもの見たさを抑えきれないように、私の心には歯止めがきかなくなっていました。

(何もなければ下着の事は金輪際忘れれよう…。)

また自分に言い訳をするように、静かに玄関のドアを開けました。
 
ガチャと音がしないようにそーっとドアを開くとキチンと並べられたスニーカーが見えました。

案の定、息子は帰宅しています。

静かに移動しつつも、もし息子が1階にいた時に不審がられないように、自然な態度でリビングとキッチンを見渡します。

(2階ね。)

バッグを置き、今度は不審者と思われてもおかしくないほど静かに2階に上がります。

(もし、ゆうちゃんが悪戯しているとしたら…。)

私のクローゼットがある寝室の前に立ちます。

自分の部屋に入るのに、これほど心臓が高鳴るのは初めてです。

ドアノブに手をかけ、ゆっくり回します。

少しの音も立てないように、ゆっくり、ゆっくりドアを開け、その隙間から中を覗きます。

(はぁ、良かった…。)

夫婦の寝室に、息子の姿はありませんでした。

安堵すると共に、覗き見するような行為が恥ずかしくなってきました。

ただ、やはり部屋にいる息子が何をしているか、気になります。

(様子見るだけだから…。)

音を立てずにゆっくりと息子の部屋に近づきます。

(けど、やっぱり…、良くないよ…。)

あと数歩というところで、罪悪感が強くなりました。

(戻ろう…。)

そう思い、振り返ろうとした瞬間でした。

部屋から微かな声が聞こえます。

(んっ? 電話、してるの?)

息を止め、身動ぎもせず、その声に集中します。

「ううっ…。」

(えっ?)

電話をしているとは思えない声に、身体中が熱くなっていくのを感じます。

その声に引き寄せられるように、ゆっくりと息子の部屋の前に移動します。

息を殺し、全神経を耳に集中しました。

何かが擦れるような音と、微かな呻き声が聞こえます。

(えっ、これって、もしかして…。)

中を覗いて確認したいという衝動に駆られます。

しかし、ドアを開けることは出来ません。

まるで金縛りにあったようでした。

どのくらい時間が経ったのでしょうか…。

(あっ! 私、何してるの…。)

ふと我に返り、もう部屋の前を去ろうとしました。

その時でした。

「けいこ…。」

(えっ、今のって…。)

もう好奇心には勝てませんでした。

ドアに触れそうなほど近づき、盗聴しているかのように耳を近づけます。

「けいこ、けいこ、うっ、ううっ!!」

(これって!!)

心臓の鼓動がはっきり聞こます。

ドアの向こうでは、息子が、自らを慰める行為をしているはずです。

しかも、母親と同じ名前を呼びながら…。

頭の中が真っ白になりました。

下着が悪戯されているのを知ってから、予感はしていました。

しかし、普段の息子からは、想像出来ませんでした。

心のどこかで、否定したい気持ちがありました。

けど、ドアの向こう側には、否定しがたい現実が広がっているはずでした。

(けいこ、って、お母さんのこと? それとも、同じ名前の人?)

もはや後者である可能性はほとんどないとわかっていても、思い違いだった場合を考えて、自問していました。

ただ、それは突然中止させられました。

ガチャ、とドアノブが回り始めました。

(!!)

どうすることも出来ませんでした。

「うわぁ!!」

息子が驚きの声をあげます。

私は、固まっていました。

「…。」

「…。」

一瞬の沈黙の後、息子が口を開きます。

「帰ってたんだ?」

「う、うん。」

「今?」

「少し前、かな…。」

「そうなんだ。」

何事もないように話す息子ですが、目は泳いでいるようでした。

そう言う私は、息子以上に狼狽ていたと思います。

その原因は、息子の手に握られていたものを見てしまったからです。

白く小さなものは、紛れもなく女性用の下着です。

(あぁ、やっぱり…。)

私が息子のクローゼットに紛れ込ませたお気に入りのショーツ。

それが今は息子の手にしっかり握られていました。

「お、お母さん、下に行くね。」

この場を離れる言葉以外、思い付きませんでした。

「母さんっ!」

階段を下りようとした時、息子が呼び止めました。

「…返すよ。」

小さく丸まったものを私の手に握らされました。

息子に触られた手がいつもより熱く感じました。

「それが俺の気持ちだから!」

そう告げると、息子は急いで部屋に戻っていきました。

私も、今度は足音を気にせず1階に戻りました。

「はぁ…。」

リビングに戻ると、テーブルに置かれた白いものを眺めながら溜息が出ます。

息子から渡された瞬間から分かってはいました。

手の中に感じる生暖かさとヌルヌルとした触感。

牡から吐き出された白濁の樹液。

それがショーツの中心にベッタリと付着していました。

(こんなに…。しかも、凄い匂い…。)

久しぶりに嗅いだ青臭い匂いに、頭がクラクラします。

(ぷるぷるして、ゼリーみたい…。)

元々、その液をじっくりと見たことはありません。

初めてを捧げた恋人とは、1回しかせずに別れたので、お腹の上に出された液を少し見ただけでした。

2人目の相手である今の夫とは、子作りの為だけにしていましたので、見る機会は翌日のおトイレで見るくらいでした。

(これ、どうしよう…。それに、俺の気持ち、って…。)

疑問に思っていたことは、すべて答えが出ました。

息子は、下着ではなく、私に興味があったのだと…。

いけないことと思いつつも、心の中ではある感情が高まるのを感じます。

(ゆうちゃんが、お母さんで、したんだ…。 嬉しい…。)

感情の高まりに比例するように、身体も急激に火照っていきます。

そして、目の前で異臭を放つ布切れは、さらなる欲望を呼び覚まします。

「あぁ、ゆうちゃん!!」

ショーツに触れしまうほど鼻先を近づけ、息子の匂いに酔い痴れます。

(ゆうちゃんが、こんなに臭いの出すの? お母さんに出すの?)

ショーツにされた痴態が、まるで自分自身にされたかのように感じられました。

(あぁ、も、もぅ、だめ、ゆうちゃん、ゆうちゃん…。)

「はぁ、はぁ、うっ、くっ、あっ、はぁ、ん、んんっ!!」

“息子の気持ち”が込められたショーツを嗅ぎながら、頭の中が霞みがかっていくのを感じました。

それと同時に決意も固まりました。

(お母さん、ゆうちゃんに…。)

母と息子の禁断の愛は、この瞬間から始まりました。

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