M嬢のM嬢によるM嬢のためのS執事の育て方

采女

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ゲームみたいに虐めて

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 私的にこんなに有休が欲しいと思ったのは、社会人になって初めてかもしれない。
 そりゃまあ、「今日は早く帰りたいな」とか「休もうかな」と思ったことくらいはある。でも、こんなに「今からでも有休申請を出したい!」と思いながら仕事をするのは初めてだと思う。

 理由はもちろん、瑞姫だ。
 久しぶりの彼女であり、僕をドSにした張本人。清楚に見えて淫乱なマゾヒスト。
 僕は、完全に彼女の虜になっていた。
 セックスを覚えたての思春期みたいな感覚で、僕は彼女との特殊なエッチに嵌まり込んでいる。
 当初は彼女の望むことをしてあげていたはずなのに、今はむしろ、僕が望むことを彼女がしてくれているのではないか。そう気付いても、少し怖くなる自分と大きく高揚する自分とがいて、『もっと』という気持ちが膨らんでいった。

 一昨日の夜、寝る前に彼女の尻を十回叩いた。
 痛そうに、でも甘く喘ぐ瑞姫を思い出すと、仕事中の今もゾクゾクする。
 正直、あのままもっと責め立てたかった。彼女の甘美な声を、もっと聞いていたい。

 仕事中でもこんな状態なのに、昨日仕事から帰ると、姫は裸エプロンで食事と風呂を用意して出迎えてくれた。帰宅早々にエロい姿のドMな彼女とか、もうある意味拷問だ。
 作ってくれたご飯を食べなければとか、明日も仕事だとか、明後日からの連休に備えて彼女の身体も休めておかなければとか考えて、昨日はキスや胸を揉むくらいでなんとか抑えたけれど、その分今日はまた妄想が酷くて、仕事にちっとも集中できていない。早く帰りたいのに、仕事はちっとも進まなかった。

 おかげで、帰宅したのは午後九時頃だった。
 また裸エプロンで出迎えてくれるかと思ったら、今日は赤いドレスを着ている。結婚式やパーティーなんかに着ていけそうなやつだ。
「どうしたの、それ?」
「大学で謝恩会に行ったときのなんですけど、似合いますか?」
「うん、かわいい」
 僕は瑞姫ぎゅっと抱きしめた。
「でも、なんでドレス?」
「それは……ナタリアに、なろうかなって……」

 瑞姫は、真っ赤になりながらそう答えた。
 『ナタリア』は、あのエロゲーに出てくる姫の名前だ。つまり、「あのゲームと同じように『教育』してください」と言っているわけだ。
 昨日も帰宅後に二人でストーリーを進めていて、次女・ナタリアの調教もだいぶ進んできていた。

「じゃあ、今日は瑞姫じゃなくて姫様なんだね」
 こくり、と頷く。
「ふふ、じゃあ僕は教育係だ。でも先にご飯とお風呂を済ませるよ。……お勉強は、しばらく待っていなさい」
 後半だけ耳元で囁くと、もう耳まで真っ赤だ。
「あはは。ナタリアは最初もっと偉そうだったよ。それじゃ初日のお仕置きできないじゃん」
 くしゃくしゃと頭を撫でながら笑う。
「うう……ご飯食べる? お風呂にする?」
「瑞姫つまみ食いする」
 ちゅ、とキスをして抱きしめた。


 晩御飯を食べて、風呂に入って、ビールを飲みながら、瑞姫を僕の脚の間に座らせて、エロゲーの続きを見ている。
 なんとも幸せなシチュエーションだ。
 ただ、不思議なことに、仕事中よりも今のほうがちょっと落ち着いていた。
 すぐに触れられるところに瑞姫がいて、明日からはようやく連休。いろいろ満たされているのだろう。

 瑞姫はというと、時折もじもじしながらエッチなゲームを進めている。
 高飛車だった次女姫様も、かなり従順になっていてかわいいが、一方でかなりエッチな身体に開発されていた。少し手が触れ合っただけの使用人に欲情してしまって、今はそのお仕置きをされているところだ。エッチな身体にしておいて、快楽を得るのは我慢しなさいとはなかなかの拷問だなと思う。
(ああ、今の僕も似たようなものか)
 気まぐれに瑞姫の耳を舐めると、途端に瑞姫は「んんっ、」と気持ち良さそうな声を上げて身体をくねらせる。明らかにもっといっぱいして欲しくて、だからこそ、こうしてドレスまで着て、僕の前でこのゲームを進めている。
(そして、それを、僕はわかった上で放置している……)
 その証拠に、僕は時折、耳を舐めたり、胸を触ったり、首筋にキスをしたりと、緩く彼女を刺激しながら、彼女の反応を楽しんでいた。
 ゲームはさらに進んで、毎夜のパラメータ上げステージだが、お仕置き中なのがきちんと反映されていて貞操帯を付けられたままだ。次女姫が気持ちよくなりすぎてしまうコマンドはがっつりグレーになっていて選択ができない。代わりに、もっと痛い種類の鞭や蝋燭などいくつかのコマンドが増えていた。意外とよくできているゲームだ。
 仕事中にチラリと見てしまった攻略サイトによると、どうやらこの辺で失敗すると次女姫が淫乱娼婦になってしまってバッドエンドになるらしい。『感度のいいエッチな身体ではあるものの、夫にだけ身体を赦す貞淑な妻』に仕立て上げられれば、次は他国との婚姻話が上がっている長女の教育に取り掛かれるようだ。

 時計を見ると、夜十一時を回ったところだった。
 そろそろ、うちの姫様も虐めてあげなければ。
「ねえ、瑞姫。そろそろベッドに行かない?」
 耳元で誘うと、彼女はびくり、と身体を動かした。
 あえて性的なことは一切しない。たぶん瑞姫は、このまま本当に就寝してしまうのか、虐めてもらえるのかを測りかねるだろうからだ。
 測りかねた彼女は、「お仕事疲れちゃった?」と聞いてくる。
 瑞姫は、時折こうして自分の逃げ道を作って、本心を隠す癖がある。
「うん、だからベッドに行こう?」

 瑞姫を抱っこして、ベッドまで連れて行く。
 キスをしながら両手首を頭の上に持っていって、片手で押さえると、もう片手でビニールテープを手に取った。
 そのまま、手首をビニールテープでくるくると巻いて束ね、ベッドに固定した。
「奏輔、さ……」
 言いかける瑞姫の口には、ガムテープを貼る。
「姫様には、これから私の教育を受けていただきます」
 そう宣言すると、途端に瑞姫からは淫靡な空気が溢れてくる。次女姫が目を覚ました時に言われたセリフの再現だから、これから何がされるのか容易に想像できるのだろう。
「残念ながら貞操帯はないけど、これから連休中は、勝手にトイレに行っちゃダメだよ。トイレに行きたいときは、『トイレに行かせてください。お願いします』って僕に言うこと。いいね?」
 こくり、と頷く。
「ゲームでは初日は貞操帯だけだったけど……あんなに何日もかけられないから、瑞姫は今からバイブも入れちゃおうね」
 そう言ってスカートを捲ると、下着はいつか見た股がパールビーズでできているエッチなものだった。てっきりノーパンでいるのかと思っていたら、もっとエロい格好だった。
「瑞姫、これは何かな? いつからこんな下着を履いていたの?」
 んんっ、とくぐもった声がする。訊ねられても、ガムテープでは答えようがない。
「今日ずっと履いてたの?」
 ふるふると首を横に振る。
「じゃあ、僕が『今から帰る』ってメールした後かな」
 今度は、恥ずかしそうな顔をして、こくり、と頷く。
「そうかあ、だから瑞姫は一人でずっと腰を揺らしていたんだね。このパールが気持ちいいところを擦ってくれるように、一人でオナニーしてたんだ」
 瑞姫はもう、泣きそうなほど潤んだ目でこちらを見ている。
「ふふ、知ってたよ。瑞姫がずっと物欲しそうにしてたこと。本当は早く虐めて欲しくて仕方なかったんだよね? 昼間からエッチなこと考えてた? そうだよね、ドレス着てるってことは、わざわざ家に帰って持ってきたんだもんね。エッチなことを考えていたから、ドレスを取りに家に帰ったんだ」
 わざと敏感なところを避けて身体を触りながら指摘すると、瑞姫は身体をのけぞらせながら感じている。
「じゃあ、家に戻る電車の中でも、家から帰る電車の中でも、瑞姫はずっとエッチな気持ちでいたんだね。もしかして、一人で露出プレイなんかもしてきたのかな?」
 ふるふると首を振る。
「本当に? ノーパン、ノーブラで、誰かに見られちゃうかもって思いながら出かけてたんじゃないの? ……ふうん、まあいいや。でもこれは、お仕置きだよね。姫が自分からこんなにはしたない格好をしているなんて、許されないよね?」
 エッチなショーツを脱がせて、手首は拘束したまま身体を反転させる。膝をつき、お尻を高く持ち上げるようにする。
「鞭じゃなくてごめんね。その代わり、倍の十回叩いてあげる」
 ゲームでは、鞭打ちは一セット五回になっていたのを、手で十回。
 ガムテープで封じていても聞こえる喘ぎ声は、悲鳴なのに甘美で、たまらなくエロい。

 お尻をしばらく冷やしてから、リモコンバイブとアナルプラグを入れて、バイブ固定用のショーツを履かせる。これからたっぷり長時間入れておくので、いちばん身体に負担のないものを選んだ。ローターはコードが外に出るので、長時間だとどうしてもコードが菊座に擦れて負担をかけてしまう。この前の六時間放置でわかっていたので、その辺りはちょっと研究した。刺激では劣るが、ずっと穴を広げられている異物感があるので、それはそれで羞恥心を刺激するらしい。

 スカートを下ろして、ガムテープを外す。
「どう? このまま耐えられそう?」
「ん……平気……」
「どうしてもダメなときは、ちゃんと言ってね」
 一応、念を押しておく。僕らがやっているのはあくまでプレイで、ゲームと同じ凌辱調教とは違う。彼女を虐めたいけれど、傷を付けたくはない。
「ドレスはどうする?」
「もう着ない、と思うから、どっちでも……」
「もう着ないの?」
「友達の結婚式って、メンバーが被るから、同じのは、基本、着られな、い……」
 彼女の呼吸が整わないのは、時々僕が彼女の身体を触っているからだ。
「そっか。でもちょっと寝るのには窮屈かな? ハンガーに吊るしておいて、また明日着ようか」
 正面から手を回して、彼女のドレスのファスナーをさぐる。後ろを向いてもらう方が早いのだろうけれど、この方が抱くような形になる上に、瑞姫が背中を持ち上げるように身体を反らせてくれるのでちょっとエロい。ちなみに、手首は頭の上で縛ったままだ。
「縛られたまま半脱ぎとかすごいエロいね。でも、これじゃ脱げないから解こうか」
 手首のビニールテープを剥がし、彼女を座らせると、背面のファスナーを下ろしていたドレスは、するりと腰まで落ちた。予想はしていたが、ブラジャーはあのショーツとお揃いのエロいやつだった。
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