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既婚女性と独身男性との恋
セフレ3
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「こんなお店しかなくて、すいません」
「なんで? 全然良いじゃない! 私、居酒屋好きだよ」
金曜日の夜ということで、真司君が行こうとしていたイタリアンレストランは満席で、近くの居酒屋さんで乾杯していました。
「それにね、こういうお店の方が若い人ばかりじゃないから私としては気が楽なの」
周囲のテーブルには若い男女も何組かいましたが、仕事帰りのサラリーマンや自分と同世代の女性もちらほらいました。
「そんなの気にしなくて良いのに」
真司君はジョッキを置いて私の目を見ながら言います。
「気にするわよ、ちょっとは。でも、私だけね。こんな若い男の子と飲んでるの(笑)。みんな羨ましがってるかな」
ビールを飲んで少し陽気になった私はおどけてみせました。
「道代さんって、可愛いですね」
「可愛いって? まだ飲み始めたばかりなのに、酔っちゃったの?」
こうして二人きりで食事をするなんて、もちろん初めてだったし、職場でもそんなに会話する機会があったわけでもありません。なのに不思議と真司君には気取らずに構えずに話ができました。
注文した料理をいただきながら、仕事のことや他愛もない出来事のこと。そして真司君の学生時代のエピソードと話は尽きず、お酒も進み、少しずつ色恋話になっていきました。
真司君は二年前に学生時代から付き合っていた彼女と別れ、その彼女が来月結婚するらしく、その相手が同じく学生時代の友達で複雑な気持ちだと言うこと。今は誰とも付き合っておらず、ただ好きな人がいるがどうしたら良いのか分からないとのこと。
「真司君さ、もっと自信持って良いと思うよ。付き合えるかどうかは別として、君に告白されて嫌な気持ちになる女の子はいないわよ」
私は親戚の叔母さん? いや、歳の離れた姉のような気持ちで彼を励ましていました。
「でも、いま好きな人には旦那さんがいて……」
「そうなんだ! じゃあ、なかなか言えないか。でもさ、好きだって気持ち伝えるのは良いんじゃない? それにね、結婚してたって、色々あるんだよ。うちもそうだもん」
「えっ! そうなんですか?」
三杯目のビールが届き、それをひと口喉に通した後、私は夫の不倫の一切を真司君に話していました。
(続)
「なんで? 全然良いじゃない! 私、居酒屋好きだよ」
金曜日の夜ということで、真司君が行こうとしていたイタリアンレストランは満席で、近くの居酒屋さんで乾杯していました。
「それにね、こういうお店の方が若い人ばかりじゃないから私としては気が楽なの」
周囲のテーブルには若い男女も何組かいましたが、仕事帰りのサラリーマンや自分と同世代の女性もちらほらいました。
「そんなの気にしなくて良いのに」
真司君はジョッキを置いて私の目を見ながら言います。
「気にするわよ、ちょっとは。でも、私だけね。こんな若い男の子と飲んでるの(笑)。みんな羨ましがってるかな」
ビールを飲んで少し陽気になった私はおどけてみせました。
「道代さんって、可愛いですね」
「可愛いって? まだ飲み始めたばかりなのに、酔っちゃったの?」
こうして二人きりで食事をするなんて、もちろん初めてだったし、職場でもそんなに会話する機会があったわけでもありません。なのに不思議と真司君には気取らずに構えずに話ができました。
注文した料理をいただきながら、仕事のことや他愛もない出来事のこと。そして真司君の学生時代のエピソードと話は尽きず、お酒も進み、少しずつ色恋話になっていきました。
真司君は二年前に学生時代から付き合っていた彼女と別れ、その彼女が来月結婚するらしく、その相手が同じく学生時代の友達で複雑な気持ちだと言うこと。今は誰とも付き合っておらず、ただ好きな人がいるがどうしたら良いのか分からないとのこと。
「真司君さ、もっと自信持って良いと思うよ。付き合えるかどうかは別として、君に告白されて嫌な気持ちになる女の子はいないわよ」
私は親戚の叔母さん? いや、歳の離れた姉のような気持ちで彼を励ましていました。
「でも、いま好きな人には旦那さんがいて……」
「そうなんだ! じゃあ、なかなか言えないか。でもさ、好きだって気持ち伝えるのは良いんじゃない? それにね、結婚してたって、色々あるんだよ。うちもそうだもん」
「えっ! そうなんですか?」
三杯目のビールが届き、それをひと口喉に通した後、私は夫の不倫の一切を真司君に話していました。
(続)
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