魔眼がみつめるこの世界～転生した私は好きに生きる。だから聖女にはなりたくない～

26話 救うことは難しい

部屋に戻ってきた私は、自分の部屋に入り、机からルセリアノートを出す。私はノートを両手で持ち、「ありがとう」とお礼を言う。そして私は、両親とともに遅い食事をしに向かう。

空気が少し重い中、食事をしていく。

「ルセリア、君の友達たちが、わざわざ私たちに知れせてくれたんだよ」



「え、、、」

私は父親のほうに顔を向ける。

先生からは理由を知らされていないが、非常事態の中、私が村に残ったことが、よほど心配だったみんなは、馬車で学園に帰った後、屋敷に知らせに来てくれたようだ。王子達はその中にいなかったが、母親がそのことを知り、父親に伝え、二人ですぐに王城に向かったのだと。

王城につくと陛下の指示で、すでにレコーラ村に向かう調査隊が編成されていた。その中にはルセリアが村で話した医師もいた。



父親が陛下に面会を頼み、話せる部屋を用意してくれる。

「陛下、これはいったいどうされたのですか」



「実は、ルセリア嬢が野外学習をしているとき、未来を見たようでな、その予知が今自分たちがいる村で将来、疫病が蔓延するというものだったそうだ」



「・・？疫病ですか？？」

「ああ、ルセリア嬢が予知の魔眼を持っていることを知っている王子達にこのことを伝え、生徒をすぐに村から非難させた。しかし、ルセリア嬢はその村に残ってなぁ」



「ルセリアが残って」

「ルセリア・・・・」

カイムとティアナの顔が青くなる。



「調査隊が現地に向かい、その時にルセリア嬢を・・・」

あまりの事態にカイムとティアナは陛下の声が聞こえていなかった。

そのあとはどのように部屋を出たのか覚えておらす、気づくと調査隊が準備をしている部屋の前でいた。そしてそこには、ルセリアのクラスの先生のグローバーが必死に調査隊に同行させてもらえるように頼みこんでいた。

「自分のクラスの生徒がまだあの村にいるんだ、お願いします。私も連れて行ってください」



その姿を見た、カイムは、はっ　と覚醒し先生のもとまで歩いていく。

「娘、ルセリアの担任ですか？」





「・・・ア、アストライア公爵、申し訳ありません。娘さんを連れて帰れなくて、本当に申し訳ありません」

グローバーは人目も気にせず、その場で土下座する。

「どうかお立ちください。ルセリアのこと話してくれませんか」

先生が村での私を話す。

「「・・・・・・・」」

先生の話を聞き、「こちらこそ、娘がご迷惑を掛けました」「申し訳ありません」とカイムとティアナが先生に謝る。先生は立ち上がり「頭を上げてください」と慌てる。



「アストライア公爵、実は私は調査隊と共に娘さんを迎えに行きたいのですが、断られているんです。何とか公爵のお力で、説得していただけませんか、必ず娘さんを連れて帰ります」

カイムは両手でグローバーの両手を握り

「お願いできますか」

「私からもよろしくお願いします」

カイムが調査隊や陛下に許可を得、そしてグローバーは調査隊と共にレコーラ村に向かったのだと。





「ご迷惑をおかけしました」

本当に私は多くの人たちに迷惑をかけたことを知り、本当に申し訳ないと思う。明日は友達のみんなと先生に謝らないと。



両親はそれ以上何も言わず、遅い夕食は終わった。

部屋に戻ってくると、私は机の上に置いておいた、ルセリアノートを持って、ベッドに横になる。今回私は多くの人に迷惑をかけた。もし、以前のルセリアがこのノートを残してくれていなかったら、みんなに心配をかけることはなかったかもしれない。しかし、確実にコレラが猛威をふるい多くの人がノートに書かれていた｛レコーラ村というところで、たくさんの人がなくなり、そして、それは広がっていく｝まさに、その通りになっていたかもしれない。





‘未来を変えるのは難しい‘そして、‘救う‘ということが。





私はルセリアノートを開き、読んでいく。読みながら明日はたくさんの人に謝らないと考えながら眠りについていった。