或るインキュバスの純愛

はち

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 おじさんとのキスは、美味しくて癖になりそうだった。
 溢れる涎を送り込むと、おじさんの喉が鳴った。飲んでくれたみたい。よかった。

 早く欲しい。

 逸る僕の心は鼓動を早めて熱を上げていく。
 唇を離すと、おじさんの唇は、涎でべちゃべちゃになっていた。
 嬉しくて、いっぱい涎を飲ませちゃった。
 いいよね。おじさんによくなってもらうためのものだから。

「おい、ハルト……」

 荒い息の合間に、おじさんが唸るような声を上げた。低く掠れた声はどこか怒っているような怯えているような響きで、余計に僕を昂らせる。

 おじさんの厚い胸が上下している。そろそろ上から退いてあげたほうがいいかな。
 僕は逞しい胸板にキスを落としながら、身体を下へとずらしていく。
 汗の滲んだ肌はしょっぱい。でもそれはおじさんの匂いと相俟って僕を興奮させるものでしかない。
 胸板を這い降りてうっすらと見える腹筋を辿って、おへそにもキスをする。

「やめろ、ハルト。そういう趣味はねぇんだ」
「そんなこと言って、身体は正直だよ、おじさん」

 ハーフパンツを押し上げるものを、僕がそっと撫でるとおじさんは息を詰めた。
 無理もない。さっき、僕の涎をいっぱい飲ませたからこうなるのは当たり前のこと。僕の涎には催淫作用がある。これもパパ譲りなんだ。
 だけどおじさんはそんなことは知らないから、僕相手に欲情してしまったと思ってる。可哀想なおじさん。
 そう。おじさんにそんな趣味はない。僕が無理やりそうさせてるだけ。でも、それは教えてあげない。その方が、おじさんの味は美味しくなるから。

 そんなおじさんのハーフパンツを不恰好に押し上げているのは、僕が一番欲しいやつ。

「ッ、ハル、ト」

 切羽詰まったおじさんの声に、僕は堪らず唇を舐めた。困ったな、涎が止まらないや。
 身体を下にずらして、盛り上がったハーフパンツに、そのままかぶりつく。

「っ、く」

 布越しにも、熱く硬くなっているのがわかる。おじさんは奥歯を噛み締めて、何かを必死に堪えている。
 僕はそのまま、歯を立てないように唇で揉む。布越しにもおじさんのが反応してしゃくりあげるのがわかって、僕の背筋をぞくぞくと悦びが這い上がった。

「もう、いいよね」

 僕は下着ごとおじさんのハーフパンツをずり下ろした。
 勢いよく飛び出したのは、いきりたったおじさんの猛りだ。
 濃い茂みからそそり立ち天を仰ぐ赤黒い幹には、いく筋もの血管が絡みつくように浮いている。丸く張り詰めた先端に、張り出した段差。
 これをおなかに入れたらどうなるのか、考えただけで僕の喉は期待に鳴った。

 濃いおじさんの匂いに頭の芯が痺れて、表情がとろける。
 透明な蜜の溢れる張り詰めた先端に、僕は堪らず吸い付いた。
 しょっぱい先走りの味。おじさんの味だ。
 おじさんのは大きくて全部は口に入りきらないから、先端にしゃぶりついて、幹は手で擦る。

「っは、あ」

 おじさんの口から、堪えきれない声が漏れる。
 僕の口で気持ちよくなってくれるの、嬉しい。
 舌先で先端の穴をくすぐると、おじさんのはぴくぴくと跳ねる。
 たっぷりと涎を絡めて、歯を立てないようにして、わざと音を立てて先端を口に出し入れする。
 面白いくらいにおじさんの猛りが跳ねる。
 もうすぐ限界かな。
 幹を擦って、先端を舐め回すと、一際大きくおじさんのものがしゃくりあげた。
 同時に、僕の口の中に熱くてドロリとしたものが注がれる。熱くて煮えたぎるようなそれは、脈打つ猛りから何度も放たれた。
 僕の待ち望んだ、おじさんの精液だ。
 熱くて、生臭くて、濃くて、甘くて、おいしい。
 僕はそれをこぼさないように飲み込む。
 射精が収まって、おじさんが出したものを全部飲み込んだ僕は口を離した。
 おじさんの猛りはまだ天を仰いだままだ。
 揶揄うように指でなぞると、ぴくぴくするのがかわいい。

「ふふ、まだ元気だね」

 身体を起こした僕は、服を脱ぐ。もうおなかが熱くて、我慢の限界。おじさんが欲しくて仕方なかった。

「おい、ハルト、なにを」

 そんな僕を見たおじさんの、慌てる声がする。
 なにって、決まってるのに。

「セックスだよ。知ってるでしょ」

 Tシャツとハーフパンツを脱ぎ捨てて、下着も放って。
 おじさんの熱に澱んだ目が、怯えるみたいに揺れながら僕に向けられる。
 僕の白い身体、薄い色のちんちん。かわいいでしょ。
 僕はすっかり反り返っておなかにつきそうなちんちんを見せつけるようにおじさんの腰にまたがった。
 僕のはもう溢れる先走りで濡れそぼって、少し擦るだけでいやらしい音が立つ。

「見て、おじさん。僕の、もうこんなにとろとろになっちゃった。おじさんのせいだよ」

 うっとりと見下ろすと、おじさんは息を詰めた。その目は、僕の身体に釘付けだ。

「ふふ、いただきます」

 おじさんの熱い猛りを、期待にひくつく蕾に押し当てる。
 すっかり昂った僕の身体は、もうおじさんを受け入れる準備ができていた。蕾は濡れて、先走りで濡れた先端を押し付けるだけでじゅく、と湿った音を立てた。
 僕は小さく息を吐いて、あてがったおじさんの猛りに腰を落としていく。

「あ……」
「っく」

 おじさんの熱くて硬い質量が、僕の中に入ってくる。張り出した先端を飲み込むのはちょっと苦しい。
 皺がなくなるまで拡げられた僕の孔に、おじさんのが埋まっていく。
 先端を飲み込むと、残りはずるずると僕の重さで勝手に入って、簡単に行き当たりまで届いてしまう。
 おじさんのお腹に手をついて、僕は腰を振る。
 上下に弾ませるようにして、時々円を描くみたいに腰を回す。
 楽しい。
 見下ろしたおじさんは、腕で顔を隠して、荒い呼吸を押し殺そうと必死だ。
 かわいそうなおじさん。おじさんの方が僕に犯されてるみたいだね。
 でも、すごく楽しい。
 熱く張り詰めた先端が、僕の奥を何度も叩く。熱くて硬くて、気持ちよくて、おなかが喜んできゅんきゅんとおじさんを締め上げるから僕の中でもはっきりとおじさんの形がわかる。
 熱く熟れた中をエグい段差にこそぐように擦られると、気持ちよくて眩暈がした。

「ふふ、ねえ、おじさん、気持ちいい?」
「っ、く」

 おじさんは照れてるのか、答えてくれない。残念。僕の中のおじさんはすごく喜んでるのに。もっとしてあげないと、足りないかな。
 もっとよくしてあげるために、僕は硬い凹凸の浮くお腹に手を這わせた。
 ひくつくお腹に、薄い紫の光が浮き上がる。おじさんをもっと気持ちよくしてあげるための淫紋だ。
 お腹の中で、おじさんの猛りが跳ねた。
 ああ、ちゃんと気持ちよくなってる。
 素直に反応するおじさんの身体に、思わず笑みが零れた。

「ほら、おじさん、いいでしょ」

 僕が腰を振るたびに、お腹の中でおじさんのがしゃくりあげるのがわかる。

「っ、くそ……」

 僕はリズミカルに腰を跳ねさせる。おじさんのに奥を叩かれるのが堪らない。奥も緩んできちゃった。早く一番奥に欲しくて、僕は夢中で腰を振る。

「っ、この、クソガキ……!」

 唸るような声とともに、僕の視界が反転する。見下ろしていたはずのおじさんを見上げていて、背中には硬いフローリングの床の感触。
 細い僕の身体は、逞しい腕に簡単にフローリングの床に押し付けられてしまった。
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