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5話
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最初の一口目をゆずり合う押し問答の末、二人はせーのでそれを口に入れた。
「ん~~~っ!んまっ!やっぱこのパフェおいし~!どう?倉井くん、初めてのお味は?」
「うん。…おいしい」
控えめながらもほころぶ顔に、陽乃の顔も思わず緩む。
…ふふ。良かったぁ。
「あ、ねぇねぇ!こっちのいちごソースがかかってるとこもおいしいよ!食べて食べて!」
「あ、う、うん」
「どうどう?」
「…本当だ。おいしい」
「でしょ~?」
向かい合う二人につつかれ、フルーツパフェはだんだん小さくなっていった。
至福とばかりに食べ進めていると、ふいに倉井が話を切り出してきた。
「あ、あの…さ……」
「ん?」
「そういえば…なんだけど……」
「うん、何?」
「さ、斉川さんって…その……あ、明石君と、別れたって……本当?」
「え?」
「あっ、や、えっと、あのっ……誰かが話してるの…たまたま聞いて…」
…あ、なんだ。そのことか。
「うん、そうだよ~。隼人とは別れた」
陽乃はなんとも明るいトーンで答えた。
「!……そ、そうなんだ…」
「だって、なんか言ってることがおかしくてさぁー」
「おかしい…?」
「うん。なんかね?『俺は束縛とかしないから』って言ってたくせに、私が男友達と面白い話してただけで『そんなことできる神経が信じらんない』とかって怒るんだよ?意味不明じゃない?」
今思い出しても、さっぱり分からない。
なぜ話をしてただけで怒られなければいけないのだろうか。
「え?…あー………そう…だね…」
「だから、そんな人と一緒にいるのムリってなって別れちゃった」
「…そ…そっか」
「うん」
倉井がなにやら思案顔であったが、終わったことより目の前のパフェに夢中の陽乃には、それが見えていなかった。
「ねぇねぇ!バナナとオレンジどっち食べる?」
「…あ……ぼ、僕は別にどっちでも…」
「おすすめはねぇ~、バナナだよ!ここのクリームとかいっぱいつけると、きっとすっごくおいしいと思うよ~?どうどう?バナナ食べたいと思わない?」
「…………えっと…もしかして斉川さん、バナナ嫌い?」
「え゛っ!なぜバレた?!」
「いや、なんとなく…」
「ん~~~っ!んまっ!やっぱこのパフェおいし~!どう?倉井くん、初めてのお味は?」
「うん。…おいしい」
控えめながらもほころぶ顔に、陽乃の顔も思わず緩む。
…ふふ。良かったぁ。
「あ、ねぇねぇ!こっちのいちごソースがかかってるとこもおいしいよ!食べて食べて!」
「あ、う、うん」
「どうどう?」
「…本当だ。おいしい」
「でしょ~?」
向かい合う二人につつかれ、フルーツパフェはだんだん小さくなっていった。
至福とばかりに食べ進めていると、ふいに倉井が話を切り出してきた。
「あ、あの…さ……」
「ん?」
「そういえば…なんだけど……」
「うん、何?」
「さ、斉川さんって…その……あ、明石君と、別れたって……本当?」
「え?」
「あっ、や、えっと、あのっ……誰かが話してるの…たまたま聞いて…」
…あ、なんだ。そのことか。
「うん、そうだよ~。隼人とは別れた」
陽乃はなんとも明るいトーンで答えた。
「!……そ、そうなんだ…」
「だって、なんか言ってることがおかしくてさぁー」
「おかしい…?」
「うん。なんかね?『俺は束縛とかしないから』って言ってたくせに、私が男友達と面白い話してただけで『そんなことできる神経が信じらんない』とかって怒るんだよ?意味不明じゃない?」
今思い出しても、さっぱり分からない。
なぜ話をしてただけで怒られなければいけないのだろうか。
「え?…あー………そう…だね…」
「だから、そんな人と一緒にいるのムリってなって別れちゃった」
「…そ…そっか」
「うん」
倉井がなにやら思案顔であったが、終わったことより目の前のパフェに夢中の陽乃には、それが見えていなかった。
「ねぇねぇ!バナナとオレンジどっち食べる?」
「…あ……ぼ、僕は別にどっちでも…」
「おすすめはねぇ~、バナナだよ!ここのクリームとかいっぱいつけると、きっとすっごくおいしいと思うよ~?どうどう?バナナ食べたいと思わない?」
「…………えっと…もしかして斉川さん、バナナ嫌い?」
「え゛っ!なぜバレた?!」
「いや、なんとなく…」
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