貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

連載

250.尋問？

チャートはスチュアートさんやクリス、レイン陛下達から大体の事のあらましを聞くと

｢ローズ…無事で良かった…｣

ローズを再度ギュッと抱き上げた。

ローズは恥ずかしかったが、父のあまりの泣きそうな顔にその大きな体に手を回す。

｢心配かけてごめんなさい…でもお母さんやお父さんのおかげでどうにか乗り切れました、他にもスチュアートさんやクレアさんはもちろん王子やカイル様、兵士の皆さんに助けられて私は無事ここにいるのよ｣

ローズは安心させるように父に笑いかけた。

｢これを無事と言えるのか…｣

ローズの痛々しい足を見ると

｢抵抗した証よ！お父さんに鍛えられていたからね！｣

｢そんな所までクラウディアに似なくていいのに…｣

チャートがガックリと肩を落とす…とチラッと床に倒れ兵士に取り押さえられているボストンとマデリンに目を向けた…

｢ひっ…｣

目の見えないボストンに殺気が飛んでくる…ボストンは背筋がヒヤッとすると部屋の空気が変わった事に気がついた…

｢な、なんだ…｣

恐る恐る声を出すと…カツカツと自分の方に歩いてくる足音と振動を感じた。

自分を支えていた兵士が退くとドサッと床に倒れ込む。

髪の毛をガシッと掴まれると引き上げさせられた…ブチブチと髪の毛が抜ける音がすると、耳元で囁く声が聞こえる。

｢お前か…俺の大事な大事な娘を傷つけてくれたのは…｣

囁くような小さい声なのに体の奥まで響き渡る恐怖を覚える…ガチガチと音がすると思ったら自分の歯が揺れていた…

｢た、た、たす、けて…｣

｢うわっ！｣

その瞬間ばっと手を離される、ドサッとまた倒れ込むと生暖かい水の中に顔を打ち付けた。

｢汚ぇ！小便漏らしやがった！｣

チャートが叫ぶと

｢お父さん！言葉遣い！｣

ローズから喝が飛ぶ！

｢あっ…すまん。えっと、汚いなぁ…粗相するなんて…｣

チャートはボストンを足で蹴ると小便から少し離す。

｢あーあ、触りたくないなぁ…あっ…こいつどうなってもいいかな？｣

チャートはレインに確認すると

｢あっ待ってくれ、この後他の関わりある大臣や関係者を吐かせないといけないからなその後は好きにするといい｣

｢なるほど…ならそれ俺がやらしてもらってもいいかな？｣

チャートが笑って答えると

｢あっ！では私もお供致します｣

スチュアートさんが立候補するように手をあげた。

｢えっ？お父さんとスチュアートさんが尋問するんですか？｣

ローズが驚いて二人を見ると

｢いえ、尋問…ではありません…かね？｣

スチュアートさんは何とは言わずに笑っている。

｢スチュアートさんがいるなら心強い！よろしくお願いいたします！｣

チャートが頷くと

｢私などいなくても大丈夫でしょう？チャート様なら…｣

スチュアートが苦笑する。

｢いやぁ、自分を抑える自信が無いので…やりすぎたら止めて下さいね｣

チャートがお願いすると

｢いや…それはどうでしょう。私も自分を抑える自信はあまりありませんねぇ…それほど今回の事には腹を立てておりますので…｣

｢え？｣

ローズがスチュアートさんを見るがいつもの穏やか気なスチュアートさんに見える…

｢あっだからそんな禍々しい雰囲気だったんですね…｣

サクサクと談笑するように話を進める二人に…

｢すみません！私も勉強の為御一緒してもよろしいでしょうか？｣

カイルが声をかけた。

｢カイル！狡いぞ！是非俺もお願いします｣

ロイとカイルは二人の前に立った！