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251.拷問

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是非二人の(?)を見学したいとロイとカイルが手を挙げた。

「ロイ様とカイル様もですか…」

スチュアートさんが渋い顔をする。

「まぁいい経験になるしいいんじゃないか?」

チャートは構わないと頷くと

「お二人にはまだ早すぎませんか?」

スチュアートはチラッとレイン陛下とラーラ王妃に顔を見て確認する。

「うむ…まぁ二人ともいずれは経験せねばならんしな…いい機会だしっかりと学んでこい」

「「はい!」」

「なら私もちょっと見学してもいいんですか?」

ローズもせっかくならと手を上げると

「「「「駄目です」」」」

スチュアートさんを初めロイやカイル、クリスからも首を振られる。

「何よクリスまで…」

一人除け者にされて頬を膨らませると

「姉さんはもう大人しく安静にしてないと駄目だよ!」

「そうだな、私もローズが見てると思うと本気が出せない…嫌われたりしたら嫌だからな」

チャートが笑いながらローズのそばに行くと

「いい子だから部屋で大人しくしていなさい。終わったら迎えに行くからね」

幼い子にするようにローズの頭を撫でると

「わかったわ…無理をした私も悪いし…今回は大人しくしてます」

レイン国王はクレアを呼ぶとローズを部屋へと戻るように指示をだした。

兵士達にしっかりと護衛を頼みローズが部屋を出るのを確認すると…

「じゃあ楽しい楽しい拷問をはじめようか…」

チャートはボストンの頭を掴み、スチュアートはマデリンを掴むと声が響かない地下の拷問室へと引きずっていく。

ボストンは運ばれながら震える…尋問室につくと壁は鉄臭く…色々な匂いが混じり合って独特な雰囲気を醸し出していた…

「ま、まて!話す!なんでも話すから!拷問はやめてくれ…」

ボストンはたまらずチャートの手を掴んで懇願する。

「汚ぇな…触るな」

チャートはボストンの口を押さえつけると

「まだ何も喋るんじゃねぇよ…喋ったら拷問出来ないだろ…」

囁くとボストンの喉にナイフを突き立てた。

軽く動かすとすぐに抜く。

するとボストンから空気が漏れる様な音がした…

「ひゅ~ひゅ~」

口を動かすが声が出ない。

「それは何をされたのですか?」

カイルが聞くと

「ああ、声帯を少し切ったんだ。これでしばらくは拷問しても声が出なくなる、何も喋らないなら…拷問を続けるしかないだろ?」

「なるほど!」

「声帯か…気をつけないと首を切ってしまいそうだな…」

カイルがじっくりとボストンの喉の傷を見つめると…

「練習してみるか?」

チャートがナイフを渡す。

「いいんですか?」

カイルが受け取ると

「では私が…回復薬を預かっていますので」

スチュアートはボストンの首に回復薬をかけると

「や、やめて…くれ…」

声が戻った。

カイルはすぐにボストンの口を押さえつけ動かないようにすると…

「いいか、ここの三センチ程奥を切るんだ、切りすぎても駄目だぞ」

チャートがボストンの喉をトントンと叩くと

「はい」

カイルはサッと手際よく切りつけた。

「ひゅーひゅー…」

「おお!上手いもんだ!」

カイルは一回で上手いこと声帯を切る事が出来た。

「では次はロイ様も?」

ロイもやりたいと頷くと

「ではこの女の方で試してみては?」

スチュアートは掴んでいたマデリンをロイの前に突き出した。

口を元から塞がれているマデリンはブンブンと首を振る。

スチュアートさんに動かないように押さえてもらいロイがマデリンの喉に剣を突き刺すと…

「おっと、少し深いですね」

マデリンの首から血が流れ落ちるとすぐに回復薬をかけた。

血が止まるのを確認すると

「危ない危ない、いいかい。拷問は殺さないようにするのが重要だ、いかに生かしながら苦しめるか…」

「はい」

「わかりました」

二人は真剣に頷いた。
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