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123.気持ち※
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◆
「カ、カイル様?」
あきらかに不機嫌な俺の様子に部下のリプスは血の気が引いたような真っ青な顔をしている。
「俺はあの令嬢の所にいく……だからリプスはローズを部屋までお送りしろ」
「は、はい!」
リプスが慌ててローズを追いかけようと走り出すのを見送ると命令を付け足す。
「いいか……絶対に手を出すなよ」
「えっ……」
自分でも驚くほど冷めた声がでた。リプスはビクッと振り返るが俺はもう既に後ろを向いて走り出した。
リプスは全身が悪寒に襲われているのか震える体を擦りながら必死にローズの後を追った。
「ローズ様!」
先を歩く私に先程の兵士さんが声をかけてきた。
振り返ると息を切らして慌てている。
「部屋までお送りします」
大丈夫だと断るが必死な様子に承諾すると三歩離れた場所から頭を下げた。
「それではお願いします。でもなんでそんなに離れているんですか?」
不自然に距離を取る兵士さんに疑問に思って聞いてみた。
「これはローズ様や他のご令嬢に触れないようにする為に……先程のご令嬢はこれ以上近づくと汚物でも見るような顔で睨みつけてきましたので……」
余程酷いことでも言われたのか泣きそうな顔でかしいでいる。
「でもそんなに離れていたらいざと言う時守れませんよ?」
なんか緊張した様子にクスクスと笑うと兵士さんに一歩近づいた。
「い、いけません! 近づいたら叱られます」
「誰に?」
守ってくれる人に近づいて怒る人などいるのかと疑問に思う。
「カ、カイル様に……」
「なんでカイル様がそんな事で叱るんですか?」
「それだけローズ様を心配しているのだと思います。カイル様が笑顔を見せるのはローズ様にだけですから……あっ! 今のは内緒でお願いします」
兵士さんは顔を真っ青にしてアワアワと慌てる。
しかし兵士の様子よりもその言葉に意識が向いてしまっていた。
「そうなんだ……」
私は先程の真剣な顔で見つめあったやり取りをを思い出した。
「ローズ様? 大丈夫ですか、顔が赤いですよ」
心配そうにしながらも近づかないで声をかけてきた。
「えっ?」
火照った頬を触ると、顔を背けてパタパタと顔を冷やした。
「だ、大丈夫です。さぁ行きましょ!」
私は兵士さんに気持ちを誤魔化すように先を促す。
「だ、だから駄目ですよ!」
少し近づいた事でまた離れようとした。
「私が近づいたんだから大丈夫ですよ、もし怒られたらそう言って下さい。それにカイル様の方がよっぽど近くにくるもの」
ボソッと呟いた。
「なんですか?」
聞こえなかったようでチラッと私の顔を覗き込む。
「なんでもないわ、行きましょ」
ニコッと笑いかけて二人で部屋へと向かった。
それでも兵士さんは私に触れないように細心の注意を払いながら部屋へと送ってくれた。
部屋まで来るとほっと息をついた。
その様子に私は思わず吹きだしてしまう。
「兵士さん緊張しすぎですよ。私は位の高い令嬢じゃありませんからそんなに緊張しないで下さい」
「ですが……」
「あっ! そうだちょっとそこでまってて下さい」
急いで部屋に戻ると、お菓子の袋を持って戻ってきた。
「ここまで送って頂いたお礼です。いつも国の為にありがとうございます」
お茶会で作ったクッキーの入った袋を二つ持ってくると兵士さんに渡した。
「これは?」
二個あることに戸惑っている。
「一つはカイル様に、そうすれば兵士さんのこと怒れないですよね」
「ありがとうございます!」
嬉しそうに袋を受け取り宝物のように抱きしめた。
「ローズ様の護衛ならいつでも喜んで致しますので声をかけて下さい! あっ僕の名前はリプスと申します」
「リプスさんですね。その時はよろしくお願いします」
リプスさん緊張はすっかり無くなったようで笑顔で帰って行った。
「カ、カイル様?」
あきらかに不機嫌な俺の様子に部下のリプスは血の気が引いたような真っ青な顔をしている。
「俺はあの令嬢の所にいく……だからリプスはローズを部屋までお送りしろ」
「は、はい!」
リプスが慌ててローズを追いかけようと走り出すのを見送ると命令を付け足す。
「いいか……絶対に手を出すなよ」
「えっ……」
自分でも驚くほど冷めた声がでた。リプスはビクッと振り返るが俺はもう既に後ろを向いて走り出した。
リプスは全身が悪寒に襲われているのか震える体を擦りながら必死にローズの後を追った。
「ローズ様!」
先を歩く私に先程の兵士さんが声をかけてきた。
振り返ると息を切らして慌てている。
「部屋までお送りします」
大丈夫だと断るが必死な様子に承諾すると三歩離れた場所から頭を下げた。
「それではお願いします。でもなんでそんなに離れているんですか?」
不自然に距離を取る兵士さんに疑問に思って聞いてみた。
「これはローズ様や他のご令嬢に触れないようにする為に……先程のご令嬢はこれ以上近づくと汚物でも見るような顔で睨みつけてきましたので……」
余程酷いことでも言われたのか泣きそうな顔でかしいでいる。
「でもそんなに離れていたらいざと言う時守れませんよ?」
なんか緊張した様子にクスクスと笑うと兵士さんに一歩近づいた。
「い、いけません! 近づいたら叱られます」
「誰に?」
守ってくれる人に近づいて怒る人などいるのかと疑問に思う。
「カ、カイル様に……」
「なんでカイル様がそんな事で叱るんですか?」
「それだけローズ様を心配しているのだと思います。カイル様が笑顔を見せるのはローズ様にだけですから……あっ! 今のは内緒でお願いします」
兵士さんは顔を真っ青にしてアワアワと慌てる。
しかし兵士の様子よりもその言葉に意識が向いてしまっていた。
「そうなんだ……」
私は先程の真剣な顔で見つめあったやり取りをを思い出した。
「ローズ様? 大丈夫ですか、顔が赤いですよ」
心配そうにしながらも近づかないで声をかけてきた。
「えっ?」
火照った頬を触ると、顔を背けてパタパタと顔を冷やした。
「だ、大丈夫です。さぁ行きましょ!」
私は兵士さんに気持ちを誤魔化すように先を促す。
「だ、だから駄目ですよ!」
少し近づいた事でまた離れようとした。
「私が近づいたんだから大丈夫ですよ、もし怒られたらそう言って下さい。それにカイル様の方がよっぽど近くにくるもの」
ボソッと呟いた。
「なんですか?」
聞こえなかったようでチラッと私の顔を覗き込む。
「なんでもないわ、行きましょ」
ニコッと笑いかけて二人で部屋へと向かった。
それでも兵士さんは私に触れないように細心の注意を払いながら部屋へと送ってくれた。
部屋まで来るとほっと息をついた。
その様子に私は思わず吹きだしてしまう。
「兵士さん緊張しすぎですよ。私は位の高い令嬢じゃありませんからそんなに緊張しないで下さい」
「ですが……」
「あっ! そうだちょっとそこでまってて下さい」
急いで部屋に戻ると、お菓子の袋を持って戻ってきた。
「ここまで送って頂いたお礼です。いつも国の為にありがとうございます」
お茶会で作ったクッキーの入った袋を二つ持ってくると兵士さんに渡した。
「これは?」
二個あることに戸惑っている。
「一つはカイル様に、そうすれば兵士さんのこと怒れないですよね」
「ありがとうございます!」
嬉しそうに袋を受け取り宝物のように抱きしめた。
「ローズ様の護衛ならいつでも喜んで致しますので声をかけて下さい! あっ僕の名前はリプスと申します」
「リプスさんですね。その時はよろしくお願いします」
リプスさん緊張はすっかり無くなったようで笑顔で帰って行った。
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