ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字の大きさ
181 / 675
番外編【ネタバレ注意】

ベイカーさんの秘密3

しおりを挟む
「そうだな、ミヅキこちらの女性なんだが…」

ベイカーさんは隣の女性を私に紹介しようとした…

その顔は恥ずかしそうにはにかんでいる。

聞きたくない。

ギュッと目をつぶるとベイカーさんは私の異変に気がついた。

「ど、どうした、やっぱりどっか悪いのか?ベロニカさん悪いけど今日は帰ってくれミヅキが心配だ」

「そうね、その方が良さそうだわ。ミヅキちゃんお大事にね」

ベロニカさんは嫌な顔もしないですぐに帰ろうとしてしまう。

しかも私の事を心配してくれて…

「大丈夫、ベイカーさん紹介して」

私は二人をみてにっこりと笑った。

「でも…ミヅキが心配だ。なんか昨日から変だし」

「そうよ私の事は気にしないで、また来るわ」

そうか、二人はいつでも会える間柄なんだ。

「大丈夫です、もう大丈夫」

私は帰ろうとするベロニカさんの服を引っ張って引き止めた。

「本当に?」

ベロニカさんは心配そうにベイカーさんに確認する。

「まぁ俺もいるし家だから、ミヅキがそう言うなら」

私はベイカーさんに下ろして貰うと二人に向き合った。

「じゃあ早速用意するから待っててくれ」

ベイカーさんは紹介を忘れたのかキッチンに立ち出した。

「ベイカーさん何してるの?」

急になにか作り始めたベイカーさんに戸惑うがベロニカさんはニコニコとその様子を見ていた。

「ミヅキちゃんはここに座って待ちましょう」

そして椅子に座らせてくれる。

ベイカーさんは慣れた様子で料理を作っている、あんなに手際よく動けたのかと驚いていると大盛りのミートボールパスタを作ってきた。

ミートボールはハンバーグのように大きくてゴロゴロとたくさんあり、ミートソースのいい香りが美味しそうだ。

「さぁ出来た!」

「ベイカーさんこっちもね」

するとベロニカさんが持っていた箱からケーキを取り出す。

お祝いのような食事に納得した。

「今日は二人のお祝いなんだね」

私はベイカーさんとベロニカさんを交互に見た。

「よくわかったな、大事な日だからなにかしたくてな」

ベイカーさんには珍しくロマンチックな事を言っていた。
それだけ大事な人なのだろう。

「なら私がいない方がいいんじゃない?ベイカーさんはベロニカさんと二人でお祝いしなよ。おめでとう」

私は精一杯に笑って二人を祝福した。

しかしベイカーさんとベロニカさんは驚いて顔を見合わせている。

「なんでベロニカさんとお祝いするんだ?」

「え?だってベイカーさんとベロニカさんのお付き合いの記念じゃないの?」

「「えー!」」

そう言うと二人は驚いて大きな声をあげる。

「ないない!ベイカーさんは無いよー」

ベロニカさんは笑って否定していた。

「え?じゃあなんのお祝い?」

「ふふ、これはミヅキちゃんとベイカーさんのお祝いよ。二人がこの家に暮らし始めた記念だって言ってわよ」

そんな事を言われて考えて見ると確かにそのくらい日が経っていた。

「ベイカーさん、本当?」

「まぁ…いつもミヅキが美味しいもの作ってくれるからたまには俺があげたいなって思ってベロニカさんにレシピを教えて貰ってたんだ」

「ベロニカさんの事が好きで頼んだんじゃ…」

まだ少し疑っているとベロニカさんが豪快に笑う。

「あはは!ごめんねミヅキちゃん、私結婚してるのよ。それに…ベイカーさんは悪いけど無いわ。だって恋人になる人以上に大切な人がいるからね」

「大切な人?」

「ミヅキちゃんの事よ、なにかあればうちのミヅキはって自慢ばっかりするよの、本当にこれじゃしばらくは奥さんどころか恋人も無理ね」

「ベイカーさん…」

そんなふうに外で言っていたなんて…

私は恥ずかしさに頬が熱くなった。

「それは仕方ない、今はミヅキの面倒をみるって決めたからな。それ以上に優先することは無い」

ベイカーさんの言葉に胸が熱くなった。
それと同時に自分の勘違いに恥ずかしくなる。

「ふふ、どうやら無事に誤解は解けたみたいね」

ベロニカさんはそっと私に耳打ちしてきた。

「さてと私はこれで帰らせてもらうわね、ベイカーさんもう一人で大丈夫でしょ?」

「ああ、ありがとう。明日にでも依頼完了と報告しておくよ」

「毎度あり!じゃあ私も旦那とデートしてくるわ」

ベロニカさんは私たちにウインクしてハラハラと手を振って帰って行った。

「依頼を申し込んだの?」

「そりゃ一人じゃ作れないからな、ほら食べようぜ。ミヅキ腹減ってるんだろ」

ベイカーさんはお皿にパスタと大きなミートボールをのせて私によそってくれた。

「ありがとう、すごく美味しそう!」

「だろ!ミヅキに食わしてやりたくて頑張って昨日何度も練習したんだぜ!そのおかげでバッチリ上手くなったよ」

ベイカーさんはシルバ達にもよそってくれると自分の分も用意して席に座った。

「いただきます!」

私がフォークを手に取って食べるのをベイカーさんがじっと見つめる。

いつもなら真っ先に食べるのに…

なんかムズムズしながらも大きな口でパスタをほうばった。

んんんーおいしー

私の食べる姿に満足したのかベイカーさんも自分の分を食べだした。

「うん、美味い!でも…」

なんだろうと首を傾げている。

「どうかした?」

「いや、全く同じに作ったんだが…ベロニカさんと食べた時より美味いんだよ、なんでだろ?」

「それって…」

私と一緒に食べたから?

思っても口にするのは恥ずかしかった。

「みんなで、食べたからかな。私もすごく美味しい、ベイカーさんありがとう」

「まだまだあるからもっと食えよ」

ベイカーさんは嬉しそうにおかわりをよそおうとする。

【だから心配ないって言ったんだ】

【ベイカーはベイカーだったね】

シルバとシンクに呆れられたが嬉しいので聞かなかった事にする。

お腹いっぱいに食べてケーキまで食べた私達は満腹で動けずにソファーで横になりみんなで眠った。

いつかベイカーさんに私よりも大切な人ができるまで…ここは私の場所。

そう誓ってベイカーさんの頼もしい胸で安心して眠りに落ちた。
しおりを挟む
感想 6,829

あなたにおすすめの小説

転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!

饕餮
ファンタジー
  書籍化決定!   2024/08/中旬ごろの出荷となります!   Web版と書籍版では一部の設定を追加しました! 今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。 救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。 一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。 そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。 だが。 「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」 森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。 ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。 ★主人公は口が悪いです。 ★不定期更新です。 ★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

私の家族はハイスペックです! 落ちこぼれ転生末姫ですが溺愛されつつ世界救っちゃいます!

りーさん
ファンタジー
 ある日、突然生まれ変わっていた。理由はわからないけど、私は末っ子のお姫さまになったらしい。 でも、このお姫さま、なんか放置気味!?と思っていたら、お兄さんやお姉さん、お父さんやお母さんのスペックが高すぎるのが原因みたい。 こうなったら、こうなったでがんばる!放置されてるんなら、なにしてもいいよね! のんびりマイペースをモットーに、私は好きに生きようと思ったんだけど、実は私は、重要な使命で転生していて、それを遂行するために神器までもらってしまいました!でも、私は私で楽しく暮らしたいと思います!

コミカライズ決定!【完結】魔王様、溺愛しすぎです!

綾雅(りょうが)今年は7冊!
ファンタジー
コミカライズ決定です! 詳細は許可が出てから改めて発表しますので、しばらくお待ちください(*´꒳`*) 「パパと結婚する!」  8万年近い長きにわたり、最強の名を冠する魔王。勇者を退け続ける彼の居城である『魔王城』の城門に、人族と思われる赤子が捨てられた。その子を拾った魔王は自ら育てると言い出し!? しかも溺愛しすぎて、周囲が大混乱!  拾われた子は幼女となり、やがて育て親を喜ばせる最強の一言を放った。魔王は素直にその言葉を受け止め、嫁にすると宣言する。  シリアスなようでコメディな軽いドタバタ喜劇(?)です。 【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう 【表紙イラスト】しょうが様(https://www.pixiv.net/users/291264) 挿絵★あり 【完結】2021/12/02 ※2025/12/25,コミカライズ決定! ※2022/08/16 第3回HJ小説大賞前期「小説家になろう」部門 一次審査通過 ※2021/12/16 第1回 一二三書房WEB小説大賞、一次審査通過 ※2021/12/03 「小説家になろう」ハイファンタジー日間94位 ※2021/08/16、「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過作品 ※2020年8月「エブリスタ」ファンタジーカテゴリー1位(8/20〜24) ※2019年11月「ツギクル」第4回ツギクル大賞、最終選考作品 ※2019年10月「ノベルアップ+」第1回小説大賞、一次選考通過作品 ※2019年9月「マグネット」ヤンデレ特集掲載作品

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件

三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。 ※アルファポリスのみの公開です。

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

転生幼女はお願いしたい~100万年に1人と言われた力で自由気ままな異世界ライフ~

土偶の友
ファンタジー
 サクヤは目が覚めると森の中にいた。  しかも隣にはもふもふで真っ白な小さい虎。  虎……? と思ってなでていると、懐かれて一緒に行動をすることに。  歩いていると、新しいもふもふのフェンリルが現れ、フェンリルも助けることになった。  それからは困っている人を助けたり、もふもふしたりのんびりと生きる。 9/28~10/6 までHOTランキング1位! 5/22に2巻が発売します! それに伴い、24章まで取り下げになるので、よろしく願いします。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。