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番外編【ネタバレ注意】
ベイカーさんの秘密2
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【シルバ達なにか知ってるの!?】
ふたりに詰め寄ってみた。
【いや、ベイカーの気配がしたから…】
シルバ達がサッと顔を逸らしている。
なにか知っているわけないか…なんかシュンと気分が下がって下を向いた。
【ミヅキ?】
何も言わない私にシンクが顔を覗き込んできた。
【ミヅキ、あんなのはほっといてご飯に行こう、ほら店はそこだろ?】
シルバにトンっと優しく背中を押されるが足が動かない。
「ベイカーさんを追いかける」
【【えー!】】
【やめとこうよ、僕はミヅキとご飯食べたいな】
【そうだ、せっかくのミヅキとの時間を楽しもう】
シルバ達に反対されるがこのままでは気になってご飯の味どころではない!
私はそっとベイカーさんのあとを追うことにした。
「むー!」
【ミヅキ、可愛い顔が台無しだぞ】
私がむくれているとシルバが膨れた頬に擦りよってくる。
いつもならすぐに笑顔になっちゃう行為だが今日はなかなか戻らなかった。
それは目の前の光景のせいだった。
ベイカーさんは綺麗な女の人と並んで歩きお店に入って行った。
中に入ると鉢合わせしそうなのでしたかなく外で待っているとたくさんの荷物を抱えて二人が出てきた。
「持ちますよ」
ベイカーさんは女性の荷物まで預かると両手に抱える。
「凄く力持ちね」
女性に褒められて満更でもない顔を見せていた。
【ミヅキ、もういいだろ。ほらもっと楽しいところに行こう】
【待って!また何処かに行くみたい】
私はさらにあとを追いかけるとベイカーさん達はその女性と思われる人の家に入ってしまった。
【もうやめとこう。ベイカーはほら、なんか依頼受けてるんだよ】
【ベイカーさん、野暮用って言ってた…】
【あれが野暮用なんだろうよ】
【野暮用って何?女性とデートする事?】
シルバ達を困らせるのはわかっているが止まらない。
【言ってくれれば私だって…ちゃんと笑顔で送れるのに…】
何より内緒にされたことが悲しかった。
【ミヅキ、行こう】
【ミヅキの悲しい顔は見てられん】
シルバ達に促されて私たちはどこにも行くことなく家へと帰った。
その後ベイカーさんが帰ってきたが私は部屋から出ないで寝たフリをした。
「ミヅキ、大丈夫か?」
ベイカーさんが心配そうに扉をノックしてドア越しに声をかけてきた。
「うん、遊び疲れただけだから…大丈夫」
なるべく明るい声で返事を返した。
「そうか…」
ベイカーさんには悪いけど今は顔を見たくなかった。
ベイカーさんは心配して何度も何度も私の部屋の前をウロウロしていたみたいだったがシルバ達が扉の前に座り込み中には入れないでいてくれた。
次の日になりベイカーさんはまた野暮用だと言っていた。
「やっぱり行くのやめようかな…ミヅキが心配だし」
「私は大丈夫、別にベイカーさんいても同じだし寝てるから」
「そうか…無理するなよ。なにかあればシンク呼びに来いよ」
「クゥ」
シンクの返事にベイカーさんが迷いながらも家を出ていく気配を感じた。
【ミヅキー大丈夫?】
ベイカーさんが行くとシルバ達が部屋に入ってきた。
【うん、大丈夫だよ。ただ今はベイカーさんの顔を見れなくて、見たら文句言っちゃいそうなんだもん】
いや、それよりもあの女性の事を言われるのが怖い。もしベイカーさんがあの人と暮らしたいなら…私は出ていかなくちゃ行けなくなる。
それがベイカーさんの幸せなら邪魔したくない…そう思いながらも心のそこから祝福できない自分が嫌だった。
「どうしよう」
【ミヅキの好きにしたらいいさ、俺達は何処までも一緒にいるぞ】
【もちろん僕もね!】
【シルバ、シンク…ありがとう】
ふたりに抱きつくとその温もりに気分が少し落ち着いてきた。
【それにさぁまだベイカーの相手かわかんないよ、僕はベイカーがそんな事できると思わないけどなー】
【そうだな、どうしようも無いやつだがミヅキを思う気持ちは少し認めてやってる】
シンクとシルバがそんな事を言い出した。
【そうだね、まだ確かめてもないのに決めつけるの良くないよね…よし!今日ベイカーさんが帰ってきたら聞いてみる!】
そう決めると少し気持ちが楽になった。
途端に「ぐぅ~」とお腹が鳴り出した。
昨日からまともに食べてなくてほっとした途端にお腹が空いてきた。
【なにか食べようか】
【おう!】
【うん!】
シルバ達の返事になにかないかとキッチンに向かった。
「ただいまー」
するとベイカーさんが帰ってきてしまった!
「お邪魔します」
しかも後ろにはあの女性が!
ど、どうしよう!
隠れる場所などどこにもない、私が居るのはまずいんじゃないかと思うが体はウロウロと動くばかりだった。
「ミヅキ!起きてきて大丈夫なのか!」
するとベイカーさんは私に気がつくなり駆け寄って私の体をヒョイっと持ち上げた。
「べ、ベイカーさん!彼女が見てるよ」
驚く女性の顔に下ろしてと頼むがベイカーさんは離してくれなかった。
「やだ、昨日もまともに会ってないのに。体調は平気なのか!?」
「大丈夫だから!」
ベイカーさんから離れようとすると空気を読まない私のお腹がまた鳴り出した。
「腹減ってるのか?」
「あら、そうなの?」
女性もベイカーさんの横に並ぶとクスッと笑いながら私の顔を覗き込んだ。
「ベイカーさんちょうどいいじゃない、この子に言ってあげましょうよ」
女性の言葉に私は掴んでいたベイカーさんの服をギュッと握りしめた。
ふたりに詰め寄ってみた。
【いや、ベイカーの気配がしたから…】
シルバ達がサッと顔を逸らしている。
なにか知っているわけないか…なんかシュンと気分が下がって下を向いた。
【ミヅキ?】
何も言わない私にシンクが顔を覗き込んできた。
【ミヅキ、あんなのはほっといてご飯に行こう、ほら店はそこだろ?】
シルバにトンっと優しく背中を押されるが足が動かない。
「ベイカーさんを追いかける」
【【えー!】】
【やめとこうよ、僕はミヅキとご飯食べたいな】
【そうだ、せっかくのミヅキとの時間を楽しもう】
シルバ達に反対されるがこのままでは気になってご飯の味どころではない!
私はそっとベイカーさんのあとを追うことにした。
「むー!」
【ミヅキ、可愛い顔が台無しだぞ】
私がむくれているとシルバが膨れた頬に擦りよってくる。
いつもならすぐに笑顔になっちゃう行為だが今日はなかなか戻らなかった。
それは目の前の光景のせいだった。
ベイカーさんは綺麗な女の人と並んで歩きお店に入って行った。
中に入ると鉢合わせしそうなのでしたかなく外で待っているとたくさんの荷物を抱えて二人が出てきた。
「持ちますよ」
ベイカーさんは女性の荷物まで預かると両手に抱える。
「凄く力持ちね」
女性に褒められて満更でもない顔を見せていた。
【ミヅキ、もういいだろ。ほらもっと楽しいところに行こう】
【待って!また何処かに行くみたい】
私はさらにあとを追いかけるとベイカーさん達はその女性と思われる人の家に入ってしまった。
【もうやめとこう。ベイカーはほら、なんか依頼受けてるんだよ】
【ベイカーさん、野暮用って言ってた…】
【あれが野暮用なんだろうよ】
【野暮用って何?女性とデートする事?】
シルバ達を困らせるのはわかっているが止まらない。
【言ってくれれば私だって…ちゃんと笑顔で送れるのに…】
何より内緒にされたことが悲しかった。
【ミヅキ、行こう】
【ミヅキの悲しい顔は見てられん】
シルバ達に促されて私たちはどこにも行くことなく家へと帰った。
その後ベイカーさんが帰ってきたが私は部屋から出ないで寝たフリをした。
「ミヅキ、大丈夫か?」
ベイカーさんが心配そうに扉をノックしてドア越しに声をかけてきた。
「うん、遊び疲れただけだから…大丈夫」
なるべく明るい声で返事を返した。
「そうか…」
ベイカーさんには悪いけど今は顔を見たくなかった。
ベイカーさんは心配して何度も何度も私の部屋の前をウロウロしていたみたいだったがシルバ達が扉の前に座り込み中には入れないでいてくれた。
次の日になりベイカーさんはまた野暮用だと言っていた。
「やっぱり行くのやめようかな…ミヅキが心配だし」
「私は大丈夫、別にベイカーさんいても同じだし寝てるから」
「そうか…無理するなよ。なにかあればシンク呼びに来いよ」
「クゥ」
シンクの返事にベイカーさんが迷いながらも家を出ていく気配を感じた。
【ミヅキー大丈夫?】
ベイカーさんが行くとシルバ達が部屋に入ってきた。
【うん、大丈夫だよ。ただ今はベイカーさんの顔を見れなくて、見たら文句言っちゃいそうなんだもん】
いや、それよりもあの女性の事を言われるのが怖い。もしベイカーさんがあの人と暮らしたいなら…私は出ていかなくちゃ行けなくなる。
それがベイカーさんの幸せなら邪魔したくない…そう思いながらも心のそこから祝福できない自分が嫌だった。
「どうしよう」
【ミヅキの好きにしたらいいさ、俺達は何処までも一緒にいるぞ】
【もちろん僕もね!】
【シルバ、シンク…ありがとう】
ふたりに抱きつくとその温もりに気分が少し落ち着いてきた。
【それにさぁまだベイカーの相手かわかんないよ、僕はベイカーがそんな事できると思わないけどなー】
【そうだな、どうしようも無いやつだがミヅキを思う気持ちは少し認めてやってる】
シンクとシルバがそんな事を言い出した。
【そうだね、まだ確かめてもないのに決めつけるの良くないよね…よし!今日ベイカーさんが帰ってきたら聞いてみる!】
そう決めると少し気持ちが楽になった。
途端に「ぐぅ~」とお腹が鳴り出した。
昨日からまともに食べてなくてほっとした途端にお腹が空いてきた。
【なにか食べようか】
【おう!】
【うん!】
シルバ達の返事になにかないかとキッチンに向かった。
「ただいまー」
するとベイカーさんが帰ってきてしまった!
「お邪魔します」
しかも後ろにはあの女性が!
ど、どうしよう!
隠れる場所などどこにもない、私が居るのはまずいんじゃないかと思うが体はウロウロと動くばかりだった。
「ミヅキ!起きてきて大丈夫なのか!」
するとベイカーさんは私に気がつくなり駆け寄って私の体をヒョイっと持ち上げた。
「べ、ベイカーさん!彼女が見てるよ」
驚く女性の顔に下ろしてと頼むがベイカーさんは離してくれなかった。
「やだ、昨日もまともに会ってないのに。体調は平気なのか!?」
「大丈夫だから!」
ベイカーさんから離れようとすると空気を読まない私のお腹がまた鳴り出した。
「腹減ってるのか?」
「あら、そうなの?」
女性もベイカーさんの横に並ぶとクスッと笑いながら私の顔を覗き込んだ。
「ベイカーさんちょうどいいじゃない、この子に言ってあげましょうよ」
女性の言葉に私は掴んでいたベイカーさんの服をギュッと握りしめた。
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