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13章
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【ミヅキ、問題ないか?】
【大丈夫だよ、今あの扉の前に着いたよ】
【ミヅキに何か異変があればすぐに行くからな】
【わ、わかった】
シルバ達の声色に本当に些細なことで飛び込んできそうな気配を感じる。そうならないように気をつけないと…
シルバ達が暴れたらきっとこの国から出ていかないと、そうなったらルナちゃんの思いもアナテマの事もこの国の人達のことも見捨てる事になっちゃう。
私は深呼吸して心を落ち着かせるとシルバ達との会話を終了した。
兵士さんに扉を開いて貰うとまたあの大きな椅子にヴォイドが座っていた。
私は顔を下に向けて近づいていく。
「 話があるそうだな」
声を聞いてビクッと肩が跳ねるのを必死に抑えた。
「は、はい。先程の態度をどうしても謝りたくて…その、お、お父様に…」
言いたくなさすぎて噛んでしまった。
「ふん、ようやく思い出したか?」
ヴォイドの声にムカつく気持ちを鎮めて返事をする。
「は、はい。まだ少し記憶も曖昧なのですが…思い出した事もあります。ヴォイド様の偉大さなど…」
顔を下げててよかった。
顔をあげていたらきっと引きつっていたのがバレバレだろう。
「まぁ全てを思い出す必要はない、自分の役割をわかっていればな」
役割…
「私は……お父様のものでお父様の役に立つ為に生きている…」
「それがわかっているならいい。話はそれだけか?」
「い、いえ! そのお父様のためにも少し町の様子を見たいと思っています。どうか外出する許可を下さい」
私は必死に気持ちを押し殺してお願いした。
「町に行く必要などない」
ヴォイドに一喝されてしまう。
「ですが…町になにか大きな魔力を感じます。私がそれを手に入れたら…喜んでくれますか?」
チラッと顔をあげて上目遣いにヴォイドを見つめた。
ヴォイドは少し考えた後に不機嫌そうにため息をつく。
「わかった」
やった!
「しかし条件がある、お前が町に行く間従魔の一匹を置いていけ」
「え!?」
「それが外出する鍵となる。魔法陣の上に従魔を置けば外への扉が開く。もしお前が帰ってこなければ従魔を殺す」
な、なんだと…
私は拳を握りしめた。
あまりに強く握って手のひらに爪が食い込むが痛みなど感じない。
それよりも怒りの方が勝っていた。
「そんなの…」
絶対にお断りだ!
と返事をしそうになるとシルバの声が頭に響いた。
【ミヅキ!俺達は構わない、返事をしろ】
【で、でも…】
【冷静になれ、ここで揉めたらまた一からだぞ】
【うぅ…】
私はギュッと目をつぶると覚悟を決めた。
「わかりました、お父様のおうせのままに」
「用はすんだな、今後は私が呼んだらすぐに来るように」
「はい」
返事をするだけでいっぱいいっぱいだった。
口を開けば文句が飛び出しそうで固く閉じている。
兵士に促されて部屋の外に出ようとするとヴォイドに呼び止められた。
「言い忘れていたが外に行くなら必ずコイツを連れて行け。おい」
ヴォイドが呼ぶと隣に男の人が現れた。
男は白髪で髪が長く無表情でこちらを見つめている。
「ビャク、ルナから目を離すなよ」
ヴォイドにそう言われてビャクと言う人はコクッと頷くとまた姿を消してしまった。
「え?き、消えちゃった」
「従魔を預ければすぐに現れる。ビャクから離れた時は…わかっているな」
ヴォイドがジロっと冷たい 瞳で見下ろしてきた。
預けたみんなの命は無いって言いたいのだろう。
「わかりました…」
私はそう返事をして頭を下げる。
グッと歯を食いしばる顔を見られないように…
ヴォイドは用は済んだとサッサと部屋を後にすると私もその場にいたくなくみんなの待つ部屋へと急いだ。
【みんなー!】
部屋に戻るなりみんなが出迎えてくれる。
シルバの体毛に顔を埋めてようやく気持ちが落ち着いてきた。
【ごめんね、みんなの事人質に取られちゃった】
申し訳なくみんなに謝るがみんなの顔は明るかった。
【いや、むしろミヅキがこの程度で我慢して帰ってきて良かった】
【本当に、無事で安心したよー】
みんなはほっとしている。
【絶対にちゃんと帰ってくるからね!】
【大丈夫だ、みんなミヅキを信じているからな】
シルバが自信満々に答える。
なんだかそんなに信頼してもらっていてちょっと嬉しい。
【よし! じゃあ早速外に行ってみよう!】
私は気持ちを切り替えて城を出る準備をはじめた。
【大丈夫だよ、今あの扉の前に着いたよ】
【ミヅキに何か異変があればすぐに行くからな】
【わ、わかった】
シルバ達の声色に本当に些細なことで飛び込んできそうな気配を感じる。そうならないように気をつけないと…
シルバ達が暴れたらきっとこの国から出ていかないと、そうなったらルナちゃんの思いもアナテマの事もこの国の人達のことも見捨てる事になっちゃう。
私は深呼吸して心を落ち着かせるとシルバ達との会話を終了した。
兵士さんに扉を開いて貰うとまたあの大きな椅子にヴォイドが座っていた。
私は顔を下に向けて近づいていく。
「 話があるそうだな」
声を聞いてビクッと肩が跳ねるのを必死に抑えた。
「は、はい。先程の態度をどうしても謝りたくて…その、お、お父様に…」
言いたくなさすぎて噛んでしまった。
「ふん、ようやく思い出したか?」
ヴォイドの声にムカつく気持ちを鎮めて返事をする。
「は、はい。まだ少し記憶も曖昧なのですが…思い出した事もあります。ヴォイド様の偉大さなど…」
顔を下げててよかった。
顔をあげていたらきっと引きつっていたのがバレバレだろう。
「まぁ全てを思い出す必要はない、自分の役割をわかっていればな」
役割…
「私は……お父様のものでお父様の役に立つ為に生きている…」
「それがわかっているならいい。話はそれだけか?」
「い、いえ! そのお父様のためにも少し町の様子を見たいと思っています。どうか外出する許可を下さい」
私は必死に気持ちを押し殺してお願いした。
「町に行く必要などない」
ヴォイドに一喝されてしまう。
「ですが…町になにか大きな魔力を感じます。私がそれを手に入れたら…喜んでくれますか?」
チラッと顔をあげて上目遣いにヴォイドを見つめた。
ヴォイドは少し考えた後に不機嫌そうにため息をつく。
「わかった」
やった!
「しかし条件がある、お前が町に行く間従魔の一匹を置いていけ」
「え!?」
「それが外出する鍵となる。魔法陣の上に従魔を置けば外への扉が開く。もしお前が帰ってこなければ従魔を殺す」
な、なんだと…
私は拳を握りしめた。
あまりに強く握って手のひらに爪が食い込むが痛みなど感じない。
それよりも怒りの方が勝っていた。
「そんなの…」
絶対にお断りだ!
と返事をしそうになるとシルバの声が頭に響いた。
【ミヅキ!俺達は構わない、返事をしろ】
【で、でも…】
【冷静になれ、ここで揉めたらまた一からだぞ】
【うぅ…】
私はギュッと目をつぶると覚悟を決めた。
「わかりました、お父様のおうせのままに」
「用はすんだな、今後は私が呼んだらすぐに来るように」
「はい」
返事をするだけでいっぱいいっぱいだった。
口を開けば文句が飛び出しそうで固く閉じている。
兵士に促されて部屋の外に出ようとするとヴォイドに呼び止められた。
「言い忘れていたが外に行くなら必ずコイツを連れて行け。おい」
ヴォイドが呼ぶと隣に男の人が現れた。
男は白髪で髪が長く無表情でこちらを見つめている。
「ビャク、ルナから目を離すなよ」
ヴォイドにそう言われてビャクと言う人はコクッと頷くとまた姿を消してしまった。
「え?き、消えちゃった」
「従魔を預ければすぐに現れる。ビャクから離れた時は…わかっているな」
ヴォイドがジロっと冷たい 瞳で見下ろしてきた。
預けたみんなの命は無いって言いたいのだろう。
「わかりました…」
私はそう返事をして頭を下げる。
グッと歯を食いしばる顔を見られないように…
ヴォイドは用は済んだとサッサと部屋を後にすると私もその場にいたくなくみんなの待つ部屋へと急いだ。
【みんなー!】
部屋に戻るなりみんなが出迎えてくれる。
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【ごめんね、みんなの事人質に取られちゃった】
申し訳なくみんなに謝るがみんなの顔は明るかった。
【いや、むしろミヅキがこの程度で我慢して帰ってきて良かった】
【本当に、無事で安心したよー】
みんなはほっとしている。
【絶対にちゃんと帰ってくるからね!】
【大丈夫だ、みんなミヅキを信じているからな】
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なんだかそんなに信頼してもらっていてちょっと嬉しい。
【よし! じゃあ早速外に行ってみよう!】
私は気持ちを切り替えて城を出る準備をはじめた。
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