644 / 687
12章(続き)
739.
しおりを挟む
【ミヅキは大丈夫か!】
シルバが魔物を一掃すると尻尾を振りながらご機嫌で私の元に駆け寄ってきた。
【私は大丈夫だよー、それよりもシルバ達は怪我はない?】
【あるわけないだろこんな奴らに】
シルバが倒した魔物を踏みつけながら歩いている。
【 そ、そうだよね、シルバ達凄かったよ】
【がんばった!】
コハクがピョンっと私の膝に飛び乗ってきた。
【コハクも頑張ったね!みんなもありがとう】
私はシンクやプルシアにもお礼を言う。
「さぁ解体もすんだら、あとは持って帰るだけね」
「あっ!ミシェル隊長私が収納しますよ!」
私はそのくらいは手伝えると声をかける。
「セバスさん、じいちゃんいいかな?」
「あれだけの魔物をしまえるのはミヅキさんだけですからね」
仕方ないと眉を下げて頷いた。
私は次から次に解体された魔物をしまう、残りの皮やそれ以外の素材もついでにしまった。
マルコさんにあげたら喜びそうだ。
収納に全てしまってホクホクで帰路に付いた。
王都に着くとエルフ達の滞在している場所の近くを借りることにした。
一般人は入れない場所で神木の加護もあるから何かあれば私を守りやすいのでは無いかと考えてくれた。
みんなの気遣いに感謝しかない。
その思いに感謝の気持ちを返すべく料理にせいを出すことにした。
「じゃあ剣が使える人はお肉を切ってください!デボットさんとレアルさんはみんなに指示をお願いね」
「おお、じゃあ俺は騎士団のみんなの方に行くよ」
デボットさんがアランさんと騎士達に指示を出しに行ってくれた。
「では私は各国に人を振り分けに行ってきます」
レアルさんはコジローさんを隠れ里にエヴァさんをサウス国、ベイカーさんを海の国、じいちゃんは獣人の国の担当にした。
各国からは食材と料理人が手伝いに来てくれていた。
「それで?こんなにいっぱい食材がありますが何を作るんですか?」
セバスさんが私の後ろから顔を覗かせる。
セバスさんは私のそばにいる担当になっていた。
どうやって決めたのかは教えてくれなかったが、話し合いの後じいちゃん達が暗い顔をしていたのは見なかった事にした。
「そうですね、最初はバーベキューでもいいと思ったけどうどんもあるしデザートもあるしどうしようかな…」
色々作っても食べる場所か限られてしまうかもしれない。
うーんと頭をフル回転して悩んでいるとマルコさんが汗を流しながら遠くからかけてきた。
「ミヅキさーん!」
後ろには何かを抱えた商会の従業員さん達が遅れながらも着いてきている。
「マルコさん、また何か作ったんですか?」
最近は何も教えていなかったのになぁ
はぁはぁと息を切らしてそばに来ると顔をあげて熱弁する。
「ミヅキさんの素晴らしい考えに少し工夫を凝らして見たのですが…最後の仕上げが上手くいかず…何かいい考えがないかとおうかがいしました」
「マルコさん!落ち着いて下さい。今度は何を作ってたんですか?私最近は何も言ってないと思うんだけど…」
「ああ、ミヅキさんからでは無いんですよ。実は海の国の方から興味深い話を聞きまして…なんでも食事を動かして食べる道具があると」
知ってますよと言うようにニコニコと笑っている。
確かに海の国で回転寿司の事を話したが…
誰だマルコさんにバラしたの!?
「それで色々と回る仕組みを考えたのですが…中々上手くいかず。とりあえず桶と食材が動く通路は作ったのですが…」
マルコさんが合図すると従業員さん達が持っていた物を私に見せる。
レールの様な物と食事を置く桶を見せられた。
「どうも上手く移動が出来なくて、水車の力で回そうとも思ったのですがなんせ大量に置くと桶が重くて動かないのです」
マルコさんがレールをセットして説明してくれた。
私もさすがに機械の事となるとよく分からない。
モーターがあればいいのだろうがこの世界にそんなものはまだなかった。
「せっかくレールも桶もあるのにもったいないですね…」
じっとそれを見つめる。
「ん?水車…あっ、なら水路を作って水を流してその上を桶が流れるのはどうでしょうか!水車で流れる速さを調節すれば…」
「それだ!」
話も途中にマルコさんが大声を出した。
「水路は任せて下さい!そんなの魔法でちょいちょいです、エルフのみなさんもいるので!」
「ではエルフ様の湖に水車を設置させて頂きましょう!桶は沢山作ってあるので問題無いです!」
決めるとマルコさんの行動は早かった。
水車を荷車で運んできてササッと設置する。
私達は湖から少し高さのある水路を作りグルっと一周させた。
水車で水の流れを作ると桶を流して見るとユラユラと揺れるが問題なく流れた。
「ここに作った料理を乗せて流して、みんなは好きな料理を取るって感じにしたいです!」
水路の説明をすると皆が流れる桶を目で追った、そのひとつに何か食材を乗せて流して見る。
お皿にパンを乗せて見ると流れて行く、先にいるベイカーさんに声をかけた。
「ベイカーさん!流れたパンを取ってみて!」
「おー!わかった」
ベイカーさんは流れてきたパンを手に取るとパクッと一口で食べてしまった。
「美味いぞ!」
「問題なく流れますね!あまり重いものだと流れが悪くなるかもしれないので各自調節してみてください。料理が出来たらここの桶に入れて水路に流してね!」
料理人達はなんだか楽しそうだと早速自分の作った料理を桶に置いていた。
シルバが魔物を一掃すると尻尾を振りながらご機嫌で私の元に駆け寄ってきた。
【私は大丈夫だよー、それよりもシルバ達は怪我はない?】
【あるわけないだろこんな奴らに】
シルバが倒した魔物を踏みつけながら歩いている。
【 そ、そうだよね、シルバ達凄かったよ】
【がんばった!】
コハクがピョンっと私の膝に飛び乗ってきた。
【コハクも頑張ったね!みんなもありがとう】
私はシンクやプルシアにもお礼を言う。
「さぁ解体もすんだら、あとは持って帰るだけね」
「あっ!ミシェル隊長私が収納しますよ!」
私はそのくらいは手伝えると声をかける。
「セバスさん、じいちゃんいいかな?」
「あれだけの魔物をしまえるのはミヅキさんだけですからね」
仕方ないと眉を下げて頷いた。
私は次から次に解体された魔物をしまう、残りの皮やそれ以外の素材もついでにしまった。
マルコさんにあげたら喜びそうだ。
収納に全てしまってホクホクで帰路に付いた。
王都に着くとエルフ達の滞在している場所の近くを借りることにした。
一般人は入れない場所で神木の加護もあるから何かあれば私を守りやすいのでは無いかと考えてくれた。
みんなの気遣いに感謝しかない。
その思いに感謝の気持ちを返すべく料理にせいを出すことにした。
「じゃあ剣が使える人はお肉を切ってください!デボットさんとレアルさんはみんなに指示をお願いね」
「おお、じゃあ俺は騎士団のみんなの方に行くよ」
デボットさんがアランさんと騎士達に指示を出しに行ってくれた。
「では私は各国に人を振り分けに行ってきます」
レアルさんはコジローさんを隠れ里にエヴァさんをサウス国、ベイカーさんを海の国、じいちゃんは獣人の国の担当にした。
各国からは食材と料理人が手伝いに来てくれていた。
「それで?こんなにいっぱい食材がありますが何を作るんですか?」
セバスさんが私の後ろから顔を覗かせる。
セバスさんは私のそばにいる担当になっていた。
どうやって決めたのかは教えてくれなかったが、話し合いの後じいちゃん達が暗い顔をしていたのは見なかった事にした。
「そうですね、最初はバーベキューでもいいと思ったけどうどんもあるしデザートもあるしどうしようかな…」
色々作っても食べる場所か限られてしまうかもしれない。
うーんと頭をフル回転して悩んでいるとマルコさんが汗を流しながら遠くからかけてきた。
「ミヅキさーん!」
後ろには何かを抱えた商会の従業員さん達が遅れながらも着いてきている。
「マルコさん、また何か作ったんですか?」
最近は何も教えていなかったのになぁ
はぁはぁと息を切らしてそばに来ると顔をあげて熱弁する。
「ミヅキさんの素晴らしい考えに少し工夫を凝らして見たのですが…最後の仕上げが上手くいかず…何かいい考えがないかとおうかがいしました」
「マルコさん!落ち着いて下さい。今度は何を作ってたんですか?私最近は何も言ってないと思うんだけど…」
「ああ、ミヅキさんからでは無いんですよ。実は海の国の方から興味深い話を聞きまして…なんでも食事を動かして食べる道具があると」
知ってますよと言うようにニコニコと笑っている。
確かに海の国で回転寿司の事を話したが…
誰だマルコさんにバラしたの!?
「それで色々と回る仕組みを考えたのですが…中々上手くいかず。とりあえず桶と食材が動く通路は作ったのですが…」
マルコさんが合図すると従業員さん達が持っていた物を私に見せる。
レールの様な物と食事を置く桶を見せられた。
「どうも上手く移動が出来なくて、水車の力で回そうとも思ったのですがなんせ大量に置くと桶が重くて動かないのです」
マルコさんがレールをセットして説明してくれた。
私もさすがに機械の事となるとよく分からない。
モーターがあればいいのだろうがこの世界にそんなものはまだなかった。
「せっかくレールも桶もあるのにもったいないですね…」
じっとそれを見つめる。
「ん?水車…あっ、なら水路を作って水を流してその上を桶が流れるのはどうでしょうか!水車で流れる速さを調節すれば…」
「それだ!」
話も途中にマルコさんが大声を出した。
「水路は任せて下さい!そんなの魔法でちょいちょいです、エルフのみなさんもいるので!」
「ではエルフ様の湖に水車を設置させて頂きましょう!桶は沢山作ってあるので問題無いです!」
決めるとマルコさんの行動は早かった。
水車を荷車で運んできてササッと設置する。
私達は湖から少し高さのある水路を作りグルっと一周させた。
水車で水の流れを作ると桶を流して見るとユラユラと揺れるが問題なく流れた。
「ここに作った料理を乗せて流して、みんなは好きな料理を取るって感じにしたいです!」
水路の説明をすると皆が流れる桶を目で追った、そのひとつに何か食材を乗せて流して見る。
お皿にパンを乗せて見ると流れて行く、先にいるベイカーさんに声をかけた。
「ベイカーさん!流れたパンを取ってみて!」
「おー!わかった」
ベイカーさんは流れてきたパンを手に取るとパクッと一口で食べてしまった。
「美味いぞ!」
「問題なく流れますね!あまり重いものだと流れが悪くなるかもしれないので各自調節してみてください。料理が出来たらここの桶に入れて水路に流してね!」
料理人達はなんだか楽しそうだと早速自分の作った料理を桶に置いていた。
178
お気に入りに追加
22,989
あなたにおすすめの小説
転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
継母の心得 〜 番外編 〜
トール
恋愛
継母の心得の番外編のみを投稿しています。
【本編第一部完結済、2023/10/1〜第二部スタート☆書籍化 2024/11/22ノベル5巻、コミックス1巻同時刊行予定】
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!
饕餮
ファンタジー
書籍化決定!
2024/08/中旬ごろの出荷となります!
Web版と書籍版では一部の設定を追加しました!
今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。
救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。
一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。
そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。
だが。
「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」
森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。
ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。
★主人公は口が悪いです。
★不定期更新です。
★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。