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12章(続き)
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私達はとりあえず王都から離れて開けたところに来ると一度みんなで集まる事にした。
「ミシェル隊長にタナカ隊長、セシル隊長もありがとうございます。みなさんも今日はよろしくお願いします」
私は部隊長と兵士さん達に頭を下げた。
「いいのよ、今日の魔物退治の指揮は私がとるからミヅキちゃんは無茶しないでね」
「はい!」
「全くこんな時くらい城で大人しくしてた方がいいんじゃないか?」
タナカ隊長が迷惑そうに言うが、チラチラと様子をうかがっているから心配してくれているんだろう。
「こんな時だから美味しいもの食べて備えるんでしょ!タナカ隊長美味しいもの食べたくないの?」
「うっ…く、食いたい…」
「でしょーでもこんなに人数いるならたっくさんいるよね。シルバなんか魔物、近くにいるかな?」
【近くには何もいなそうだな】
シルバはくんくんと空に向かって鼻をあげて匂いを嗅いでいる。
【少し遠くに行かないと駄目じゃないか?いま王都には強者が集まっていて魔物も寄り付かんだろ】
【そうだな、でもこいつらがいるとなると移動も大変だぞ】
シルバがお荷物げに部隊兵達を見渡した。
「なんかかなり移動しないと魔物いないって。それと…」
私は言いにくくてなんて言おうかと迷う。
「私達がいると移動が遅くなるのね」
ミシェル隊長はわかっていたようで頷いている。
【遅かったら置いていってもいいか?】
【駄目だよ!少しゆっくり行ってあげて、それでも普通の人より全然速いんだから】
「頑張ってついて行くからお手柔らかにお願いするわ」
ミシェル隊長がウインクする。
【では時間も無いからすぐに向かおう】
プルシアが北の方向を見る。
【あっ!じゃあ僕とプルシアが先に魔物を追い詰めて挟み撃ちにするっていうのはどう?】
【シンク頭いい!】
シンクの考えをみんなに伝えた。
「それはいいな、シンクとプルシア頼むぞ!たくさんの魔物を連れてきてくれ」
【任せてよ!】
【じゃあ二人とも気をつけてね】
二人は飛び立つとあっという間に見えなくなる。
シルバとコハクを先頭にシンク達が飛び立った方角へと走り出した。
私はシルバから降りてディムロスじいちゃんの馬に乗せてもらっていた。
シルバは魔物が出たら真っ先に参戦するので私は危ないからと移動させられたのだ。
シルバ達の後ろにはベイカーさんやアランさんと部隊長と兵士さん達。その間に挟まれるようにじいちゃんの馬、さらにその馬を挟んでセバスさんとコジローさんがついてきていた。
「すごい厳重だね」
王様の警護ばりの扱いに苦笑いする。
「大事な孫だからな、一人になるのは避けるんだぞ」
「はーい」
私はじいちゃんにしっかりと掴まった。
「よしよしいい子だ」
じいちゃんが目尻を下げて私を撫でていると隣のセバスさんからトゲトゲしい声が飛んできた。
「可愛がるのはよろしいですがちゃんと周りを警戒してください、何が襲ってくるかわかりませんよ」
セバスさんがにっこりと笑うとじいちゃんが渋い顔をする。
「その為にセバスやコジローが隣にいるんだろうが。しっかりとわしとミヅキを守らんかい」
「はい!」
コジローさんが素直に返事をする。
「コジローさん、守るのはミヅキさんだけでいいですからね。ギルマスは自分の身は自分で守れる方ですから」
「あっそうですね」
コジローさんが真面目に受け答えしている。
「コジロー、セバスの言うことをなんでも聞かんでいいんだぞ。自分の正しいと思う通りにしろ」
「お待ちください、それだとまるで私が間違っているみたいではありませんか?」
「ああん、わしは年寄りなんだ!若者が守るのは当然だろ!」
「そんな怪力の年寄りはいません。あなたコジローさんよりも強いでしょ」
何を言ってるんだかとセバスさんは呆れながらため息をついている。
「このぉ!」
じいちゃんが思わず拳を振り上げた。
「じいちゃん、喧嘩は駄目だよ。それに何かあったら私がじいちゃんを守ってあげる!」
「ミヅキ…お前って奴は」
じいちゃんが目をうるませて振り上げた拳で目頭を押さえた。
「ミヅキさんは本当にお優しいですね、でも何かあればギルマスを囮に逃げるんですよ」
「くっ…ムカつくがそうだな。そうしてくれていいからな」
じいちゃんが同意するような笑顔で頷き、頭をポンポンと撫でた。
私は困ってしまう…実際そうなった時そんな事は出来そうになかった。
そんな事ならないように気をつけないと…
決意をあらたにするとじいちゃんを掴む手に力が入ってしまった。
数時間走っているとシンクとプルシアの声が聞こえてきた。
【ミヅキ、そろそろそっちに魔物が行くと思うから気をつけてねー】
【あっシンク!ありがとう、そっちは大丈夫?】
【問題ない、空を飛んでるから何かされる事などない】
プルシアが答えた。
【ていうか僕らから逃げてるぐらいだしね~】
シンクがクスクス笑っている。
余裕そうな二人に安心して私はじいちゃん達に伝えると、コジローさんがミシェル隊長に伝えに言ってくれた。
「ギルマス、もう少し後ろに移動しましょう」
セバスさんが少し速度を落とすとじいちゃんが頷きみんなから少し離れた。
すると程なく前から砂埃が舞っている。
みるみる近くなると大量の魔物が何かから逃げるように目を血走らせて走ってきた。
『グボオオー!』
雄叫び…と言うよりは叫び声に近いかもしれない。
必死な様子でこちらに向かってくる。
【来たぞー!コハク、行くぞ!】
【うん!】
シルバが速度をあげるとコハクが続いた。
「おっ!シルバやる気だな!」
ベイカーさん達も魔物に向かっていく。
「ミヅキさんはこちらで見学してましょうね」
セバスさんの誘導にじいちゃんがついて行きみんなの様子が見れる場所に移動した。
「ここなら魔物が来ることはないでしょう」
何人かの兵士さん達が残り私達の周りを取り囲む。
「おお、凄いな。ん、ベイカーやアランはまた強くなったか?」
じいちゃんがみんなの戦う様子を感心してみていた。
「さすがシルバさん達ですね、ほとんど彼らが倒しているようです」
シルバがかけ出すと魔物が吹き飛び一瞬で片がついていた。
「シルバ達楽しそー」
のびのびと狩りをする様子に私は今日一番ほっとした気分になった。
「ミシェル隊長にタナカ隊長、セシル隊長もありがとうございます。みなさんも今日はよろしくお願いします」
私は部隊長と兵士さん達に頭を下げた。
「いいのよ、今日の魔物退治の指揮は私がとるからミヅキちゃんは無茶しないでね」
「はい!」
「全くこんな時くらい城で大人しくしてた方がいいんじゃないか?」
タナカ隊長が迷惑そうに言うが、チラチラと様子をうかがっているから心配してくれているんだろう。
「こんな時だから美味しいもの食べて備えるんでしょ!タナカ隊長美味しいもの食べたくないの?」
「うっ…く、食いたい…」
「でしょーでもこんなに人数いるならたっくさんいるよね。シルバなんか魔物、近くにいるかな?」
【近くには何もいなそうだな】
シルバはくんくんと空に向かって鼻をあげて匂いを嗅いでいる。
【少し遠くに行かないと駄目じゃないか?いま王都には強者が集まっていて魔物も寄り付かんだろ】
【そうだな、でもこいつらがいるとなると移動も大変だぞ】
シルバがお荷物げに部隊兵達を見渡した。
「なんかかなり移動しないと魔物いないって。それと…」
私は言いにくくてなんて言おうかと迷う。
「私達がいると移動が遅くなるのね」
ミシェル隊長はわかっていたようで頷いている。
【遅かったら置いていってもいいか?】
【駄目だよ!少しゆっくり行ってあげて、それでも普通の人より全然速いんだから】
「頑張ってついて行くからお手柔らかにお願いするわ」
ミシェル隊長がウインクする。
【では時間も無いからすぐに向かおう】
プルシアが北の方向を見る。
【あっ!じゃあ僕とプルシアが先に魔物を追い詰めて挟み撃ちにするっていうのはどう?】
【シンク頭いい!】
シンクの考えをみんなに伝えた。
「それはいいな、シンクとプルシア頼むぞ!たくさんの魔物を連れてきてくれ」
【任せてよ!】
【じゃあ二人とも気をつけてね】
二人は飛び立つとあっという間に見えなくなる。
シルバとコハクを先頭にシンク達が飛び立った方角へと走り出した。
私はシルバから降りてディムロスじいちゃんの馬に乗せてもらっていた。
シルバは魔物が出たら真っ先に参戦するので私は危ないからと移動させられたのだ。
シルバ達の後ろにはベイカーさんやアランさんと部隊長と兵士さん達。その間に挟まれるようにじいちゃんの馬、さらにその馬を挟んでセバスさんとコジローさんがついてきていた。
「すごい厳重だね」
王様の警護ばりの扱いに苦笑いする。
「大事な孫だからな、一人になるのは避けるんだぞ」
「はーい」
私はじいちゃんにしっかりと掴まった。
「よしよしいい子だ」
じいちゃんが目尻を下げて私を撫でていると隣のセバスさんからトゲトゲしい声が飛んできた。
「可愛がるのはよろしいですがちゃんと周りを警戒してください、何が襲ってくるかわかりませんよ」
セバスさんがにっこりと笑うとじいちゃんが渋い顔をする。
「その為にセバスやコジローが隣にいるんだろうが。しっかりとわしとミヅキを守らんかい」
「はい!」
コジローさんが素直に返事をする。
「コジローさん、守るのはミヅキさんだけでいいですからね。ギルマスは自分の身は自分で守れる方ですから」
「あっそうですね」
コジローさんが真面目に受け答えしている。
「コジロー、セバスの言うことをなんでも聞かんでいいんだぞ。自分の正しいと思う通りにしろ」
「お待ちください、それだとまるで私が間違っているみたいではありませんか?」
「ああん、わしは年寄りなんだ!若者が守るのは当然だろ!」
「そんな怪力の年寄りはいません。あなたコジローさんよりも強いでしょ」
何を言ってるんだかとセバスさんは呆れながらため息をついている。
「このぉ!」
じいちゃんが思わず拳を振り上げた。
「じいちゃん、喧嘩は駄目だよ。それに何かあったら私がじいちゃんを守ってあげる!」
「ミヅキ…お前って奴は」
じいちゃんが目をうるませて振り上げた拳で目頭を押さえた。
「ミヅキさんは本当にお優しいですね、でも何かあればギルマスを囮に逃げるんですよ」
「くっ…ムカつくがそうだな。そうしてくれていいからな」
じいちゃんが同意するような笑顔で頷き、頭をポンポンと撫でた。
私は困ってしまう…実際そうなった時そんな事は出来そうになかった。
そんな事ならないように気をつけないと…
決意をあらたにするとじいちゃんを掴む手に力が入ってしまった。
数時間走っているとシンクとプルシアの声が聞こえてきた。
【ミヅキ、そろそろそっちに魔物が行くと思うから気をつけてねー】
【あっシンク!ありがとう、そっちは大丈夫?】
【問題ない、空を飛んでるから何かされる事などない】
プルシアが答えた。
【ていうか僕らから逃げてるぐらいだしね~】
シンクがクスクス笑っている。
余裕そうな二人に安心して私はじいちゃん達に伝えると、コジローさんがミシェル隊長に伝えに言ってくれた。
「ギルマス、もう少し後ろに移動しましょう」
セバスさんが少し速度を落とすとじいちゃんが頷きみんなから少し離れた。
すると程なく前から砂埃が舞っている。
みるみる近くなると大量の魔物が何かから逃げるように目を血走らせて走ってきた。
『グボオオー!』
雄叫び…と言うよりは叫び声に近いかもしれない。
必死な様子でこちらに向かってくる。
【来たぞー!コハク、行くぞ!】
【うん!】
シルバが速度をあげるとコハクが続いた。
「おっ!シルバやる気だな!」
ベイカーさん達も魔物に向かっていく。
「ミヅキさんはこちらで見学してましょうね」
セバスさんの誘導にじいちゃんがついて行きみんなの様子が見れる場所に移動した。
「ここなら魔物が来ることはないでしょう」
何人かの兵士さん達が残り私達の周りを取り囲む。
「おお、凄いな。ん、ベイカーやアランはまた強くなったか?」
じいちゃんがみんなの戦う様子を感心してみていた。
「さすがシルバさん達ですね、ほとんど彼らが倒しているようです」
シルバがかけ出すと魔物が吹き飛び一瞬で片がついていた。
「シルバ達楽しそー」
のびのびと狩りをする様子に私は今日一番ほっとした気分になった。
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