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12章

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私達は部屋を移動するとメイドさんに頼みアクアを呼びに行って貰った。

アクアが来ると私はバイオレッドにアクアを紹介する。

「よろしくお願いいたします、バイオレッド様」

アクアは変わらない態度でバイオレッドに握手を求めた。

「アクア様、よろしくお願いいたします!」

バイオレッドも嬉しそうに手を握りしめた。

二人とも性格が明るいし気が合いそうだ。

私達は女の子と男の子に別れて話を始めた。

「アクア様は好きな方とかいないんですか?」

バイオレッドが早速恋バナを始めた。

「す、好きな人!?」

アクアは驚いて目を見開き首をふる。

「私はまだ好きとかよく…バイオレッド様はいるんですか?」

「バイオレッドはユリウスさんがお気に入りだよねー」

「ユリウス様は落ち着いてて素敵だけど、ギルバート王も渋くて素敵だったわ」

おお、バイオレッドは年上が好きみたいだ。

「確かにギルバート王は素敵ですね。でもカイル様達だって素敵なのでは?」

アクアが楽しそうに話しているレオンハルト王子達を見つめた。

「そっかアクアはカイルがいいんだったね」

「別にカイル様が好きとかじゃないよ!ただかっこいいよね…ってだけで…」

頬を染めていた。

「うん、カイルはいい子だよ!それにアルフレッド様もいいよね~あの耳が可愛い!」

「レオンハルト王子は?」

「レオンハルト王子ねー」

私は腕を組んで唸った。

「あら、レオンハルト王子だって素敵だと思うけど?」

バイオレッド達獣人にはレオンハルト王子は人気みたいだからな…

「私は年上が好きだからなー」

「えー!ミヅキは年上がいいの!?」

キャッ!キャッ!と話す私達の声に王子達が耳をすませて聞いていた。





「ミヅキは年上がいいのか…っていうか俺だって一応年上なのに…」

レオンハルトはガクっと肩を落とす。

「あっでもレオンハルト様は私達の国では本当に人気者ですよ」

年下のアルフレッドに慰められた。

「ありがとうな、俺は獣人達にはモテるんだよな…」

「レオンは令嬢達にもモテてるだろ?モテないのはミヅキだけだよ」

カイルが笑うとキッと睨みつけた。

「お前だって相手にされてないだろ!」

「まぁそうだけどみんな同じだしね。ミヅキは特定の好きな人はいないみたいだし、この中ではアルフレッド様が有力かな」

「え?私が?」

アルフレッドが驚き、耳をピンッと立てて目をまん丸にする。

「ミヅキの獣人好きはすごいからな、俺よりもユリウスやシリウスに会いに来るし…」

言ってて悲しくなってきた。

「で、でも私は獣人なのに…しかもミヅキ達にたくさん迷惑もかけた」

アルフレッドがシュンと耳を垂れる。

「ああ、それなら大丈夫ですよ」

カイルがにっこりと笑ってレオンハルトを見つめた。

レオンハルトはグッと眉をひそめる。

「レオンハルト様はもっと迷惑かけてますからね」

「え!?  そうなんですか?」

アルフレッドが期待を込めた瞳で見つめてくる。

レオンハルトはバツの悪そうな顔で目を逸らした。

「レオンハルト様はミヅキを無理やり……」

カイルが話し出すとレオンハルトが飛びかかってカイルの口を塞いだ。

「カイル!お前俺の側近だよな!なんで貶めようとするんだ?」

「そんな、僕はただアルフレッド様に気にしないで頂きたくて言おうとしてるだけですよ。接待です、接待」

レオンハルトはアルフレッドを見るとソワソワしながら二人の様子をうかがっていた。

「僕もレオンがミヅキに何をしたのか気になるなぁ…」

ピースも無理やり何をしようとしたのか気になっているようだ。

「ミヅキは恩人です、レオンハルト様が無理やり何かしたのなら…考えないと…」

二人にじっと見られてレオンハルトは黒歴史を話さなくてはいけない雰囲気になる。

「クソっ…」

ニコッとさわやかに笑うカイルを睨みつけるしかなかった。
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