ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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10章

336.従魔

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【シ、シンク?おーい!二人とも私の声聞こえる?】

二人の様子がおかしい事にピースが怯えてミヅキを掴むと…

「ミヅキ?大丈夫?なんか変な感じがするんだけど…」

ピースが不安そうにミヅキの腕にしがみついた。

「ご、ごめんね…ちょっとうちの子達が勘違いしたみたいで…」

ミヅキがピースを安心させるように手を握り返すと…

【行くぞ…】

【うん…】

シルバが立ち上がりミヅキをヒョイっと身体に乗せた。

「わぁ!」

「えっ!?」

ミヅキにしがみついていたピースも一緒に乗せられてしまった。

「な、何?」

ピースがいきなり浮かび上がり慌てると…

【シ、シルバ!待って!】

ミヅキがシルバを止めようと声をかけるが

【捕まってろ!】

シルバは頭に血が上り駆け出してしまう。

「まずい!ピース!しっかりと私に捕まってて!」

ピースの手を自分の体に付けると、ミヅキ自身はシルバの身体にしっかりとしがみついた!

「えっ?…わぁ!」

急に動き出し、ピースがミヅキにしがみつく!

「ミヅキ!何があったの?なんか動いてるよね!」

「ご、ごめん!私の従魔に乗ってるの!」

「えっ····乗れるくらい大っきいの?それにこの毛並みっ!…うぅ…」

喋っていると舌を噛んでしまった。

「ピース、シルバの魔法で防壁は張られてると思うけどしばらくは振り落とされないようにしっかりと捕まっててよ!」

ピースはギュッとミヅキに掴まるとコクコクと頷いた。

【シルバ!シンク!】

ミヅキが呼ぶと

【よくもミヅキを!俺のミヅキを!】

シルバとシンクの怒りがヒシヒシと伝わって来る…

シルバは城の天辺に立つと、シンクがその傍らで羽ばたいていると…

【こんな国…獄炎に飲まれてしまえばいい…】

シンクが城下を見下ろすと、ブツブツと何か唱えている。

聞き取れないほど小さな声だが…ミヅキは良くないものを呼んでいる気がした。

【シルバ…シンク…私は大丈夫なんだよ…それよりも顔を見せて…シルバとシンクにおかえりって言って笑って欲しいよ…】

ミヅキが怒りで我を忘れてるふたりに笑ってほしくて、寂しそうにシルバの毛に顔を埋めると…

【やめろ!】

シルバがシンクに怒鳴った!

シルバの殺気にシンクが反応して、唱えるのを止める。

【シルバ?なんで邪魔するの…】

シンクがイラつくと…シルバを鋭く睨みつける。

【ミヅキが悲しんでいる…】

【えっ!】

シンクの怒りも急激に治まりミヅキに慌てて近づく

【シルバもシンクも話を聞いてよ…せっかく会えたのにちゃんと話せないなんていやだよ…】

ミヅキがシルバの毛をギュッと掴むと

【ミヅキ…すまん…つい頭に血が上って…】

【ミヅキ…ごめんね…やりすぎちゃった…泣かないで】

シンクがミヅキの体に擦り寄ると回復魔法をかける…

温かい魔法にミヅキが落ちついてくると

【二人とも聞いて…この足は病気の副作用なんだって…だから病気が治れば足も治るかもしれないって】

【治るからって…ミヅキにした事が許されるわけじゃない!】

シルバにまた怒りが湧いてくると、シンクも頷く。

【そうだよ!この国は一度、溶岩で沈めた方がいいと思うよ!】

【溶岩?もしかしてシンク…さっき溶岩を吹きだそうとしてたとか?】

ミヅキが恐る恐る聞くと

【うん!マグマに刺激を与えて活性化させてたんだ…あと少しだったんだけど…】

シンクが首を傾げると

【駄目だった?】

可愛らしく聞いてくる。

【そ、そうだね…そこまでしない方がいいと思うな…ほら…熱いしね】

【そっか~ミヅキがそう言うなら…今はやめておくよ】

シンクがしょうがなさそうに答えた…。

【そう言えば…私はなんでサウス国にいるの…ベイカーさんとセバスさんは…やっぱり…怒ってる?】

ミヅキが恐る恐る聞くと

【ああ…アイツらも今回はかなり怒ってるぞ】

【そうだね!僕達を仮契約するくらいだからね】

シルバ達が頷くと…

(やっぱり…怒ってるんだ…私がわがままだから…)

【仮契約って…何?私がリバイアさんにしたのと一緒?】

【そうだ、俺はベイカーと主従関係を仮で結んだんだ、シンクはアランでプルシアがセバスとだ】

【えっ…それって、私との契約…解消…?】

ミヅキが寂しそうな顔をすると

【そんな訳あるか!ミヅキがいるんだ、アイツらとは解消だ!今すぐにでも!なっ!シンク】

【そうだよ!ミヅキがいるのにアイツらと契約する意味わかんないしね!はい!僕は解消したよ!】

シンクがあっさりアランとの契約を解消すると

【お、俺もだ!】

シルバも慌ててベイカーとの契約を切った。

【ミヅキのその病気も早く治して貰おう…確かミヅキの事をしたってる小娘達が薬を持っていたはずだ…】

【小娘?シルバ達以外も来てるの?】

【もちろんだ!さぁ行くぞって…ミヅキの後ろに居るのは誰だ?】

シルバがようやくピースに気がついた

【シルバが連れて来ちゃったんだよ…】

【じゃあ、ここに降ろしていけ】

【ひ、酷いシルバ…】

ミヅキがショックを受けると

【本当に…シルバ最低だよ!】

シンクがミヅキの肩に止まり信じられない…とシルバを見ると…

(この…裏切り者…お前だって捨てていこうと思ってたクセに!)

シルバがシンクを睨みつける。

(ふん!さっきのお返しだよ!)

シンクはシルバの睨みを軽く流すと

【シルバ怖ぁ~い】

シンクが震えたフリをしてミヅキにくっついた

【シルバ、シンクいじめちゃ駄目だよ】

ミヅキがシンクを落ち着かせるように撫でるとシルバに注意する。

【くっそ…シンク…覚えておけよ…】

シルバは悔しそうに歯を噛み締めた。




セバスとレアルとプルシアはラウロに案内させコハクの元に向かっていた。

「コハクくんが門であばれまして…ジャンとリゲルに怪我を負わせたので今拘束されてしまっています…」

ラウロか恐る恐る伺うように言うと

「自業自得ですね、コハクさんは主人を傷つけた者を排除しようとしただけでしょう。従魔として当然の事をしたまでです」

セバスが淡々と答えると

「そ、そうですね…」

ラウロが怯えながら同意した…

「それよりコハクさんは怪我などしていませんよね?」

セバスが聞くと

「見たところ、怪我などはなかったかと…しかし眠らされていますのでなんとも…」

「怪我なんてさせてたら大変ですね…」

レアルが心配そうにセバスに話しかける。

「ええ、自分より他人が傷つく事に怒りますからね…あの子は…」

「ミヅキの怒りはみんなの怒りになりそうで…」

レアルが震えると

【当たり前だ…ミヅキが言うなら喜んでこの国を滅ぼそう】

「…プルシアさん…それはミヅキさんに確認してから実行してくださいね」

セバスが硬い表情でプルシアを見つめると

【ミヅキが言えばいいんだな】

プルシアがじっとセバスを見つめる…セバスはにっこりと笑うと

「もちろんです」

面白そうに笑って答えた、プルシアとの会話が聞こえないラウロは首を傾げていたが…レアルはただならぬ空気に体が震えた…。

城門近くの小屋に着くと、兵士達が警戒するように扉の前に立っていた。

「どうかしたんですか?」

ラウロが声をかけると

「あっ…ラウロ先生、さっき捕まえた従魔が起きた途端にまた暴れだして…手に負えないので小屋に閉じ込めているんですよ…」

困ったように兵士達が答えると、確かに小屋から何かがぶつかる音が聞こえて来る…

「この小屋…魔法で攻撃出来ないようになっているんですね…」

セバスが小屋に手を触れる。

「え、ええ捕まえた奴が逃げられないように…ってラウロ先生この人達誰ですか?」

兵士がセバス達を警戒していると

「この方達はウエスト国からの客人です、王から彼らの言うことになんでも答えよとのお達しです」

「は、はぁ…」

「では、早速コハクさんを出して貰えますか?」

「し、しかし…危険ですよ」

兵士達が扉を開けるのに躊躇していると、構わずセバスが扉を開けた。

「グゥルル!」

コハクが凄い勢いで飛び出して来ると、

もふっ!

セバスさんが優しくコハクを受け止めた…コハクは構わずに腕に噛み付くと

「コハクさんよく頑張りましたね」

セバスが優しく体を撫でてあげると、コハクは噛み付いていた腕をそっと離す…落ち着いて周りを見回す…そこには優しく笑うセバスとレアル、プルシアが見えた。

【待たせたなコハク】

プルシアが語りかけると

【キャン!】

コハクが嬉しそうにピンと耳を立てた

【怪我は無いですか?】

セバスさんがコハクの身体を確認するとコハクがすまなそうにセバスに噛み付いた腕を舐めている。

「キュ~ン…」

耳を伏せる姿にセバスはクスッと笑うと

「このくらいなんともありませんよ…ほら」

自分の腕を撫でて回復魔法をかけると傷が綺麗に治っていく。

「コハクさんも無事なようでよかった…もうシルバさん達がミヅキさんを見つけている頃でしょう、みんなでミヅキさんを迎えに行きましょうね」

【ああそうだな…シルバ、シンクそっちはどうだ?】

プルシアはシルバ達に声をかけた。
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