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7章
327.サウス国
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ラウロ先生が王宮に着くと…何故か慌ただしい雰囲気に包まれており、従者達が走り回っていた。
しかも兵士達も集まって来ている。
ラウロは従者を一人捕まえると
「慌ただしいですが、何があったのですか?」
「あっ、ラウロ先生。実は今ウエスト国から書状が届きまして…」
「ウエスト国?」
ラウロ先生が聞き返す…
(さっきミヅキちゃんから聞いたばかりで…またウエスト国…)
「どんな内容で…?」
「そ、それは私の口からは…」
従者が困っていると
「それもそうですね、お引き留めしてすみませんでしたお仕事頑張ってください」
ラウロが従者を離すと、王宮の医務室へと向かう。
ガラッ!と扉を開けると…
「クラーク先生、何があったんですか?」
中に居た先生に早速話しかける。
「ラウロ…来てすぐそれか?」
クラーク先生が顔を向けると…
「ウエスト国から書状が届いたと聞きましたが?」
「なんだ…知ってるんじゃないか」
「いえ…それだけです。どのような内容でしたか?」
「それが…海の国についての話し合いをしたいとの連絡だったらしい…」
クラーク先生が複雑な顔をする…
「それって…クラーク先生達が行ってた町での騒ぎの内容ですよね?なんでそんな顔をするんですか?」
ラウロが首を傾げると…
「俺達が帰ってきてまだ幾日も経ってないのにもう海の国の話がウエスト国に伝わってるんだ…早すぎる…」
クラーク先生が顔を顰める…
「それに今は薬の材料の事で大変な時に…もう既にサウス国に向かっているそうだ…」
「えっ?ウエスト国の方が来るのですか?」
ラウロが驚くと
「しかも…国王自ら来るそうだ…」
「はっ?」
ラウロが口を開けっ放しで固まる。
「話を聞いた大臣達がみんな同じ顔をしてたぞ…俺とクラウス隊長だけがこの話に疑いを持っている…」
「疑い?ウエスト国にですか?」
クラークが海の国での事を伝えると…
「エヴァさんは…自ら来てくれたと聞いていましたが…そんな無理やりだったんですか?」
ラウロが軽蔑の眼差しを送る。
「僕はクラーク先生もクラウス隊長も…とても尊敬していました…そんな事をするなんて信じられない」
「そうだな…なんと言われても言い訳もできん。俺達は最低な事をしたと思っている…この王都熱の騒動が終わったら二人でエヴァさんを送り届けて辞職しようと思っている…」
「えっ…」
クラーク先生がラウロを見ると…
「お前と働けるのもあと少しだな…俺が辞めたら王宮医師はお前だ…頑張れよ」
「先生…なんでそこまでして…」
「もう…子供達が亡くなるのを何も出来ずに見送るのに耐えられなかったんだよ…そんな時に彼女にあった…この病の薬を作れる人だ、どうしても連れて来たかったんだよ」
「それは…わかりますが頼んで連れて来るわけには行かなかったんですか?」
「頼んださ…でも何故かエヴァさんと一緒にいた人達は…来る事を拒んでいたんだ…まぁ…最初の私達の印象も悪かったしね」
「印象?」
「彼らは…強すぎたドラゴンと魔獣を従え、しかもA級冒険者もいたんだよ」
「なんですかその一行は!ドラゴンって…」
「私も初めて見たよ、兵士達も狼狽えて町に入らないように警戒してしまってね…」
クラーク先生がため息をつく…
「まぁ…今更悔やんでも仕方ない…彼女を無理やり連れてきたのは事実…その罰は私とクラウス隊長がとる」
クラーク先生の顔からは一切の迷いはなかった…
「だが今はこの病の薬を作るのが先決…と思っていたんだが…ここにきてウエスト国が動いたとなると…」
「エヴァさんを取り返しに?」
「うーん…しかし彼女はウエスト国の人ではないそうなんだ…」
「えっ…じゃどうして?」
「やはり私達の考えすぎなんだろうか…ウエスト国は本当に海の国についての今後の事で話し合いにくるだけなのかもしれない…」
クラーク先生が笑うと
「まぁだからと言って来るのを拒む事など出来やしないがね」
「そう…ですね」
「来るまでまだ時間があるだろうし…それまでにどうにか材料を集めないと…」
「あっ…さっきも言ってましたね。薬の材料とは?」
「エヴァさんが言うには千龍草と言う薬草が必要なんだが…エヴァさんの持っていた薬草の手持ちが無くなってしまったんだ…」
「それなら直ぐにでも取りに行かないと!」
「その薬草が生えるのは高山の岩場らしい…人の足ではなかなか行けない場所だ」
「なら飛竜部隊に…」
「ああ…そう思っていた所に…ウエスト国からの書状なんだ。全ての部隊を動かすわけにいかなくてね…参ったよ」
クラーク先生が頭を抱える。
「早く薬を完成させないと…王子も…」
クラークがボソッと呟くと
「王子?」
「いや…なんでもない。それより街はどうだい?」
クラーク先生が話を逸らす…
「あの試作品の薬で熱は下がりますが…やはり…完治は…」
「そうですか…」
(やはり…あの子供が居ないと駄目なのか…しかし病気の子供を連れていくなど…さすがに出来はしないな…)
「エヴァさんに頑張って貰うしかないな…」
クラークは立ち上がると
「ちょっとエヴァさんの所に行ってくる…ラウロはどうする?」
「僕は先生の代わりにここに居ますよ…ゆっくり行ってきて下さい」
ラウロが座ると、クラークは部屋を出ていった。
クラークは要人用の客室に向かうと、扉をノックするが…返事がない。
「はぁ…またか、エヴァさん入りますよ!」
クラークが声をかけてから部屋に入る、すると広い部屋の隅っこでエヴァが薬を作っていた…
「エヴァさん」
クラークがそばによると
「ん?ああ…先生か、なんだい?」
「エヴァさん…少し休んでは?材料が揃うまでもう少し時間がかかりそうです…」
クラークが申し訳なさそうにすると
「ああ…そうなのかい?でももう少し進めときたいからね大丈夫だよ」
エヴァは問題ないと…また机に向かい出した。
「エヴァさん…本当に…すみません」
クラークが頭を下げて謝ると
「終わったら直ぐにでもウエスト国にお送りしますから…」
エヴァは手を止め振り返ると
「クラーク先生…もう何度目だい謝るのは…もう謝罪はいいよ、それに私はウエスト国に行く気は無いからいいんだよ…もう…」
エヴァさんが寂しげに答えると
「私たちは…エヴァさんに取り返しもつかない事をしてしまったのでしょうか…」
「そんな事ないよ…」
エヴァさんは軽く笑うとクラーク先生に背を向け机に向かった…
(今更戻っても…ミヅキに会えるか分からないしね…その前にユウイチロウの所にも行きたいし…)
エヴァは最後に見たミヅキの顔を思い出す。
「ミヅキ…病気は治ったかな…」
ボソッと呟くと…
「えっ?」
クラークが聞き返す。
「なんでもないよ…」
エヴァは薬に手を伸ばすと魔力を練り出した…。
しかも兵士達も集まって来ている。
ラウロは従者を一人捕まえると
「慌ただしいですが、何があったのですか?」
「あっ、ラウロ先生。実は今ウエスト国から書状が届きまして…」
「ウエスト国?」
ラウロ先生が聞き返す…
(さっきミヅキちゃんから聞いたばかりで…またウエスト国…)
「どんな内容で…?」
「そ、それは私の口からは…」
従者が困っていると
「それもそうですね、お引き留めしてすみませんでしたお仕事頑張ってください」
ラウロが従者を離すと、王宮の医務室へと向かう。
ガラッ!と扉を開けると…
「クラーク先生、何があったんですか?」
中に居た先生に早速話しかける。
「ラウロ…来てすぐそれか?」
クラーク先生が顔を向けると…
「ウエスト国から書状が届いたと聞きましたが?」
「なんだ…知ってるんじゃないか」
「いえ…それだけです。どのような内容でしたか?」
「それが…海の国についての話し合いをしたいとの連絡だったらしい…」
クラーク先生が複雑な顔をする…
「それって…クラーク先生達が行ってた町での騒ぎの内容ですよね?なんでそんな顔をするんですか?」
ラウロが首を傾げると…
「俺達が帰ってきてまだ幾日も経ってないのにもう海の国の話がウエスト国に伝わってるんだ…早すぎる…」
クラーク先生が顔を顰める…
「それに今は薬の材料の事で大変な時に…もう既にサウス国に向かっているそうだ…」
「えっ?ウエスト国の方が来るのですか?」
ラウロが驚くと
「しかも…国王自ら来るそうだ…」
「はっ?」
ラウロが口を開けっ放しで固まる。
「話を聞いた大臣達がみんな同じ顔をしてたぞ…俺とクラウス隊長だけがこの話に疑いを持っている…」
「疑い?ウエスト国にですか?」
クラークが海の国での事を伝えると…
「エヴァさんは…自ら来てくれたと聞いていましたが…そんな無理やりだったんですか?」
ラウロが軽蔑の眼差しを送る。
「僕はクラーク先生もクラウス隊長も…とても尊敬していました…そんな事をするなんて信じられない」
「そうだな…なんと言われても言い訳もできん。俺達は最低な事をしたと思っている…この王都熱の騒動が終わったら二人でエヴァさんを送り届けて辞職しようと思っている…」
「えっ…」
クラーク先生がラウロを見ると…
「お前と働けるのもあと少しだな…俺が辞めたら王宮医師はお前だ…頑張れよ」
「先生…なんでそこまでして…」
「もう…子供達が亡くなるのを何も出来ずに見送るのに耐えられなかったんだよ…そんな時に彼女にあった…この病の薬を作れる人だ、どうしても連れて来たかったんだよ」
「それは…わかりますが頼んで連れて来るわけには行かなかったんですか?」
「頼んださ…でも何故かエヴァさんと一緒にいた人達は…来る事を拒んでいたんだ…まぁ…最初の私達の印象も悪かったしね」
「印象?」
「彼らは…強すぎたドラゴンと魔獣を従え、しかもA級冒険者もいたんだよ」
「なんですかその一行は!ドラゴンって…」
「私も初めて見たよ、兵士達も狼狽えて町に入らないように警戒してしまってね…」
クラーク先生がため息をつく…
「まぁ…今更悔やんでも仕方ない…彼女を無理やり連れてきたのは事実…その罰は私とクラウス隊長がとる」
クラーク先生の顔からは一切の迷いはなかった…
「だが今はこの病の薬を作るのが先決…と思っていたんだが…ここにきてウエスト国が動いたとなると…」
「エヴァさんを取り返しに?」
「うーん…しかし彼女はウエスト国の人ではないそうなんだ…」
「えっ…じゃどうして?」
「やはり私達の考えすぎなんだろうか…ウエスト国は本当に海の国についての今後の事で話し合いにくるだけなのかもしれない…」
クラーク先生が笑うと
「まぁだからと言って来るのを拒む事など出来やしないがね」
「そう…ですね」
「来るまでまだ時間があるだろうし…それまでにどうにか材料を集めないと…」
「あっ…さっきも言ってましたね。薬の材料とは?」
「エヴァさんが言うには千龍草と言う薬草が必要なんだが…エヴァさんの持っていた薬草の手持ちが無くなってしまったんだ…」
「それなら直ぐにでも取りに行かないと!」
「その薬草が生えるのは高山の岩場らしい…人の足ではなかなか行けない場所だ」
「なら飛竜部隊に…」
「ああ…そう思っていた所に…ウエスト国からの書状なんだ。全ての部隊を動かすわけにいかなくてね…参ったよ」
クラーク先生が頭を抱える。
「早く薬を完成させないと…王子も…」
クラークがボソッと呟くと
「王子?」
「いや…なんでもない。それより街はどうだい?」
クラーク先生が話を逸らす…
「あの試作品の薬で熱は下がりますが…やはり…完治は…」
「そうですか…」
(やはり…あの子供が居ないと駄目なのか…しかし病気の子供を連れていくなど…さすがに出来はしないな…)
「エヴァさんに頑張って貰うしかないな…」
クラークは立ち上がると
「ちょっとエヴァさんの所に行ってくる…ラウロはどうする?」
「僕は先生の代わりにここに居ますよ…ゆっくり行ってきて下さい」
ラウロが座ると、クラークは部屋を出ていった。
クラークは要人用の客室に向かうと、扉をノックするが…返事がない。
「はぁ…またか、エヴァさん入りますよ!」
クラークが声をかけてから部屋に入る、すると広い部屋の隅っこでエヴァが薬を作っていた…
「エヴァさん」
クラークがそばによると
「ん?ああ…先生か、なんだい?」
「エヴァさん…少し休んでは?材料が揃うまでもう少し時間がかかりそうです…」
クラークが申し訳なさそうにすると
「ああ…そうなのかい?でももう少し進めときたいからね大丈夫だよ」
エヴァは問題ないと…また机に向かい出した。
「エヴァさん…本当に…すみません」
クラークが頭を下げて謝ると
「終わったら直ぐにでもウエスト国にお送りしますから…」
エヴァは手を止め振り返ると
「クラーク先生…もう何度目だい謝るのは…もう謝罪はいいよ、それに私はウエスト国に行く気は無いからいいんだよ…もう…」
エヴァさんが寂しげに答えると
「私たちは…エヴァさんに取り返しもつかない事をしてしまったのでしょうか…」
「そんな事ないよ…」
エヴァさんは軽く笑うとクラーク先生に背を向け机に向かった…
(今更戻っても…ミヅキに会えるか分からないしね…その前にユウイチロウの所にも行きたいし…)
エヴァは最後に見たミヅキの顔を思い出す。
「ミヅキ…病気は治ったかな…」
ボソッと呟くと…
「えっ?」
クラークが聞き返す。
「なんでもないよ…」
エヴァは薬に手を伸ばすと魔力を練り出した…。
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