ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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10章

326.教会

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「ミヅキさんね…ここを家だと思っていいからね。まだ他にもたくさん子供達がいますけどね…私はここのシスターのマリアと申します」

よろしくね

とマリアさんが手を差し出しと…おずおずとミヅキは握り返した。

「ミヅキさんはとりあえず病気を治すことに専念しましょうね…多分今流行っている王都熱だと思いますが…」

マリアがラウロ先生を見ると

「そうでしょうね…ミヅキちゃん他に何か症状はあるかな?」

ラウロ先生が聞くとマリアさんは後ろへと下がった…

「足が…」

ミヅキが足をさすると…

「痛くないけど…力が入らないんです」

「どれ…」

ラウロ先生がミヅキの足を触る…

「ここは?」

先生がミヅキを見ると

「感じる…痛くはない」

「ちょっと立って見てくれる?」

ミヅキの手を支えて立ち上がらせると

「わぁ!」

踏ん張りが効かずに前に倒れ込みそうになる

「おっと!」

先生が受け止めると

「もしかしたら、王都熱の後遺症かな…まだ熱が下がりきってないからね…でもよかったよミヅキちゃん!今王宮に新しい薬師が来て王都熱の薬を作ってくれているらしいとりあえず熱だけは引くけど完成品ではないらしくもう少し時間がかかるそうだけどね」

「薬…?」

「ああ!ちゃんと完成した薬を飲めば治るよ」

ラウロ先生が励ますように笑った。

「じゃあ、ミヅキちゃんの部屋は同じ王都熱の子達がいる部屋を使って下さい」

マリアさんが運ぼうとミヅキのそばに寄ると

「僕が運びますよ」

ラウロ先生が頷いた。

ミヅキはそのまま抱っこされて連れて行かれると、狭い部屋にベッドが敷き詰められ子供が五人寝ていた。

「みんな…新しくここに住むことになったミヅキさんです…仲良くしてあげてね」

マリアさんが声をかけると…

「分からないことはなんでも聞いてね!」

ミーナが手をあげた!

「ミーナ、下の子が入って嬉しそうだね」

他の子が笑うと…

「ずっと下が欲しいって言ってたもんね」

ミヅキはミーナを見ると、恥ずかしそうに頬を染めていた。

「はい、はい、仲良くねミヅキちゃんはここのベッドでいいですか?」

ラウロ先生がマリアさんに聞くと

「ええ…そこに寝かせてあげて下さい。ミヅキさんトイレに行きたい時とかは私か大人を呼んで下さい。連れていきますからね」

マリアさんが微笑むとミヅキは頷いた。

ラウロ先生とマリアさんは部屋を出ると…

わあっ!

部屋の中が一気にざわめく…その様子をマリアさんとラウロさんは部屋の外で聞いていた。

「子供らはすぐにでも打ち解けそうですね」

ラウロが苦笑すると

「ええ…でも少し心配ですね…元気があまりないですから…」

先程から自分を見ると寂しそうにするミヅキの瞳が気になっていた…

「受け答えもしっかりしてるし…身なりも悪くありません…本当に捨てられたのかな?」

ラウロが首を傾げると

「もう少し打ち解けて来たら色々と話してくれますよ…今は元気になるよう見守りましょう」

マリアさんが微笑むとラウロも頷いた。


「ねぇ!あなた名前は?」

その部屋の最年長と思われる女の子が声をかけてきた

「ミヅキ…」

「ミヅキね!私はアイシャ、ここの院で一番年上よ」

「僕はアーク、こいつはエリック」

よろしくと手を上げる。

「私はエミリー、でこっちがミーナ一番年下なの」

「よろしく…ミヅキです。この子はコハク、この子はムーって言うの」

ミヅキがコハクとムーを紹介する。

「他の子もいるけど…みんな病気でね」

アイシャが寂しそう笑う。

「ミヅキもここに来たって事は病気なんだろ?」

「うん、ラウロさんがそう言ってた…王都熱?って言うの?」

「そう…今サウスの子供のほとんどがかかってるんだって…軽くすめば四日ほどの熱に耐えれば終わり…だけど酷いと意識を失ったり後遺症が出たり…体力がない子は…死んじゃうって…」

ミヅキは自分の足をさすった…

「みんな元気そうに見えるけど…」

ミヅキがみんなを見ると

「熱の発生が突発的なの…いつおきるかもどのくらい熱を出すかも…でも今新しい薬が出来たらしくて…それを飲めばとりあえず熱が下がるみたいだよ」

「そうなんだ…」

(どんな薬かわかれば…私にも作れるかな?)

ミヅキが考えていると…

「ミヅキも後遺症が出ちゃったの?」

心配そうにみんながミヅキを見つめると

「うん…足が…動かなくて…」

「そっか…」

みんなが言葉を失う。

「大丈夫、ラウロさんが薬で良くなるかもって言ってた…」

ミヅキが安心させるように笑うと…

「ミヅキって…年下だよね?」

アイシャが聞いてくる…

「私は13才…ギリギリこの病気にかかる歳なの…」

「僕も13才、エリックが11才だろ、エイミーが10才、ミーナが8才」

みんながミヅキを見ると

「私は…本当の年はわからないんだ…森に捨てられてたから…一応な、…8才…ミーナと一緒だね」

「ミヅキも捨てられたんだ!私もだよ、まぁここの子はほとんどそうだよね」

「うん、捨てられたか、親に暴力を奮われて出てきたか…なんかしら事情があるやつばっかりだよ」

アークが笑うと

「そっか…」

ミヅキが寝転ぶ…

「ごめん…疲れちゃって…寝てもいいかな?」

布団を引き寄せると

「おお!ゴメンな!まぁこれからよろしくな」

「うん」

ミヅキは笑って返事を返した。




「くっそ…何処に行ったんだ!」

ジャンが街を隅から隅まで走り回っていると…角を曲がった所で人にぶつかる!

「気をつけろ!」

ジャンが叫ぶと…

「すみません」

細身の男性が尻もちをつきながら謝ってきた…よく見ると…

「先生!すみませんでした!」

ジャンが駆け寄り先生を助け起こす。

「ん?部隊兵の…ジャンさん?」

ラウロ先生がジャンをジロジロと見ると

「ジャンさん…その髪とその顔どうしたんですか?」

心配そうに触ろうとすると…バッと手を払い除けてしまう…

「あっ…すみません!でも大丈夫なんで…急いでますので失礼します」

ジャンは謝るとサッと走り去って行った…

ラウロは走り去るジャンを見つめると

(一昨日は普通でしたよね…一日二日であんなになるなんて…どれだけの体験をすれば…)

「いや…魔法で…かも知れませんね、本人がああ言ってますし…詮索はやめましょう…」

ラウロはホコリを払うと、王宮へと向かって行った。

ジャンは街中を走り回るが…子供を見つけることが出来なかった…

一度小屋に戻りリゲルと合流すると…

「居たか?」

「いや…」

首を振る。

「数名子供を乗せた犬みたいな動物が走り回るのをみた人が居たが…何処に行ったのかはわからないそうだ」

「どうする…あの子がいないと、薬が…」

「さっき聞いたが…あの薬は完成していないそうだ…一時的に熱を下げる程度なら出来るが数も足らないらしい…」

「やっぱり…あの子供が鍵なんだ…」

ジャンが爪が食い込むほど拳を握ぎりしめた。
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