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「聞きなさい!」
私は大声を出した。
「貴女は高貴な血筋と言って元婚約者のチャーリー様を貶め、傷つけ、平民にし国外追放までしただけでは飽き足らず、自分の力で今の立場を得たチャーリー様を貶め、傷つけたのです。
貴女は先程、チャーリー様は女の扱いに長けているとおっしゃられましたけど、チャーリー様は心から愛する女性には尽くし、とてもお優しくて側に寄り添い大事に大切にでき、愛をお持ちの素敵な殿方ですのよ?
貴女の目から女の扱いに長けていると見えたのならお分かりでしょ? 婚約者の暴言にも耐え、贈った贈り物は捨てられ、それでも婚約者としてのマナーだと贈り続けた。婚約者の愚行に耐え忍び、自分を偽る事で婚約者としての義務を最後まで果たした。女性に長けていたからこそ最低な婚約者に対して婚約者として接せれたの。普通の殿方ならとっくに匙を投げて逃げ出すわ。
貴女がただの貴族だの、贈り物を捨てず、文句ばかり言わなければ貴女を愛し尽くしてくれたのに。 貴女は婚約者の事を何も見ようとしなかった。
チャーリー様は女性の扱いに長けているのではなく、愛する女性に敬意を払い尽くし宝物の様に大事に大切に扱う事が出来るとても愛情深い方なの。私の愛しい婚約者を下品な言葉で貶めるのはやめて頂けるかしら」
「貴女もあの穢れた家畜と同類なのね。お似合いですわ。家畜は家畜同士仲良くしていればよろしくてよ」
「貴女は家畜以下ね」
「何ですって、聞き捨てなりませんわ。わたくしは高貴な存在なの、貴女みたいな家畜ではありませんのよ」
「本当に高貴なお方なら家畜を見下す言い方としてお使いになられませんわ。 よろしくて?
家畜は私達が生きる為に命を捨て私達の血や肉になっていますのよ? 貴女は毎日、肉を召し上がりませんの? その肉は家畜が命を捨て私達を生かす為に犠牲となってくれてるのですわ。 家畜は立派な食物ですのよ。我々人間は家畜の命に敬意を払う方で見下すものではありませんわ。
それに貴女は平民も下賤の者達と見下しますが、我々貴族は平民が居るからこそ貴族であり、平民が働くからこそ家の存続が出来ているのです。平民の生活を護り、働きやすい環境を整え、平民が働いて作り出した物で我々貴族は成り立つのです。平民は下賤の者達ではありません。感謝すべき者達なのです。
我々貴族が忠誠を誓う事で陛下は陛下で居られるの。平民が作り出す物で貴族は金銭を得、貴族が納める税によって国を支え、豊かな国を作れるの。
家畜は私達が生きる為に命を捨て、平民が働き作り出す物で金銭を得る。平民が汗水たらして働き作り出した物を金銭に替え家を存続し続け平民を護るのが我々貴族。 国に必要な平民を貴族を護り導くのが陛下。 国を作り支えてくれる平民や貴族、人を生かす為に犠牲になった家畜に敬意を払い感謝するのが王族の役目なの。
国は陛下が居るだけでは成り立たないの。陛下を支える者達が居るからこそ国は成り立ち、その者達を護る為に陛下が他国と交渉し、国を、国民を護るの。貴女がご自分は王族だと言うのなら人を見下すのはやめなさい」
「な、何でそんな事貴女に言われなくてはならないの」
「確かに陛下を始め王族の方々はこの国の象徴で高貴なお方ですわ。 それは、陛下だから、王族だから偉いのではなくて、この国を他国から護り、この国を支える者達に寄り添い感謝の心を忘れないから国民から慕われ象徴として皆から崇められているの。
もし歴代の陛下が見下す君主ならとっくにこの国は無くなっていたわ。 見下す君主に力を貸そうとする貴族が居ると思う? 己の命をかけて護りたいと思う?
貴女は人を見下し、貶め、婚約者を奴隷の様に下僕の様に扱って、職人が心を込めて作ったドレスやアクセサリーを捨て、職人の誇りまでも踏み躙った。そんな人が王族なのかしら。 家畜よりも役立たづだと思いません事?」
「なっ、」
「貴女は私の愛しい婚約者を穢れると言ったわ。それに家畜とも。 それなら貴女も穢れてる家畜じゃない。貴女が毎日食べる食事は家畜の肉、そして今着てるドレスは家畜の毛、家畜が穢れてると言うのなら貴女は穢れてる家畜を身に纏い、食してるのよ?」
「それなら皆様だとて同じ事ですわ」
「そうですわね。皆、穢れ家畜ですわ。ですが、今日集まりの皆様は自領の平民を護り、家を護り、この国を支える事で人になりますのよ? 人を見下す貴女は何を護ってらっしゃるの?
平民?下賤の者と見下しましたわ。家?貴女は当主ではありませんわ。国?王族だと高貴な血筋と言うだけ。 貴女は人になる為に何を犠牲にし、何を護ってらっしゃるの?」
「わたくしは高貴な血筋を護っておりますわ」
「ではどの様に?」
「え?それは、貴女が知る必要のない事ですわ」
「そうですか。でもこれだけは覚えておいて下さい。
私の愛しい婚約者のチャーリーを、アーサー父様を、ローラ母様を、私の大切な人を貶め傷つけた貴女を私は一生許さない」
突然、後ろから抱き締められ、
「エリー、ありがとう。愛してる」
私は振り返り、抱き締めた。
「私も愛してる」
私達を抱き締める様に、
「エミリーヌちゃん、ありがとう」
ローラ母様が抱き締めた。
私は大声を出した。
「貴女は高貴な血筋と言って元婚約者のチャーリー様を貶め、傷つけ、平民にし国外追放までしただけでは飽き足らず、自分の力で今の立場を得たチャーリー様を貶め、傷つけたのです。
貴女は先程、チャーリー様は女の扱いに長けているとおっしゃられましたけど、チャーリー様は心から愛する女性には尽くし、とてもお優しくて側に寄り添い大事に大切にでき、愛をお持ちの素敵な殿方ですのよ?
貴女の目から女の扱いに長けていると見えたのならお分かりでしょ? 婚約者の暴言にも耐え、贈った贈り物は捨てられ、それでも婚約者としてのマナーだと贈り続けた。婚約者の愚行に耐え忍び、自分を偽る事で婚約者としての義務を最後まで果たした。女性に長けていたからこそ最低な婚約者に対して婚約者として接せれたの。普通の殿方ならとっくに匙を投げて逃げ出すわ。
貴女がただの貴族だの、贈り物を捨てず、文句ばかり言わなければ貴女を愛し尽くしてくれたのに。 貴女は婚約者の事を何も見ようとしなかった。
チャーリー様は女性の扱いに長けているのではなく、愛する女性に敬意を払い尽くし宝物の様に大事に大切に扱う事が出来るとても愛情深い方なの。私の愛しい婚約者を下品な言葉で貶めるのはやめて頂けるかしら」
「貴女もあの穢れた家畜と同類なのね。お似合いですわ。家畜は家畜同士仲良くしていればよろしくてよ」
「貴女は家畜以下ね」
「何ですって、聞き捨てなりませんわ。わたくしは高貴な存在なの、貴女みたいな家畜ではありませんのよ」
「本当に高貴なお方なら家畜を見下す言い方としてお使いになられませんわ。 よろしくて?
家畜は私達が生きる為に命を捨て私達の血や肉になっていますのよ? 貴女は毎日、肉を召し上がりませんの? その肉は家畜が命を捨て私達を生かす為に犠牲となってくれてるのですわ。 家畜は立派な食物ですのよ。我々人間は家畜の命に敬意を払う方で見下すものではありませんわ。
それに貴女は平民も下賤の者達と見下しますが、我々貴族は平民が居るからこそ貴族であり、平民が働くからこそ家の存続が出来ているのです。平民の生活を護り、働きやすい環境を整え、平民が働いて作り出した物で我々貴族は成り立つのです。平民は下賤の者達ではありません。感謝すべき者達なのです。
我々貴族が忠誠を誓う事で陛下は陛下で居られるの。平民が作り出す物で貴族は金銭を得、貴族が納める税によって国を支え、豊かな国を作れるの。
家畜は私達が生きる為に命を捨て、平民が働き作り出す物で金銭を得る。平民が汗水たらして働き作り出した物を金銭に替え家を存続し続け平民を護るのが我々貴族。 国に必要な平民を貴族を護り導くのが陛下。 国を作り支えてくれる平民や貴族、人を生かす為に犠牲になった家畜に敬意を払い感謝するのが王族の役目なの。
国は陛下が居るだけでは成り立たないの。陛下を支える者達が居るからこそ国は成り立ち、その者達を護る為に陛下が他国と交渉し、国を、国民を護るの。貴女がご自分は王族だと言うのなら人を見下すのはやめなさい」
「な、何でそんな事貴女に言われなくてはならないの」
「確かに陛下を始め王族の方々はこの国の象徴で高貴なお方ですわ。 それは、陛下だから、王族だから偉いのではなくて、この国を他国から護り、この国を支える者達に寄り添い感謝の心を忘れないから国民から慕われ象徴として皆から崇められているの。
もし歴代の陛下が見下す君主ならとっくにこの国は無くなっていたわ。 見下す君主に力を貸そうとする貴族が居ると思う? 己の命をかけて護りたいと思う?
貴女は人を見下し、貶め、婚約者を奴隷の様に下僕の様に扱って、職人が心を込めて作ったドレスやアクセサリーを捨て、職人の誇りまでも踏み躙った。そんな人が王族なのかしら。 家畜よりも役立たづだと思いません事?」
「なっ、」
「貴女は私の愛しい婚約者を穢れると言ったわ。それに家畜とも。 それなら貴女も穢れてる家畜じゃない。貴女が毎日食べる食事は家畜の肉、そして今着てるドレスは家畜の毛、家畜が穢れてると言うのなら貴女は穢れてる家畜を身に纏い、食してるのよ?」
「それなら皆様だとて同じ事ですわ」
「そうですわね。皆、穢れ家畜ですわ。ですが、今日集まりの皆様は自領の平民を護り、家を護り、この国を支える事で人になりますのよ? 人を見下す貴女は何を護ってらっしゃるの?
平民?下賤の者と見下しましたわ。家?貴女は当主ではありませんわ。国?王族だと高貴な血筋と言うだけ。 貴女は人になる為に何を犠牲にし、何を護ってらっしゃるの?」
「わたくしは高貴な血筋を護っておりますわ」
「ではどの様に?」
「え?それは、貴女が知る必要のない事ですわ」
「そうですか。でもこれだけは覚えておいて下さい。
私の愛しい婚約者のチャーリーを、アーサー父様を、ローラ母様を、私の大切な人を貶め傷つけた貴女を私は一生許さない」
突然、後ろから抱き締められ、
「エリー、ありがとう。愛してる」
私は振り返り、抱き締めた。
「私も愛してる」
私達を抱き締める様に、
「エミリーヌちゃん、ありがとう」
ローラ母様が抱き締めた。
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