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私はチャーリーの手を離し元婚約者の前まで来た。 後ろでは「エリー駄目だ」と言うチャーリーの声が聞こえてる。それでも許せなかった。 私も我慢の限界がきたのだ。
「ご機嫌よう、エステル様」
「貴女誰ですの?あの獣の何ですの?」
「私は獣ではなくブラウニー侯爵令息のチャーリー様の婚約者ですわ」
「ふふっ、貴女婚約者なの?あぁお可哀想」
「可哀想?何故です?」
「あの男は元よ元。貴女騙されてますわ。 皆様お聞きになりまして?あの男は今だに侯爵令息と名乗っておいでですのよ?」
「いえ、チャーリー様は侯爵令息ですわ。そして私はチャーリー様の婚約者のキャメル侯爵、エミリーヌと申しますの。 私、侯爵当主ですのよ?」
「やっぱり騙されておりますわ。あの男は女性の扱いに長けておりますの。もしかしてもうお身体をお繋げになられたのかしら。女性を扱うのだけはお上手の様ですし」
「エステル様、私先程、私は侯爵当主と申しましたわ」
「それが何かありまして?」
「エステル様は婚姻なさっても公爵様の娘、ただの娘ですわ」
「貴女わたくしに、王族に歯向かうおつもり?不敬罪で貴女など処分できますのよ」
「では、当主とただの娘、どちらが立場が上だとお思いで?」
「わたくしに決まっておりますわ。わたくしは高貴な血筋、王族ですもの。貴女はただの貴族に過ぎませんわ」
「ただの貴族とはどう言う意味ですの?」
「ただの貴族はただの貴族よ。平民と変わらない貴族の事ですわ」
「では貴族は誰の事を示しますの?」
「王族の血筋の者ですわ。多少の血筋でも王族の血筋は王族の血筋、わたくし王族とは同じにはなれませんけれど貴族にはなれますわ」
「そうですのね。 エステル様はこの国に王族の血筋を少なくとも持つ貴族がどれ程おいでだと思われますの?」
「そんなのわたくしが知る訳ありませんわ」
「一割ですわ。多くても二割には届かない程の人数しかおりませんのよ? 何故だと思います?」
「そんなのわたくしが知る必要などありませんわ」
「いえ、エステル様が王族と言われるのならお知りになるべきですわ。 この国の王は歴代見ても側室をお持ちになりません。今の王もエステル様のお母様とお二人、そして今の王の子もご子息がお二人。 歴代見ても子はお一人かお二人、多くてもお三人ですわ。お一人は王になるべくお人になり、残りの方々が貴族に降下なされます。 エステル様のお母様は運が良くこの国の貴族へ嫁がれましたが、王女とは他国とこの国を繋ぐ為に他国へ嫁がされます。それは人質だったり、同盟の証だったり様々ですが、この国へ残る王女が何人いらしたと思います?
エステル様のお母様合わせてもお二人です。歴代の王女は全て他国へ嫁がされましたのよ? 戦が始まれば真っ先に命を取られ、同盟国へ嫁いでも幸せになれるかどうか分かりませんわ。
高位貴族であっても王族の血筋の公爵家はエステル様の公爵家だけ。侯爵、伯爵、子爵、男爵合わせても二割に満たない程ですのよ? 子爵や男爵に至ってはもう血も薄まり王族の血筋と呼べるか分からない程ですわ」
「だから何ですの」
「エステル様がおっしゃった、ただの貴族が今日この夜会に参加された貴族のほとんどですわ。今ここの会場にみえる方々ほとんどが平民だ、とエステル様はおっしゃられましたのよ?それをご存知かしら」
「わたくしはその様な事を言ったのではありせんわ」
「ただの貴族でも陛下の臣下として忠誠を誓い、この国を支える大事な貴族ですわ。二割に満たない王族の血筋の貴族だけでこの国を支えれますの?」
「な、何をおっしゃってますの?」
「貴族にとって大事なのは王族の血筋などではありませんわ。陛下への確固たる忠誠心ですわ。
そして貴女の発言で陛下は貴族からの忠誠心を失い、暴動を起こした貴族によりお命を絶たれるのです。陛下のみならず王子、妃もお命を絶たれるのです。その後は王妹の貴女のお母様、お父様、そして貴女自身。
貴女のお母様は王妹ですわ。陛下の子の王子達とは従兄妹同士。 貴女は確かに王族に最も近しいお人ですわ。だからこそ貴女の発言でこの国の王族の皆様の首が、お命が危うくなるのです。お分かり頂けましたか?」
「お父様、お母様、どちらにお見えになりますの?お父様、お母様…」
エステル様は辺りを見渡している。固まった目線の先を私も見つめたら、エステル様のお父様とお母様は騎士により止められていた。
私は陛下に目線を移し陛下と目が合った。
陛下が頷き「続けてくれ」と目が語っていた。
私は陛下へ頷き、エステル様に視線を戻す。
「貴女はチャーリー様だけの事をおっしゃられているのかも知れませんが、貴女の発言は貴族を馬鹿にし、平民を馬鹿にした発言だとお気付きになられましたか?」
「お父様、お母様、」
「ご機嫌よう、エステル様」
「貴女誰ですの?あの獣の何ですの?」
「私は獣ではなくブラウニー侯爵令息のチャーリー様の婚約者ですわ」
「ふふっ、貴女婚約者なの?あぁお可哀想」
「可哀想?何故です?」
「あの男は元よ元。貴女騙されてますわ。 皆様お聞きになりまして?あの男は今だに侯爵令息と名乗っておいでですのよ?」
「いえ、チャーリー様は侯爵令息ですわ。そして私はチャーリー様の婚約者のキャメル侯爵、エミリーヌと申しますの。 私、侯爵当主ですのよ?」
「やっぱり騙されておりますわ。あの男は女性の扱いに長けておりますの。もしかしてもうお身体をお繋げになられたのかしら。女性を扱うのだけはお上手の様ですし」
「エステル様、私先程、私は侯爵当主と申しましたわ」
「それが何かありまして?」
「エステル様は婚姻なさっても公爵様の娘、ただの娘ですわ」
「貴女わたくしに、王族に歯向かうおつもり?不敬罪で貴女など処分できますのよ」
「では、当主とただの娘、どちらが立場が上だとお思いで?」
「わたくしに決まっておりますわ。わたくしは高貴な血筋、王族ですもの。貴女はただの貴族に過ぎませんわ」
「ただの貴族とはどう言う意味ですの?」
「ただの貴族はただの貴族よ。平民と変わらない貴族の事ですわ」
「では貴族は誰の事を示しますの?」
「王族の血筋の者ですわ。多少の血筋でも王族の血筋は王族の血筋、わたくし王族とは同じにはなれませんけれど貴族にはなれますわ」
「そうですのね。 エステル様はこの国に王族の血筋を少なくとも持つ貴族がどれ程おいでだと思われますの?」
「そんなのわたくしが知る訳ありませんわ」
「一割ですわ。多くても二割には届かない程の人数しかおりませんのよ? 何故だと思います?」
「そんなのわたくしが知る必要などありませんわ」
「いえ、エステル様が王族と言われるのならお知りになるべきですわ。 この国の王は歴代見ても側室をお持ちになりません。今の王もエステル様のお母様とお二人、そして今の王の子もご子息がお二人。 歴代見ても子はお一人かお二人、多くてもお三人ですわ。お一人は王になるべくお人になり、残りの方々が貴族に降下なされます。 エステル様のお母様は運が良くこの国の貴族へ嫁がれましたが、王女とは他国とこの国を繋ぐ為に他国へ嫁がされます。それは人質だったり、同盟の証だったり様々ですが、この国へ残る王女が何人いらしたと思います?
エステル様のお母様合わせてもお二人です。歴代の王女は全て他国へ嫁がされましたのよ? 戦が始まれば真っ先に命を取られ、同盟国へ嫁いでも幸せになれるかどうか分かりませんわ。
高位貴族であっても王族の血筋の公爵家はエステル様の公爵家だけ。侯爵、伯爵、子爵、男爵合わせても二割に満たない程ですのよ? 子爵や男爵に至ってはもう血も薄まり王族の血筋と呼べるか分からない程ですわ」
「だから何ですの」
「エステル様がおっしゃった、ただの貴族が今日この夜会に参加された貴族のほとんどですわ。今ここの会場にみえる方々ほとんどが平民だ、とエステル様はおっしゃられましたのよ?それをご存知かしら」
「わたくしはその様な事を言ったのではありせんわ」
「ただの貴族でも陛下の臣下として忠誠を誓い、この国を支える大事な貴族ですわ。二割に満たない王族の血筋の貴族だけでこの国を支えれますの?」
「な、何をおっしゃってますの?」
「貴族にとって大事なのは王族の血筋などではありませんわ。陛下への確固たる忠誠心ですわ。
そして貴女の発言で陛下は貴族からの忠誠心を失い、暴動を起こした貴族によりお命を絶たれるのです。陛下のみならず王子、妃もお命を絶たれるのです。その後は王妹の貴女のお母様、お父様、そして貴女自身。
貴女のお母様は王妹ですわ。陛下の子の王子達とは従兄妹同士。 貴女は確かに王族に最も近しいお人ですわ。だからこそ貴女の発言でこの国の王族の皆様の首が、お命が危うくなるのです。お分かり頂けましたか?」
「お父様、お母様、どちらにお見えになりますの?お父様、お母様…」
エステル様は辺りを見渡している。固まった目線の先を私も見つめたら、エステル様のお父様とお母様は騎士により止められていた。
私は陛下に目線を移し陛下と目が合った。
陛下が頷き「続けてくれ」と目が語っていた。
私は陛下へ頷き、エステル様に視線を戻す。
「貴女はチャーリー様だけの事をおっしゃられているのかも知れませんが、貴女の発言は貴族を馬鹿にし、平民を馬鹿にした発言だとお気付きになられましたか?」
「お父様、お母様、」
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