上 下
19 / 22

本当の居場所⑵

しおりを挟む
 「じゃあ、リルは最初から私のところに戻ってくるつもりだったのか?」

 「もちろん。義姉さんの隣が僕の居場所だもん」

 その言葉に胸が熱くなる。私が答えを出せない間もリルはずっと待ってくれていたんだ……

 「それに義姉さんも僕を愛してるって自信があったからね。なかなか自覚してくれなくて、悲しかったけど」

 「悪かった……」

 「いいよ、その分こうやって今は僕への愛が溢れているようだし」

 リルは私の腰に手を回し、ぐっと自分の方に引き寄せた。さっきは自分から抱きついたが、こうベッドの上で身体が密着するのは恥ずかしい……

 「でも、三か月は長かったぞ……。もっと早く手紙の一通くらいくれたら良かったのに」

 「それがさ……ヒューバルの教育課程を終えてからじゃないと、ヒューバルを名乗るのは許すことはできないーとか言って、朝から晩までしごかれて……地獄のようだったよ……。これだけはほんと想定外だった……
 それでも義姉さんのところに戻るために必死に頑張ったんだよ」

 「偉かったな、リル。……戻ってきてくれて、ありがとう」

 「僕も義姉さんのところに戻れて良かった……」

 まだ聞きたいことはあったが、お互いに限界だった。私はリルに触れたくて、リルは私に触れたくて……

 リルと熱いキスをする。リルがねっとりと私に舌を差し込む。私はそれに嬉々として応えた。

 角度を変えながら何度も与えられるリルの唇は優しくて、柔らかくて、甘くて……私の頭を徐々に溶かしていく。

 「ん……はぁっ……。リル……今日は、公爵家に、帰らなくていい、のか?」

 「ちゅっ……ん、義姉さん、そんなこと言って、僕が帰っちゃってもいいの?」

 「嫌だ……帰らないでくれ、リル。いや…………帰らせない」

 私はリルの上に馬乗りになった。

 「義姉さんっ?」

 「……リル、そばにいてくれ。お願いだ……」

 ゆったりとしたネグリジェの前ボタンを一つひとつ外していく。
 息を呑みながら、リルがじっと私を見て……その視線だけで私は身体を熱くさせた。

 はらりと前が開き、ひんやりとした空気が素肌をくすぐる。それさえも期待に火照った私の身体には気持ち良く感じられた。

 同じように私はリルの服のボタンも一つ一つ外していく。
 露わになっていく、リルの身体。

 それは私のとは違う、強い男の身体だった。

 私は露わになった筋肉が美しいその身体に自分の身体を摺り寄せる。そして、身体の熱を、その柔らかさを押し付けた。最後に彼の耳元で囁く。

 「……あの夜からリルの熱が忘れられないんだ。今すぐリルが欲しい。今度こそ心も身体も全部、繋がりたい……」

 「……そんなこと言うと、止められないかも。いいの?」

 「あぁ。リル、愛してる」

 「僕もだ……。義姉さ……いや、僕のシャノン……」

 今度はリルがそう私の耳元で囁いた、その声は今までにないほど甘く、セクシーな声で。耳から犯されているような感覚にさえ陥る。

 リルの舌が私の耳の輪郭をなぞる。それだけでも気持ちいいのに、彼は私の身体を指でなぞるようにしながら、肩にかかっただけになったネグリジェを脱がしていく。

 身体にゾクゾクとした甘い快感が溜まっていく。
 リルの指が背骨をすぅーっとなぞるだけで、私は身体を震わせた。

 「あっ……はぁっ……リル。私……触られるだけで……っ、ん」

 「可愛いね、シャノン。もう恥ずかしがらず、僕の前で全てをさらけ出していいんだよ……? 僕はもう……なんだから」

 リルは私のネグリジェを完全に取り払う。残ったのはショーツ一枚。彼はそこに手を入れて、臀部を包み込んだ。

 彼が私の臀部を揉む。それだけでグズグズになった蜜口から、また愛液が溢れるのがわかる。まだ肝心なところはどこも触られていないのに、裸でリルと密着してるだけで、彼の指が私を撫でるだけ、優しく臀部を揉まれただけで……こんなに濡らしてしまったことが恥ずかしい。

 それに気付かれるのが恥ずかしくて、私はリルの首にグッと手を回して抱きついた。その間もリルの手は止まらない。そして、徐々に手が下にずれていき……

 私の蜜口に指を沈み込ませたリルがフッと笑った。

 「いつからこんなに濡らしてたの? そんなに僕が欲しかった?」

 その言葉を否定することなんてできなくて……
 私はリルの肩に顔を埋めたままコクンと頭を縦に揺らした。

 「可愛すぎるんだよ……っ」

 次の瞬間、体勢がくるっと変わり、私はベッドに沈められていた。

 「もう手加減なんてできないから。シャノンの膣内なかを僕のもので染め上げてあげる」

 リルはもう一度私に口づけを落とした。

 それはとても激しくて、私はリルに与えられるまま彼の舌を受け入れ、絡ませた。流れてくる彼の唾液さえ愛しくて、美味しくて……私はそれを悦びと共に飲み込んだ。

 キスをしながらリルの手は私の胸を刺激する。大きく揉んだと思えば、乳首をキュッと摘んだ。

 「ひゃあんっ!!」

 不意に来た強い刺激に私の身体は素直に反応する。

 それでも、リルの手が止まることはなくて、私の身体を狂わせていく。自分の身体なのに、もはや自分で制御できなかった。

 「リルっ……はぁっ! あっ!」

 「シャノン、好きだ……っ」

 「私もっ! リル、もう、私……っ」

 「僕もだ。シャノンの膣内に、挿入りたい……」

 リルの股の間には、硬く主張するモノがあった。
 前回見た時は怖いくらいだったのに、今はそれが欲しくてたまらない。あの大きいモノで、私の膣内を隙間なく埋めて欲しい。

 「リル……きて……」

 リルは、私の中にその熱いモノを埋め込んでいく。ゆっくりと、私の膣内を確かめるように……

 若干の息苦しさを感じるものの前回のような痛みはない。それよりも感じるのはリルと繋がれる悦びで。ようやく心も身体もリルと繋がれた気がして、嬉しくて、涙が溢れた。

 リルがトンと優しく私の奥に辿り着く。

 「こんな風に繋がれる日がくるなんて……。僕、幸せだよ」

 リルが私の瞼にキスを落とす。

 「うん、私も。……愛してるよ、リル」

 「僕も。もう絶対に離さない」

 リルは私の両手をベッドに押し付けるようにして、手をぎゅっと握った。それを合図にしたように、リルが腰を前後に振っていく。

 少し乱暴なくらいのリルの動きにも、私は悦びの声を上げた。

 今リルには私も見たことのない快感に喘ぐ顔が見えているんだと思うと、それさえも快感に変換されて、私は思うままに乱れた。

 「あっ、リルっ! すごいっ、あんっ! リルぅ!」

 「すっごい、気持ちよさそう……っ。ねぇ、なにが、すごいの?
言って?」

 リルはとても楽しそうに私の顔を見つめる。彼の緑の瞳には、本能のままに彼を求める私の姿がいっぱいに映っていた。

 「リル……っ、リルの大きいのがっ!
 んっ、硬くて、おっきいの、好きぃっ!」

 「硬くて、大きいのなら、誰でもいいの?」

 「あっ、いやっ! リルの! リルのじゃなきゃ嫌! あんっ、私の膣内なかはリル専用だからぁっ!!」

 「そんな言葉を吐けるなんて、ほんと才能あるよ。エロくて、可愛いシャノンには、ご褒美をあげなきゃ……ねっ!?」

 「ああああんっ!!」

 リルが私の腰を掴んだと思ったら、その凶悪なモノをより奥深く私に突き刺し、私は絶頂を迎えた。それだけではなく、イったばかりだと言うのに、私の膣奥に何度もリルのを叩きつけてくる。

 「ひゃっ、やっ……らめっ! はぁっ、また……あぁっ」
 
 私の中の波が再び高まっていく。
 それでも、リルの攻めが止むことはなくて……

 「リル、やらっ……もうっ、あぁんっ!」

 「締め、すぎっ……イく……っ!」

 リルの白濁が私の膣内に放たれ、その熱は私の頭まで白く染め上げた。全ての思考は奪われ、私の中をリルが埋め尽くす。

 ドクドクと私の中で熱いリルのモノが脈打っているのがわかる。

 「リル……好き、好き……っ」

 私はうわ言のようにそう繰り返した。リルが私の中にいてくれることが嬉しいのに、それはいつか終わってしまうわけで。その不安感に駆られてか、私は何度もリルの名前を呼んだ。

 リルは、そんな私の頭を撫でてくれる。

 「わかってる。僕も好きだよ。……ごめんね。この間、義姉さんの気を引くためとはいえ、冷たく終わらせちゃったから、不安にさせちゃったかな……」

 私はリルのせいじゃないと言いたくて、言葉にならなかったけど、首をブンブンと横に振った。

 「大丈夫だよ、まだ終わらせるつもりなんてない」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる

Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。 でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。 彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

騎士団長のアレは誰が手に入れるのか!?

うさぎくま
恋愛
黄金のようだと言われるほどに濁りがない金色の瞳。肩より少し短いくらいの、いい塩梅で切り揃えられた柔らかく靡く金色の髪。甘やかな声で、誰もが振り返る美男子であり、屈強な肉体美、魔力、剣技、男の象徴も立派、全てが完璧な騎士団長ギルバルドが、遅い初恋に落ち、男心を振り回される物語。 濃厚で甘やかな『性』やり取りを楽しんで頂けたら幸いです!

身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁

結城芙由奈 
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】 妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。

ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。 だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。 車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。 あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。

お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~

ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。 2021/3/10 しおりを挟んでくださっている皆様へ。 こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。 しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗) 楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。 申しわけありません。 新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。 修正していないのと、若かりし頃の作品のため、 甘めに見てくださいm(__)m

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

処理中です...