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十歳の頃、お母様を事故で亡くした。
その後すぐに、お父様は離れの屋敷に住まわせていた元娼婦の愛人ミレイユと再婚して、その女の娘リリアナを養子に迎え入れた。
彼女達を溺愛していたお父様は、何でも彼女達の言いなりだった。
跡取りであるお兄様を王国騎士団へと入団させて追い出し、私を離れの屋敷に隔離し、自分達は本邸で贅沢三昧の生活をしていた。
第二王子ジルベール様の婚約者だった私は、毎日嫌というほど勉強をさせられて過ごした。
唯一の楽しみは、お兄様から送られてくるお手紙だった。
しかしそれも、戦争でお兄様が亡くなられてから途絶えた。
もう誰も、私の事を思ってくれる人はいない。
次第に嫌がらせの頻度が増えた。
食事にイタズラをされるのは日常茶飯事で、仕事をさぼるメイド達は屋敷の掃除さえろくにしなくなった。
公爵夫人とリリアナの気分次第で、ひどい仕打ちを受けるこの家にいる事が、ただただ苦痛で仕方なかった。
はやく公爵家から出たかった私は、必死に勉強した。
ジルベール様と結婚すれば、この家から出る事ができる。
彼の隣で相応しくあれるように、それだけを目標に頑張っていた。
そんなとあるパーティの帰り道に、悲劇が突然訪れる。
「フィオラ・ロバーツだな?」
乗っていた馬車が突如襲撃にあった。
「いやっ、やめて!」
「おとなしくしろ!」
気絶させられ誘拐された私は、そこで複数の男性から不名誉な辱しめを受けた。
手足を男たちの手によって拘束されて、身動きすらとれない。
ドレスを脱がされる衣擦れの音がやけに鮮明に聞こえ、気持ちの悪い感触にひたすら耐えるしかなかった。
まさに、悪夢の時間だった。
(誰か助けて下さい!)
その時、バタンと大きな音をたてて扉が開く音が聞こえた。
「フィオラ、これはどういうことだ!?」
聞き間違えるはずがない、愛しい人の声。確かにそれはジルベール様の声だった。
「ジルベール様、助けて下さい!」
そう懇願する私に、信じられない言葉が返って来た。
「お前が複数の男と夜な夜な情事を楽しんでいると通報が入っていた。まさか、本当だったとは……」
何ですって?
私がそんな事をするわけない。
ジルベール様以外の男性と、そんな事をするなんてありえない。
だって私は心から貴方の事を愛しているのに……
どうしてそんな軽蔑するような目で、私の事を見ているの……?
「違います、帰りに馬車が襲われて誘拐されたのです!」
「ここがどこだか分かるか? お前の住む屋敷で誘拐されたなどと、そんな言い訳が通用するとでも思っているのか?」
ここが、私の家?
そんな馬鹿な……状況が呑み込めず、頭が真っ白になった。
「殿下、誠に申し訳ありません!」
「フィオラ様にやらなければ家族を殺すと脅されまして、仕方なくっ!」
「逆らえませんでした、本当に申し訳ありません!」
先程まで私を襲ってきた男達は、口々にそう言って謝罪の言葉を口にした。床に額をくっつけて謝る男達の姿に、意味がわからずわなわなと手が震え出す。
怒りを露にするジルベール様の後ろでは、リリアナが不敵な笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「ジルベール様、私は何度も姉に注意したのですが聞き入れてもらえず……力不足で本当に申し訳ありません」
「リリアナ、そなたのせいではない」
はめられたのだと気付いた時にはもう遅く、「フィオラ、お前との婚約を破棄する」そう言ってジルベール様は去っていった。
「フフフ、いいざまね」
嘲笑を残して、リリアナは甘ったるい声を出しながらジルベール様を追いかる。
翌日にはその不名誉な汚名が広がっていて、社交界から大きなバッシングを受けた私は屋敷に引きこもるしかなかった。
その後すぐに、お父様は離れの屋敷に住まわせていた元娼婦の愛人ミレイユと再婚して、その女の娘リリアナを養子に迎え入れた。
彼女達を溺愛していたお父様は、何でも彼女達の言いなりだった。
跡取りであるお兄様を王国騎士団へと入団させて追い出し、私を離れの屋敷に隔離し、自分達は本邸で贅沢三昧の生活をしていた。
第二王子ジルベール様の婚約者だった私は、毎日嫌というほど勉強をさせられて過ごした。
唯一の楽しみは、お兄様から送られてくるお手紙だった。
しかしそれも、戦争でお兄様が亡くなられてから途絶えた。
もう誰も、私の事を思ってくれる人はいない。
次第に嫌がらせの頻度が増えた。
食事にイタズラをされるのは日常茶飯事で、仕事をさぼるメイド達は屋敷の掃除さえろくにしなくなった。
公爵夫人とリリアナの気分次第で、ひどい仕打ちを受けるこの家にいる事が、ただただ苦痛で仕方なかった。
はやく公爵家から出たかった私は、必死に勉強した。
ジルベール様と結婚すれば、この家から出る事ができる。
彼の隣で相応しくあれるように、それだけを目標に頑張っていた。
そんなとあるパーティの帰り道に、悲劇が突然訪れる。
「フィオラ・ロバーツだな?」
乗っていた馬車が突如襲撃にあった。
「いやっ、やめて!」
「おとなしくしろ!」
気絶させられ誘拐された私は、そこで複数の男性から不名誉な辱しめを受けた。
手足を男たちの手によって拘束されて、身動きすらとれない。
ドレスを脱がされる衣擦れの音がやけに鮮明に聞こえ、気持ちの悪い感触にひたすら耐えるしかなかった。
まさに、悪夢の時間だった。
(誰か助けて下さい!)
その時、バタンと大きな音をたてて扉が開く音が聞こえた。
「フィオラ、これはどういうことだ!?」
聞き間違えるはずがない、愛しい人の声。確かにそれはジルベール様の声だった。
「ジルベール様、助けて下さい!」
そう懇願する私に、信じられない言葉が返って来た。
「お前が複数の男と夜な夜な情事を楽しんでいると通報が入っていた。まさか、本当だったとは……」
何ですって?
私がそんな事をするわけない。
ジルベール様以外の男性と、そんな事をするなんてありえない。
だって私は心から貴方の事を愛しているのに……
どうしてそんな軽蔑するような目で、私の事を見ているの……?
「違います、帰りに馬車が襲われて誘拐されたのです!」
「ここがどこだか分かるか? お前の住む屋敷で誘拐されたなどと、そんな言い訳が通用するとでも思っているのか?」
ここが、私の家?
そんな馬鹿な……状況が呑み込めず、頭が真っ白になった。
「殿下、誠に申し訳ありません!」
「フィオラ様にやらなければ家族を殺すと脅されまして、仕方なくっ!」
「逆らえませんでした、本当に申し訳ありません!」
先程まで私を襲ってきた男達は、口々にそう言って謝罪の言葉を口にした。床に額をくっつけて謝る男達の姿に、意味がわからずわなわなと手が震え出す。
怒りを露にするジルベール様の後ろでは、リリアナが不敵な笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「ジルベール様、私は何度も姉に注意したのですが聞き入れてもらえず……力不足で本当に申し訳ありません」
「リリアナ、そなたのせいではない」
はめられたのだと気付いた時にはもう遅く、「フィオラ、お前との婚約を破棄する」そう言ってジルベール様は去っていった。
「フフフ、いいざまね」
嘲笑を残して、リリアナは甘ったるい声を出しながらジルベール様を追いかる。
翌日にはその不名誉な汚名が広がっていて、社交界から大きなバッシングを受けた私は屋敷に引きこもるしかなかった。
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