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第五章 橙
第81話 「綺麗な魔法」◆
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***
湖畔の別荘、リビングに造られた地下室。
時計の長い針は、もう二周半してしまった。
頭上の扉を閉め切っているので、音も光も入ってこない。
揺れるランタンの小さな火だけが頼りだ。
「ねえ、セオ……」
「……やだ」
このやり取りも、もうしばらく続いている。
外に出ようと説得する『私』と、迎えが来るまで待つというセオの議論は平行線を辿っていた。
「だけど、もうすぐランタンの火も消えちゃうよ」
「でも、やだもん!」
「ちょっとだけ、ほそーく、開けてみようよ」
「……それでも、やだ。怖いよ……」
セオは口をへの字に曲げて、不安げに目に涙を溜めている。
怖い気持ちも、不安な気持ちもわかる。けれど、このままここにいても、状況も何も分からない。
それはセオにも分かっているはずだ。現に、迷うように目が泳いでいる。
『私』は、もうひと押しした。
「でも、ランタンが消えたら真っ暗になっちゃうよ。そしたら、もっと怖いよ」
「……」
「ね? セオ」
「……じゃあ、ちょっとだけ……」
「うんうん、偉いね、セオ」
『私』は、ほっとしてセオの頭をよしよしと撫でた。
セオは目に涙を溜めたまま、頬を染めて頷く。
「じゃあ、せーので、持ち上げるよ」
「……わかった」
「せーのっ」
二人で手を伸ばして地下室の扉を開こうと試みるが、子供の力では重すぎて、なかなか開かない。
「うーん、動けぇぇ……」
「ううー、重いよぉ……」
しばらく奮闘するも、やはりガタガタと揺れるだけで、扉は持ち上がらなかった。
「はぁ、はぁ……、も、もしかして……閉じ込められちゃった?」
「えっ……そんなあ……! おとうさまー! おかあさまー!」
「出してー!」
私とセオは声を張り上げるが、地下室の中で響くばかりで、何の返答もない。
「ううう……どうして……」
「なにか……、なにか方法はないかなぁ」
「うう……風の力がうまく使えれば、良かったのに……」
「風の力?」
「うん……僕が、魔法の練習サボったから……」
「でも、それが出来れば何とかなるかもしれないんだよね? やってみたら?」
「出来る自信、あんまりないよ……」
「大丈夫、セオなら出来るよ。頑張って!」
項垂れているセオに、出来るだけ明るく声をかける。
ぎゅっと手を握ると、セオは覚悟を決めたようで、おずおずと頷いてくれた。
「……やってみる」
セオは『私』の手を離し、祈るように胸の前で手を組むと、目を閉じて集中し始める。
しばらくすると、ぼんやりと白く輝く光が、セオを取り巻き始めた。
それはやがて風を纏い始める。
「綺麗……」
それは、美しい魔法だった。
白い光に照らされる、セオの真剣な表情。
目を閉じて祈りを捧げる様子は神々しくて、まるで絵画から出てきた天使のよう。
ふわりふわりと柔らかい髪が揺れ、優しいそよ風は白く澄んでいて、徐々にその輝きと強さを増していく。
そして風は一際強く輝き、扉に向かって一息に放たれたのだった。
扉が、大きな音を立てて跳ね上がる。
その勢いは蝶番を破壊して、扉は反対側の床にドシンと打ちつけられた。
セオの方を見ると、少し疲れてしまったのか、しゃがみ込んでいる。
「セオ、すごかった! とっても綺麗な魔法だった!」
「僕、上手に出来た……?」
私は興奮しながら話しかけるが、セオはまだ顔を上げられないようだった。
「うん! 頑張ってくれて、ありがとう! おかげでほら、空が見え……、って、空?」
『私』は頭上を指さした。薄雲のかかった青空が、遮るものなく見えている。
「も、も、もしかして天井も抜けちゃった!? おおお怒られるかなあ!?」
「えっ?」
セオはようやく顔を上げ、立ち上がる。
その顔は、みるみるうちに血の気を失っていった。
「ぼ、僕、外、出たくない」
「だ、大丈夫! 私も一緒に怒られてあげるから!」
「そうじゃないよ……」
セオは、またフラフラとしゃがみ込んでしまった。
「セオ……?」
「……でも、行かなくちゃ。急いで、厩舎に……約束したもんね」
「そうだったね」
真っ青な顔をしながら、セオは何とか立ち上がる。
『私』はセオに続いて、地下室の外へと登ったのだった。
そこは、小さな森の中だった。
地下室の扉は、別荘のリビングにあったはずだったのに――否、この場所が森に変わったのだ。
周りの地面は所々焦げていて、木々の合間に焼けた家具の残骸や、折れた柱が転がっている。
そして、その全てが水浸しになっていた。
一度燃えて鎮火された後に、木が生えて森になったようだ。
不思議だけれど、そうとしか思えない。
事実、高い木の上にカーテンらしき布の一部が引っかかっていて、引き裂かれるように枝に纏わりついている。
地下室の扉周りだけが無事だった。
周囲のカーペットも、濡れてはいるが燃えずに残っている。
何かが、『私』たちを守ってくれたみたいだ。
木々に囲まれ、誘うように一本の道が森の外へと続いている。
その道の先は、藍色の靄がかかっていて、全く見えない。
私たちが呆気に取られていると、どこからか、一匹の鹿が現れる。
鹿は大きな角を器用に使って、今まで『私』たちがいた地下室の扉を閉めた。
扉の上で数回飛び跳ね、しっかりと閉まっていることを確かめると、鹿は森の中へと消えていく。
再び扉を見た時には、扉はすでに緑色の草に覆われ、辺りの景色と同化してしまったのだった。
「今のは……」
「お父様の魔法だ……この場所を森で囲んだのも、鹿を遣いに出したのも、お父様だよ」
「セオのお父様が?」
「うん……それに、火を消した跡がある。水の魔法は、お母様だ」
「私たちが地下にいる間に、火事があったのかな?」
「……そうかも。でも、魔法の力がまだ消えてないから、お父様もお母様も無事で、どこかにいるんだ」
「そっか。じゃあ、森の外、行ってみる?」
「うん」
セオは、地下室にいた時に比べて冷静になったようだ。
両親が無事だと思ったからだろう。
『私』は、セオと手を繋いで、唯一続いている道を歩き出したのだった。
湖畔の別荘、リビングに造られた地下室。
時計の長い針は、もう二周半してしまった。
頭上の扉を閉め切っているので、音も光も入ってこない。
揺れるランタンの小さな火だけが頼りだ。
「ねえ、セオ……」
「……やだ」
このやり取りも、もうしばらく続いている。
外に出ようと説得する『私』と、迎えが来るまで待つというセオの議論は平行線を辿っていた。
「だけど、もうすぐランタンの火も消えちゃうよ」
「でも、やだもん!」
「ちょっとだけ、ほそーく、開けてみようよ」
「……それでも、やだ。怖いよ……」
セオは口をへの字に曲げて、不安げに目に涙を溜めている。
怖い気持ちも、不安な気持ちもわかる。けれど、このままここにいても、状況も何も分からない。
それはセオにも分かっているはずだ。現に、迷うように目が泳いでいる。
『私』は、もうひと押しした。
「でも、ランタンが消えたら真っ暗になっちゃうよ。そしたら、もっと怖いよ」
「……」
「ね? セオ」
「……じゃあ、ちょっとだけ……」
「うんうん、偉いね、セオ」
『私』は、ほっとしてセオの頭をよしよしと撫でた。
セオは目に涙を溜めたまま、頬を染めて頷く。
「じゃあ、せーので、持ち上げるよ」
「……わかった」
「せーのっ」
二人で手を伸ばして地下室の扉を開こうと試みるが、子供の力では重すぎて、なかなか開かない。
「うーん、動けぇぇ……」
「ううー、重いよぉ……」
しばらく奮闘するも、やはりガタガタと揺れるだけで、扉は持ち上がらなかった。
「はぁ、はぁ……、も、もしかして……閉じ込められちゃった?」
「えっ……そんなあ……! おとうさまー! おかあさまー!」
「出してー!」
私とセオは声を張り上げるが、地下室の中で響くばかりで、何の返答もない。
「ううう……どうして……」
「なにか……、なにか方法はないかなぁ」
「うう……風の力がうまく使えれば、良かったのに……」
「風の力?」
「うん……僕が、魔法の練習サボったから……」
「でも、それが出来れば何とかなるかもしれないんだよね? やってみたら?」
「出来る自信、あんまりないよ……」
「大丈夫、セオなら出来るよ。頑張って!」
項垂れているセオに、出来るだけ明るく声をかける。
ぎゅっと手を握ると、セオは覚悟を決めたようで、おずおずと頷いてくれた。
「……やってみる」
セオは『私』の手を離し、祈るように胸の前で手を組むと、目を閉じて集中し始める。
しばらくすると、ぼんやりと白く輝く光が、セオを取り巻き始めた。
それはやがて風を纏い始める。
「綺麗……」
それは、美しい魔法だった。
白い光に照らされる、セオの真剣な表情。
目を閉じて祈りを捧げる様子は神々しくて、まるで絵画から出てきた天使のよう。
ふわりふわりと柔らかい髪が揺れ、優しいそよ風は白く澄んでいて、徐々にその輝きと強さを増していく。
そして風は一際強く輝き、扉に向かって一息に放たれたのだった。
扉が、大きな音を立てて跳ね上がる。
その勢いは蝶番を破壊して、扉は反対側の床にドシンと打ちつけられた。
セオの方を見ると、少し疲れてしまったのか、しゃがみ込んでいる。
「セオ、すごかった! とっても綺麗な魔法だった!」
「僕、上手に出来た……?」
私は興奮しながら話しかけるが、セオはまだ顔を上げられないようだった。
「うん! 頑張ってくれて、ありがとう! おかげでほら、空が見え……、って、空?」
『私』は頭上を指さした。薄雲のかかった青空が、遮るものなく見えている。
「も、も、もしかして天井も抜けちゃった!? おおお怒られるかなあ!?」
「えっ?」
セオはようやく顔を上げ、立ち上がる。
その顔は、みるみるうちに血の気を失っていった。
「ぼ、僕、外、出たくない」
「だ、大丈夫! 私も一緒に怒られてあげるから!」
「そうじゃないよ……」
セオは、またフラフラとしゃがみ込んでしまった。
「セオ……?」
「……でも、行かなくちゃ。急いで、厩舎に……約束したもんね」
「そうだったね」
真っ青な顔をしながら、セオは何とか立ち上がる。
『私』はセオに続いて、地下室の外へと登ったのだった。
そこは、小さな森の中だった。
地下室の扉は、別荘のリビングにあったはずだったのに――否、この場所が森に変わったのだ。
周りの地面は所々焦げていて、木々の合間に焼けた家具の残骸や、折れた柱が転がっている。
そして、その全てが水浸しになっていた。
一度燃えて鎮火された後に、木が生えて森になったようだ。
不思議だけれど、そうとしか思えない。
事実、高い木の上にカーテンらしき布の一部が引っかかっていて、引き裂かれるように枝に纏わりついている。
地下室の扉周りだけが無事だった。
周囲のカーペットも、濡れてはいるが燃えずに残っている。
何かが、『私』たちを守ってくれたみたいだ。
木々に囲まれ、誘うように一本の道が森の外へと続いている。
その道の先は、藍色の靄がかかっていて、全く見えない。
私たちが呆気に取られていると、どこからか、一匹の鹿が現れる。
鹿は大きな角を器用に使って、今まで『私』たちがいた地下室の扉を閉めた。
扉の上で数回飛び跳ね、しっかりと閉まっていることを確かめると、鹿は森の中へと消えていく。
再び扉を見た時には、扉はすでに緑色の草に覆われ、辺りの景色と同化してしまったのだった。
「今のは……」
「お父様の魔法だ……この場所を森で囲んだのも、鹿を遣いに出したのも、お父様だよ」
「セオのお父様が?」
「うん……それに、火を消した跡がある。水の魔法は、お母様だ」
「私たちが地下にいる間に、火事があったのかな?」
「……そうかも。でも、魔法の力がまだ消えてないから、お父様もお母様も無事で、どこかにいるんだ」
「そっか。じゃあ、森の外、行ってみる?」
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