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第五章 橙
第76話 『水晶の街』
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「人はぁ、自分のものさしで測れないものを、受け入れてくれないんだぁ。心当たりなぁい?」
ししまるは、首を傾けて私たちに問いかけた。
セオもフレッドも、暗く沈んだ表情をしている。
私自身、虹色の髪や色彩を判別できないこの眼によって差別を受けてきたが、それはししまるの言っていることとは少し異なっている気がする。私の受けてきた扱いは、ただのいじめだ。
メーアたち神子が、いざという時には頼られるのに、普段は怖がられる……?
どういう道理なのか、いまいちわからなかった。
「私にはよくわかりませんが……そういうものなんですか?」
「……聖王国内では皆が精霊に理解を持っておるし、精霊たちも多くの民に加護を与えておる。
じゃから、精霊や妖精は自然と受け入れられ、生活に根付き、一人ひとりが精霊に感謝を捧げて暮らしているんじゃ。
じゃが、力あるものへの恐怖や差別は根深い。
その最たるものがファブロ王国じゃ。ベルメール帝国でも、精霊の力は感謝というより畏怖の対象になっておる」
ここから先は大昔の話になるがの、と念押しをしてフレッドは語り始めた。
「数百年前、この大陸では大きな戦があった。一番大きな勢力は、精霊を愛し豊かな恵みに満ちた、この聖王国じゃった。
ある時、大陸の南端で帝国の初代皇帝が、大陸統一の野心を持った。初代皇帝は、聖王国の恵みを欲しがった。
……まあ、それは結局失敗して、大陸は聖王国と帝国の二つの国に分かれ、最終的には友誼を結んだんじゃがの。
帝国が大陸の南半分を制圧し終わったとき、帝国は聖王国を攻めあぐねていた。
精霊の力で国を守る聖王国に対抗するために、戦に精霊の力も活用しようと考えたんじゃ。
そもそも、精霊には人間の定めた国境など関係がない。じゃから、加護を持つ人間は帝国にもおった。
そうして帝国は国中から精霊の加護を持つ者を集めて、聖王国に対抗した。
戦が終わって数百年経つが、その頃の名残で、帝国には今でも精霊や魔法が根付いておる。じゃが、大多数にとってそれは豊かさではなく、力の象徴なんじゃ。
一方、使う者を選ぶ精霊の力を、どうしても受け入れられない者たちもいた。
その者たちは帝国北部の鍛治自治区に集まり、自らでも扱える武器防具を開発して自衛するという生活を始めたんじゃ。
それから戦が終わり、数十年の後、鍛治自治区は帝国から独立し、自ら王を立てて王国を名乗る。
まだ精霊たちへの恐怖が焼き付いているファブロ王国の国民たちは、精霊の加護を忌まわしいものとして捨て去った。
そうして精霊たちも王国から去ってしまったんじゃよ」
「――そんなことが……」
聖王国以外で精霊や妖精の姿が見られないこと、魔法の道具がほとんど流通していないことには、どうやら過去の戦にまつわる理由があったようだ。
だが私には、まだ納得のいかないことがある。
「けど、ファブロ王国で出回っている歴史書には、精霊のことなんて一言も書いてありませんでしたよ。
帝国から独立して、現在の王家が成ったと……それ以降の歴史は詳細に記されていますが、精霊のことは、子供向けの御伽話に描かれている程度です。
帝国の一地域だった時代の歴史も、ほとんど残っていません。
なぜ、そんなにも精霊を忌み嫌っているのに、王家の方は火の精霊の加護を持っているんでしょう? それに、何故それを隠しているんでしょう」
「ううむ……もしかしたら、民のために隠さざるを得なかったのかもしれんのう。
鍛治自治区に集まった民衆はみな、精霊を恐れ、嫌い、憎んでいた。
じゃから、民を率いる王たる者が精霊と繋がりを持っていることは、忌むべきことだったんじゃろうな。
なぜ火の精霊の神子が鍛治自治区の王となったのかは不明じゃが……ワシらも火の精霊が王国にいることは知らんかったし、長きにわたって徹底的に隠そうとしたことが伺えるのう」
車内の空気は、暗く重く沈んでしまった。
次の街に到着するまで、真っ白に揺れる雪のカーテンの中、馬車はただ静かに街道を走り続けていたのだった。
馬車で旅すること、十五日。
私たちは、ようやく聖王都に到着した。
道中でもう一度火事に遭遇したものの、メーアとししまる、聖王国や帝国の騎士たちの働きにより、すぐに火はおさまった。
そこら中に雪が積もっていた分、水の力を扱いやすく、最初の山火事よりも鎮火がスムーズだったらしい。
それでも、最初の火事で遅れた分と合わさって旅程がずれ込み、予定より一日遅れの日程で目的地に到着したのである。
聖王都は大きな街ではあるが、煉瓦造りの外壁にぐるりと囲まれ、西門と東門、南門の三ヶ所からしか出入りが出来ない。
私たちは検問のために再び変装をして、聖王都の東門を問題なく通過した。
検問を終えると、東門の大きな鉄格子がゆっくりと開いてゆく。
目の前に広がっていたのは、街というにはあまりにも幻想的な光景だった。
「わぁぁ……綺麗」
聖王都は、木の枝のドームに覆われた、輝く水晶の街であった。
道中セオから聞いた話によると、聖王都は、七つの区画に分かれているそうだ。
北部に「魔鉱石鉱山」、南部には「地の神殿」。
北西部に「大神殿」、北東部には「聖王城」。
南西部と南東部にはそれぞれ、「豊穣の祭壇」、「精霊の祭壇」と呼ばれる祭祀場。
そして、中央の区画には、天を衝く巨木――世界樹と呼ばれる御神木が聳えており、街を静かに見下ろしている。
世界樹は、雲をも突き抜けるほど大きな樹木だ。
だが不思議なことに、聖王都に入らないと、その姿を見ることは出来ない。
そして、世界樹は光を透し、影を作らない。
大きな樹の幹は複雑な紋様を描き、幾本もの枝葉を、力強く張り巡らせる。
その葉はどんな緑よりも透き通った緑色で、暖かな陽の光を余すことなく地上へと透す。
季節は冬だというのに、柔らかな緑の香りは爽やかな夏の風を想起させ、風そよぐ木の葉の音色はまるで優しい子守唄のよう。
確かなビジョンがそこにはあるのに、本当に存在しているのかどうかも、わからない。
花びらの洋服を身に纏う、透明な羽の生えた妖精たちが、たくさんその周りを舞っている。
だがその一方で、鳥や虫などの姿は、全く見えない。
まるで、そこに樹が存在することに気が付いていないかのように。
市街地の建物も、他の街とは一線を画していた。
目に映るほぼ全ての建物が、水晶のような透き通った素材で出来ている。
光を乱反射して、街中がキラキラと輝いて眩しい。
何か魔法がかかっているのか、厳密には水晶ではない別の素材なのかは不明だが、建物の中は色とりどりの光に覆われていて、外から中を覗き見ることは出来ない。
透明な素材の壁の奥で、白や灰色、黄色、薄青、薄緑――比較的控えめな光がぼんやりと輝き、時折色が変わったり、明るさが変わったりしている。
カラフルだが、華美な訳ではない。
優美で上品で、洗練された街並みである。
その彩りも計算され尽くしたような、美しき調和がそこにはあった。
「本当に綺麗な街ね……素敵」
「聖王都は、別名『水晶の街』って呼ばれてるんだ。けど、実際にはこういう建物があるのは聖王城の周りだけで、南門や西門の方から入るとまた違った印象を持つと思うよ」
窓の外を眺めてうっとりしている私を見て、セオはそう補足してくれる。
その声に振り向くと、セオの顔が予想外に近くにあって、どきりとしてしまう。
セオも少し身を乗り出して、窓の外を眺めていたようだ。
セオは変装用の眼鏡を外して、少し眩しそうに目を細めていたが、私と目が会うとにこりと微笑む。
至近距離で見るセオの笑顔は破壊力抜群で、私は慌てて窓の外に目を向けた。
車列はゆっくりゆっくり、北へと進んでいる。
「東門から北の方へ向かうと聖王城、南へ向かうと地の精霊の棲む神殿じゃ。アルとメーアは城に向かうじゃろうから、ワシらはここでこっそり離脱するぞい」
フレッドは曲がり角に差し掛かるところで御者に指示し、私たちはうまく車列から離れることに成功したのだった。
ししまるは、首を傾けて私たちに問いかけた。
セオもフレッドも、暗く沈んだ表情をしている。
私自身、虹色の髪や色彩を判別できないこの眼によって差別を受けてきたが、それはししまるの言っていることとは少し異なっている気がする。私の受けてきた扱いは、ただのいじめだ。
メーアたち神子が、いざという時には頼られるのに、普段は怖がられる……?
どういう道理なのか、いまいちわからなかった。
「私にはよくわかりませんが……そういうものなんですか?」
「……聖王国内では皆が精霊に理解を持っておるし、精霊たちも多くの民に加護を与えておる。
じゃから、精霊や妖精は自然と受け入れられ、生活に根付き、一人ひとりが精霊に感謝を捧げて暮らしているんじゃ。
じゃが、力あるものへの恐怖や差別は根深い。
その最たるものがファブロ王国じゃ。ベルメール帝国でも、精霊の力は感謝というより畏怖の対象になっておる」
ここから先は大昔の話になるがの、と念押しをしてフレッドは語り始めた。
「数百年前、この大陸では大きな戦があった。一番大きな勢力は、精霊を愛し豊かな恵みに満ちた、この聖王国じゃった。
ある時、大陸の南端で帝国の初代皇帝が、大陸統一の野心を持った。初代皇帝は、聖王国の恵みを欲しがった。
……まあ、それは結局失敗して、大陸は聖王国と帝国の二つの国に分かれ、最終的には友誼を結んだんじゃがの。
帝国が大陸の南半分を制圧し終わったとき、帝国は聖王国を攻めあぐねていた。
精霊の力で国を守る聖王国に対抗するために、戦に精霊の力も活用しようと考えたんじゃ。
そもそも、精霊には人間の定めた国境など関係がない。じゃから、加護を持つ人間は帝国にもおった。
そうして帝国は国中から精霊の加護を持つ者を集めて、聖王国に対抗した。
戦が終わって数百年経つが、その頃の名残で、帝国には今でも精霊や魔法が根付いておる。じゃが、大多数にとってそれは豊かさではなく、力の象徴なんじゃ。
一方、使う者を選ぶ精霊の力を、どうしても受け入れられない者たちもいた。
その者たちは帝国北部の鍛治自治区に集まり、自らでも扱える武器防具を開発して自衛するという生活を始めたんじゃ。
それから戦が終わり、数十年の後、鍛治自治区は帝国から独立し、自ら王を立てて王国を名乗る。
まだ精霊たちへの恐怖が焼き付いているファブロ王国の国民たちは、精霊の加護を忌まわしいものとして捨て去った。
そうして精霊たちも王国から去ってしまったんじゃよ」
「――そんなことが……」
聖王国以外で精霊や妖精の姿が見られないこと、魔法の道具がほとんど流通していないことには、どうやら過去の戦にまつわる理由があったようだ。
だが私には、まだ納得のいかないことがある。
「けど、ファブロ王国で出回っている歴史書には、精霊のことなんて一言も書いてありませんでしたよ。
帝国から独立して、現在の王家が成ったと……それ以降の歴史は詳細に記されていますが、精霊のことは、子供向けの御伽話に描かれている程度です。
帝国の一地域だった時代の歴史も、ほとんど残っていません。
なぜ、そんなにも精霊を忌み嫌っているのに、王家の方は火の精霊の加護を持っているんでしょう? それに、何故それを隠しているんでしょう」
「ううむ……もしかしたら、民のために隠さざるを得なかったのかもしれんのう。
鍛治自治区に集まった民衆はみな、精霊を恐れ、嫌い、憎んでいた。
じゃから、民を率いる王たる者が精霊と繋がりを持っていることは、忌むべきことだったんじゃろうな。
なぜ火の精霊の神子が鍛治自治区の王となったのかは不明じゃが……ワシらも火の精霊が王国にいることは知らんかったし、長きにわたって徹底的に隠そうとしたことが伺えるのう」
車内の空気は、暗く重く沈んでしまった。
次の街に到着するまで、真っ白に揺れる雪のカーテンの中、馬車はただ静かに街道を走り続けていたのだった。
馬車で旅すること、十五日。
私たちは、ようやく聖王都に到着した。
道中でもう一度火事に遭遇したものの、メーアとししまる、聖王国や帝国の騎士たちの働きにより、すぐに火はおさまった。
そこら中に雪が積もっていた分、水の力を扱いやすく、最初の山火事よりも鎮火がスムーズだったらしい。
それでも、最初の火事で遅れた分と合わさって旅程がずれ込み、予定より一日遅れの日程で目的地に到着したのである。
聖王都は大きな街ではあるが、煉瓦造りの外壁にぐるりと囲まれ、西門と東門、南門の三ヶ所からしか出入りが出来ない。
私たちは検問のために再び変装をして、聖王都の東門を問題なく通過した。
検問を終えると、東門の大きな鉄格子がゆっくりと開いてゆく。
目の前に広がっていたのは、街というにはあまりにも幻想的な光景だった。
「わぁぁ……綺麗」
聖王都は、木の枝のドームに覆われた、輝く水晶の街であった。
道中セオから聞いた話によると、聖王都は、七つの区画に分かれているそうだ。
北部に「魔鉱石鉱山」、南部には「地の神殿」。
北西部に「大神殿」、北東部には「聖王城」。
南西部と南東部にはそれぞれ、「豊穣の祭壇」、「精霊の祭壇」と呼ばれる祭祀場。
そして、中央の区画には、天を衝く巨木――世界樹と呼ばれる御神木が聳えており、街を静かに見下ろしている。
世界樹は、雲をも突き抜けるほど大きな樹木だ。
だが不思議なことに、聖王都に入らないと、その姿を見ることは出来ない。
そして、世界樹は光を透し、影を作らない。
大きな樹の幹は複雑な紋様を描き、幾本もの枝葉を、力強く張り巡らせる。
その葉はどんな緑よりも透き通った緑色で、暖かな陽の光を余すことなく地上へと透す。
季節は冬だというのに、柔らかな緑の香りは爽やかな夏の風を想起させ、風そよぐ木の葉の音色はまるで優しい子守唄のよう。
確かなビジョンがそこにはあるのに、本当に存在しているのかどうかも、わからない。
花びらの洋服を身に纏う、透明な羽の生えた妖精たちが、たくさんその周りを舞っている。
だがその一方で、鳥や虫などの姿は、全く見えない。
まるで、そこに樹が存在することに気が付いていないかのように。
市街地の建物も、他の街とは一線を画していた。
目に映るほぼ全ての建物が、水晶のような透き通った素材で出来ている。
光を乱反射して、街中がキラキラと輝いて眩しい。
何か魔法がかかっているのか、厳密には水晶ではない別の素材なのかは不明だが、建物の中は色とりどりの光に覆われていて、外から中を覗き見ることは出来ない。
透明な素材の壁の奥で、白や灰色、黄色、薄青、薄緑――比較的控えめな光がぼんやりと輝き、時折色が変わったり、明るさが変わったりしている。
カラフルだが、華美な訳ではない。
優美で上品で、洗練された街並みである。
その彩りも計算され尽くしたような、美しき調和がそこにはあった。
「本当に綺麗な街ね……素敵」
「聖王都は、別名『水晶の街』って呼ばれてるんだ。けど、実際にはこういう建物があるのは聖王城の周りだけで、南門や西門の方から入るとまた違った印象を持つと思うよ」
窓の外を眺めてうっとりしている私を見て、セオはそう補足してくれる。
その声に振り向くと、セオの顔が予想外に近くにあって、どきりとしてしまう。
セオも少し身を乗り出して、窓の外を眺めていたようだ。
セオは変装用の眼鏡を外して、少し眩しそうに目を細めていたが、私と目が会うとにこりと微笑む。
至近距離で見るセオの笑顔は破壊力抜群で、私は慌てて窓の外に目を向けた。
車列はゆっくりゆっくり、北へと進んでいる。
「東門から北の方へ向かうと聖王城、南へ向かうと地の精霊の棲む神殿じゃ。アルとメーアは城に向かうじゃろうから、ワシらはここでこっそり離脱するぞい」
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