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機動兵士 4
艦隊決戦 (前編)
しおりを挟む西暦3000年、四月七日。
日本国の大統領チャーリー・パイナップルは、日本国の月面基地に立て篭もる四条大五郎率いる反乱軍を討伐するために、艦隊を編成した。
第一艦隊提督、関口昭之。第二艦隊提督、高田順一。第三艦隊提督、岩原真太郎の姿が、旗艦「ボジョレーヌーボー」のスクリーンに三分割して表示されており、チャーリー・パイナップルと、私も加わって、作戦会議をしていたのであった。
「そろそろ、敵さんがお出ましですよ。大統領」
というと、高田は、こう付け加えた。
「戦力は五分の五分ですね。向こうは、死に物狂いで艦船や機動歩兵を集めたんでしょうね。それにしても、機動歩兵なのに宇宙で戦闘できるなんてちょっと矛盾するような気もしますが、まあ、そんなこともありますね」
「高田君。君はいつも一言余計なんだよ」
と岩原真太郎が目をパチパチさせながら突っ込む。
「そもそも私はね。月で、大五郎が反乱を起こすと、色んなところで警告していたんですよ。だから、月の基地を民間のものにするのではなく、政府で買ってしまえ、とまでね……。でも、誰も『あのタカ派の暴れん坊将軍が変なこと言ってらあ』って感じでねえ……とはいえ、この戦いに参加できることは誇りに思っておりますが……」
「岩原さん……あなたの考えは古いんです」
関口昭之が手振りを交えて反論する。
「西暦3000年。そもそもこの国を守る若者たちはいるのでしょうかって話ですよ。いい?」
「な、何だね、それは……というか、馴れ馴れしいな」
「関口を追ってきてくれている方々、諸君に言いたいんです。このままだと、日本はとんでもないことになりますよ」
「もう、なっているだろ。変なことを言うなあ。君は」
「ですから、私は言ってきたんです。「備えろ」とね」
「なるほど、それで、今回の艦隊戦は君が作戦計画を立てたんだね」
「はい。そうです。私は若い時から、こういう戦争が起こることをわかっていました。口にも出してきました。でも、誰も聞く耳を持たなかった。岩原さんだけでしたね」
「そう言う意味では、私は古くないじゃないか」
「いや、そこは古いんです。これからの戦争は、今までの戦争とは形式が全く違うのです。詳しくは、これから明らかになるでしょう」
前方では青々としたコヒーレント光が瞬いている。そろそろ、戦闘が始まるのだろう。こちらの三艦隊は、戦闘艦23隻と、戦闘歩兵103機、対するに月面基地反乱軍の戦力は、戦闘艦20隻、戦闘歩兵120であった。
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