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(昴成視点)
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「コーセー、朝帰りやぁーん。デートどうやったーん」
「酒くさっ! くっつくなやエリ!」
瀬奈の家から帰宅して早々に、イトコのエリに絡まれた。背中に抱きついてきて、暑いし酒臭いし重いしウザいしでムカつく。
「あー、お前今日休みか。ええなあ」
俺も休みやったらなあ。瀬奈と一日中いちゃつけたのになあ。
「ふふーん。それよりさあ、してきたん? ヤれたん? 脱童貞できたん?」
「せやから童貞ちゃう言うとるやんけ!」
「嘘くさー」
ケタケタと笑いながらエリは俺から離れた。俺は小さくため息をつく。ぺたぺたと裸足で廊下を歩いていくエリの後を追った。
「ほら」
「──あ、牛乳」
コンビニで買ってきた牛乳をその顔面に押し付ける。エリはにへらと笑って「ありがとう」と耳に髪をかけた。
「なんやかんやで、コーセー優しい……好き」
「おい、キモいこと言うなや」
それから少し迷って、口を開く。
「……なんかあったんか」
「なにが?」
「へこんでるやろ、お前」
エリは少し首を傾げて、それから大仰に肩をすくめる。そうして、とさりとリビングのソファに身体を投げた。エリを避けて、俺もソファに座る。
「──まあ、多少?」
「言うてみろや。一緒に働く仲やろ」
「それだけえ?」
「それだけや近づくなコラ」
ふーん、とエリは目を閉じて、ぽそぽそと話す。製造部長──田中のオッサン──に怒られたこと、自分の思う酒造りがなかなかできへんこと──
「言うてお前まだ三年目やんけ」
こいつが「杜氏になりたい」とか言うて急にこっちに来たときは、びっくりしたけれど。
「そう、そうなんやけど……」
そのままソファに身体を預けて、エリはすうすうと眠りに落ちる。
……言いたいこと言って寝落ちすんの、ガキん頃から変わらへんなあ。
俺は呆れながらエリの腹にその辺から持ってきたタオルをかけた。こいつすぐ腹壊すからな。
部屋に戻って、ベッドに横になった。あと30分もしたら俺は仕事やけども。
スマホのアルバムを開く。
「……こんなん見たら引かれるやろうなあ……」
アルバムの写真は、瀬奈の寝顔ばかり。
ほんまは色々、撮りたい。撮りたいけどなかなか言い出せんくて、気がついたらこっそり撮った寝顔でいっぱい。
「可愛かった……」
呟きながら、枕に顔を埋める。
ほんまに可愛かった。瀬奈。
(……せやけどやっぱり、がっついてしまうなあ)
吸い付くような瀬奈の肌を思い出す。指で触れて、舌で舐めて──食べてしまいたくなる瀬奈。
耳には瀬奈の喘ぎ声すら蘇って──
『やめ、っ、そこ……ダメっ、なとこ、だからっ』
頬どころか耳まで真っ赤にして恥じらって、でもナカはドロドロにとろけて俺に吸い付いて食らいついてきゅんきゅん締まって──ぐちゅぐちゅ音さして、ぴくぴく入り口まで痙攣させて、背中反らせて何度もイく瀬奈を思い出して、朝もシたのに普通に勃つ。
(あー……)
頭を抱える。
いや落ち着け俺。
そう思うのに──妄想は止まらない。
瀬奈のいちばん良いところ、いちばん奥の柔らかなところ、ゴツゴツ突いて抉って蕩したい。あの耳ざわりの最高に良い瀬奈の甘えた俺を呼ぶ声が聞きたい。
『やっ、ぁあっ、楢村くん、楢村くんっ』
瀬奈は少し乱暴にされるほうが感じてくれるから、瀬奈がイって「少し休みたい」言うてもガンガン攻めて──
イきすぎて、もう声も出んと身体びくびくさせるだけの瀬奈が見たい。
──つうか。
(言われんでも分かっとる──)
ダメなとこ、とか言われんでも。
瀬奈が気持ちいいとこ、どうされたら良いのか、全部全部記憶しとる──
(いやいやいや、他にも知らなあかんかったんやろ、俺!)
自分に呆れる。
瀬奈を前にすると、余裕なんかなくなる。好きで可愛くて愛おしくて切なくて、全部全部自分のものにしたくて──
……孕ませたくすら、なってしまう。
(それが前回の俺の失敗や!)
今は──
今は、少し、違う。
その感情に変わりはないけれど、手を繋いで出かけたいし──なにより瀬奈の笑顔が見たい。
笑ってはくれるけれど、なんかこう、違う。
心からの、思いっきり笑顔な瀬奈が見たいんよなあ……ってそれが見れへんくなったんも全部! 俺の! せい! なんやけど!
(まずはそれが第一目標やな……)
瀬奈に笑ってもらう。心から。
それから素直に「好き」って言わせたるぞマジで!
俺は「いま家ついた/ほんま楽しかった/ありがとう」てメッセージ送ろうとして、ふと気がつく。絵文字とかスタンプとか足したほうがええんかな……
がばりと起き上がって、大股でリビングへ向かう。幸いにもさんざんヤってきた甲斐あって、勃ってたんはすぐ落ち着いた。
グースカ寝てるエリの額をばちんと叩く。
「Aïe. Tu dois te moquer de moi」
「日本語で言え」
「ケツの穴から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わせたろうか、やっけ」
「また田中さんか?」
呆れた俺に、エリは額をさすりながら「で?」と首を傾げた。
「何の用?」
「女子受け的に、絵文字やらスタンプやらたくさんあったほうがいいん?」
「じょ」
エリが固まる。
「女子受け……!? コーセーが! 女子受け……!?」
「……なんや」
「いや、ほら、普段コーセーってそんなんちゃうやん……」
「そんなんって何や」
「いやぁ……」
「で、どうなんや」
俺の質問に、エリはにっこりと笑う。
「顔による」
「──は?」
「せやからさあ、イケメンがやればなんでも女子受けになんの。これが真実」
「クソみたいな世の中やな」
「そんなもんやって」
ひらひら手を振りながら、またソファに顔を埋めるエリを軽く睨んで(全然意に介されてなかった)部屋に戻る。
「……あいつに聞いたんが間違いやったな……」
はあ、とため息。
それからスマホと向き合う。スマホと、というか──この先にいる、瀬奈と。
「どう送るべきか……」
少しでも、瀬奈に気持ちを伝えたくて。
瀬奈に信じてもらいたくて──俺はたった三つの短いメッセージを送るのに、仕事ギリギリまでかかってしまったのだった。
「酒くさっ! くっつくなやエリ!」
瀬奈の家から帰宅して早々に、イトコのエリに絡まれた。背中に抱きついてきて、暑いし酒臭いし重いしウザいしでムカつく。
「あー、お前今日休みか。ええなあ」
俺も休みやったらなあ。瀬奈と一日中いちゃつけたのになあ。
「ふふーん。それよりさあ、してきたん? ヤれたん? 脱童貞できたん?」
「せやから童貞ちゃう言うとるやんけ!」
「嘘くさー」
ケタケタと笑いながらエリは俺から離れた。俺は小さくため息をつく。ぺたぺたと裸足で廊下を歩いていくエリの後を追った。
「ほら」
「──あ、牛乳」
コンビニで買ってきた牛乳をその顔面に押し付ける。エリはにへらと笑って「ありがとう」と耳に髪をかけた。
「なんやかんやで、コーセー優しい……好き」
「おい、キモいこと言うなや」
それから少し迷って、口を開く。
「……なんかあったんか」
「なにが?」
「へこんでるやろ、お前」
エリは少し首を傾げて、それから大仰に肩をすくめる。そうして、とさりとリビングのソファに身体を投げた。エリを避けて、俺もソファに座る。
「──まあ、多少?」
「言うてみろや。一緒に働く仲やろ」
「それだけえ?」
「それだけや近づくなコラ」
ふーん、とエリは目を閉じて、ぽそぽそと話す。製造部長──田中のオッサン──に怒られたこと、自分の思う酒造りがなかなかできへんこと──
「言うてお前まだ三年目やんけ」
こいつが「杜氏になりたい」とか言うて急にこっちに来たときは、びっくりしたけれど。
「そう、そうなんやけど……」
そのままソファに身体を預けて、エリはすうすうと眠りに落ちる。
……言いたいこと言って寝落ちすんの、ガキん頃から変わらへんなあ。
俺は呆れながらエリの腹にその辺から持ってきたタオルをかけた。こいつすぐ腹壊すからな。
部屋に戻って、ベッドに横になった。あと30分もしたら俺は仕事やけども。
スマホのアルバムを開く。
「……こんなん見たら引かれるやろうなあ……」
アルバムの写真は、瀬奈の寝顔ばかり。
ほんまは色々、撮りたい。撮りたいけどなかなか言い出せんくて、気がついたらこっそり撮った寝顔でいっぱい。
「可愛かった……」
呟きながら、枕に顔を埋める。
ほんまに可愛かった。瀬奈。
(……せやけどやっぱり、がっついてしまうなあ)
吸い付くような瀬奈の肌を思い出す。指で触れて、舌で舐めて──食べてしまいたくなる瀬奈。
耳には瀬奈の喘ぎ声すら蘇って──
『やめ、っ、そこ……ダメっ、なとこ、だからっ』
頬どころか耳まで真っ赤にして恥じらって、でもナカはドロドロにとろけて俺に吸い付いて食らいついてきゅんきゅん締まって──ぐちゅぐちゅ音さして、ぴくぴく入り口まで痙攣させて、背中反らせて何度もイく瀬奈を思い出して、朝もシたのに普通に勃つ。
(あー……)
頭を抱える。
いや落ち着け俺。
そう思うのに──妄想は止まらない。
瀬奈のいちばん良いところ、いちばん奥の柔らかなところ、ゴツゴツ突いて抉って蕩したい。あの耳ざわりの最高に良い瀬奈の甘えた俺を呼ぶ声が聞きたい。
『やっ、ぁあっ、楢村くん、楢村くんっ』
瀬奈は少し乱暴にされるほうが感じてくれるから、瀬奈がイって「少し休みたい」言うてもガンガン攻めて──
イきすぎて、もう声も出んと身体びくびくさせるだけの瀬奈が見たい。
──つうか。
(言われんでも分かっとる──)
ダメなとこ、とか言われんでも。
瀬奈が気持ちいいとこ、どうされたら良いのか、全部全部記憶しとる──
(いやいやいや、他にも知らなあかんかったんやろ、俺!)
自分に呆れる。
瀬奈を前にすると、余裕なんかなくなる。好きで可愛くて愛おしくて切なくて、全部全部自分のものにしたくて──
……孕ませたくすら、なってしまう。
(それが前回の俺の失敗や!)
今は──
今は、少し、違う。
その感情に変わりはないけれど、手を繋いで出かけたいし──なにより瀬奈の笑顔が見たい。
笑ってはくれるけれど、なんかこう、違う。
心からの、思いっきり笑顔な瀬奈が見たいんよなあ……ってそれが見れへんくなったんも全部! 俺の! せい! なんやけど!
(まずはそれが第一目標やな……)
瀬奈に笑ってもらう。心から。
それから素直に「好き」って言わせたるぞマジで!
俺は「いま家ついた/ほんま楽しかった/ありがとう」てメッセージ送ろうとして、ふと気がつく。絵文字とかスタンプとか足したほうがええんかな……
がばりと起き上がって、大股でリビングへ向かう。幸いにもさんざんヤってきた甲斐あって、勃ってたんはすぐ落ち着いた。
グースカ寝てるエリの額をばちんと叩く。
「Aïe. Tu dois te moquer de moi」
「日本語で言え」
「ケツの穴から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わせたろうか、やっけ」
「また田中さんか?」
呆れた俺に、エリは額をさすりながら「で?」と首を傾げた。
「何の用?」
「女子受け的に、絵文字やらスタンプやらたくさんあったほうがいいん?」
「じょ」
エリが固まる。
「女子受け……!? コーセーが! 女子受け……!?」
「……なんや」
「いや、ほら、普段コーセーってそんなんちゃうやん……」
「そんなんって何や」
「いやぁ……」
「で、どうなんや」
俺の質問に、エリはにっこりと笑う。
「顔による」
「──は?」
「せやからさあ、イケメンがやればなんでも女子受けになんの。これが真実」
「クソみたいな世の中やな」
「そんなもんやって」
ひらひら手を振りながら、またソファに顔を埋めるエリを軽く睨んで(全然意に介されてなかった)部屋に戻る。
「……あいつに聞いたんが間違いやったな……」
はあ、とため息。
それからスマホと向き合う。スマホと、というか──この先にいる、瀬奈と。
「どう送るべきか……」
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