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アデライト 逆行復讐編
※エピローグ おまけ。
しおりを挟む「ついたわ!!ここ!この森の奥!」
「めちゃくちゃ疲れたー!帰ろうよ」
「‥‥‥」
金髪で紫色の瞳のツインテール姿の可愛らしい小さな女の子は黒髪の少年と銀髪の少年二人を連れて、人参を持ちながら暗くて深い森の中へ入って歩いていた。
銀髪の少年は涙目になりながら、お菓子を食べていた。
「ルイーナ、なんで父様達に内緒で家出なの?こんな遠いとこまできてさ、怖いじゃん!?」
泣きべそをかいてる少年に女の子は舌打ちをしながら、人参を見せる。
「ジェイス兄さまがこの中では、1番上なのに、なんで泣くの?私の騎士様でしょ!?なんで剣はもたないで編み物セットなのよ??長男のジョン兄さまは凄くカッコいいのに」
「えー、僕はルイーナの騎士になりたくないよぉ。編み物はね、僕の心のオアシスだから。てか、なんで人参持ち歩くの?」
「ふっふっー!これはね、魔女が嫌いな物よ!私は人参大好きだから魔女より強いもん!」
「‥‥面倒くさい‥‥」
ポソッとそう無表情に呟く黒髪の少年に、ルイーナは黒髪の少年の頬っぺたをつねる。
「私たちだけで、生きてくって決めたじゃない!」
「「いや、決めてない」」
そう少年二人はキッパリと否定すると、ルイーナは涙目になり、スカートの裾をギュッと握りしめる。
「‥‥‥パパもママも‥‥弟が出来てさ、みんなもさ、私がいらなくなったのよ!だから家出なの!私達のおばさまが住んでるとこみたいだし!」
そう話すルイーナに、二人はため息を出してとりあえずルイーナについていく事にした。
ジェイスは黒髪少年にコッソリと話しかける。
「なあ、アレク。もうそろそろ父様達に居場所バレてるよね。僕達、ルイーナにバレないように、便りを送ったし」
「‥‥‥‥ジェイス兄さん、とりあえず器用に編み物をしながら歩くのやめて。ジェイコブ伯父様と同じ事してる‥‥」
「へへ」
「‥‥いや、褒めてない」
そうアレクは腰に木刀を付けて、周りに危険な動物などいないか、警戒しながら歩く。
「ひでぶっぷ!」
「「あ」」
少し目を離した時、ルイーナは盛大にこけた。調子に乗って走っていたからなのか、足に血が出て怪我をした。
「‥‥うっ‥‥あしが‥‥」
涙目になるルイーナの表情を見て、二人は慣れたかのように自分達の耳を塞いだ瞬間
「うああああん!痛いよお!ぐすっ。やっぱお城に帰るうう!!!」
そう大声で、泣きじゃくるルイーナを宥めようとお菓子をあげたりするジェイスに、面倒臭そうにルイーナをおんぶするアレク達の前に、茶色い髪の少年が籠を持って現れた。
「「「「‥‥‥‥」」」」
いや、誰だ?とお互い見つめる。
シンと静かになり、茶色い髪の少年は足を怪我しているルイーナを見て‥‥‥
興味なさそうに、素通りした。
「ちょちょちょ!まって!私足けがしたの!みて!死んじゃう!」
「は?だから?なら死になよ」
「ふぁー!!!?私凄く凄く偉いお姫様なんだよ!?」
「へえ、俺の方が世界一偉い」
「わ、私凄く可愛いってみんなに言われてるんだから!」
「俺より可愛くて美しい存在いるか」
「ががーん!ジェイス兄さま!アレク兄さま!このこ、凄くナルシストだわ!自己チュウよ!?」
「「いや、お前がいうなよ」」
茶色い髪の少年に言い負かされてる我儘姫に、アレクはクスッと笑いつつも、おんぶしているルイーナに声をかけた。
「ルイーナ、お前は黙ってれば可愛いから」
「ぐすっ‥‥アレク、褒めてくれてありがとう」
「ん。どういたしまして」
いや、それ褒めてないけどねえと、心のなかでそう呟くジェイスだった。
鼻水を垂らし泣いてるルイーナをジッと見つめた後、茶色い少年は三人を交互にみる。
「‥‥君、なんか俺の母親に似てる。とくにそこの我儘なツインテール」
「そうなの?あなたの名前なあに?私ルイーナ!」
「‥‥ライト」
「へー薬草に詳しいの?あ、俺アレク。こっちはジェイス」
「まあね。お前、騎士目指してんの?俺は剣よりコッチの方」
そう少年は自慢げに見せたのは鞭だった。
ジェイスだけは「なんで鞭!?」とつっこんでいた。
なんやかんや、何故か四人は意気投合し遊び、ワイワイと騒いで楽しんでいた時だ。
ガサッと幽霊のように突然一人の女性が現れる。半仮面を被り持っている籠の中身は何やら怪しげな食べ物と薬草だらけの姿は、まさしく童話にでてくるような魔女のようだった。
子供達は驚く。
「「ぎゃああああ!!?魔女ー!!!」」
と叫び、ルイーナとジェイスは気絶した。
アレクだけは、気絶した二人をサッと受け止める。
「あ、母上」
「‥‥‥‥ふふ。あらあら‥‥生意気な顔の面影をもつ子供達ね」
「母上の知り合い?」
ペコリと頭を下げるアレクに、女性は溜め息をだした。
「‥‥‥お転婆さんみたいね。親に似てるようね、あなた達は」
「はじめまして、アデライト伯母上」
「ふふ。お前はソフィアとは違い、礼儀正しいわね」
そう彼女は子供達を自分の家まで案内し、その後は‥‥子供達の親達が鬼のような顔をして子供達を叱っていた。それからとても騒がしく、森の動物達も五月蝿いと逃げていく。
そんな賑やかで少し騒がしい、ちょっとしたお茶会が開かれる。
人参で作られたお菓子が沢山並べられていた。
お転婆なホワイト国のお姫様と三人の少年達は、この先の将来、偉大な事を成し遂げる?かもしれないーー。
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