継母の心得 〜 番外編 〜

トール

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番外編 〜 ノア3〜4歳 〜

番外編 〜 妖精大戦争1 〜 ノアもうすぐ5歳

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『諸君、準備はいいかね……』
『アカ、じゅんび、できたー!』
『アオ、じゅんび、ばんたん!!』
『ではこれより、我々の縄張りに侵入しようとする命知らず共を駆逐する!!』
『『くちくー!』』
「ちょっと、何事ですの!?」

妖精たちが物騒な事を言いながら、戦に出陣するような物言いで騒いでいるのだけど、どうしたというのかしら??

『ベル、ちょうどいい所に来たね! ボクらはこれから、縄張りに侵入した豚共を駆逐しにいくから、子供たちをよろしくね!』

正妖精、あなた確実に巨人が出てくる絵本に影響を受けていますわね!?

『アス、アカのコンビ! ぜったい、わたさない!』
『ノア、アオのバディ!! ぜったい、わたさない!!』

アカとアオも興奮して目の前をビュンビュン飛んでいる。

30センチのお化けキノコが周りを速いスピードで飛んでいると危ないですわ。少し落ち着きなさい。


「侵入者って……、まさか暗殺者とかそうい人が領地に!?」
『違うよ! 侵入者は、“妖精王たち”さ!!』
『ほむらのよーせーおー、アスねらってる!』
『みず、かぜ、よーせーおー、ノアねらってる!!』

妖精王!? しかも子供たちが狙われていますの!?

「すぐテオ様に……っ」

テオ様に知らせないと、と言おうとしたのに、話を遮ぎられた。

『っ……ベル! あいつら、ボクの結界を無理矢理破って入って来た!! 今すぐテオの所へにげ……っ』

正妖精が突然声を上げ、わたくしをテオ様の所へ逃がそうとした時だ。

『よぉ、光のぉ……』

ゴォォッと、炎を纏わせた風が起こり、わたくしたちの前に少年が現れたのだ。

「誰!?」
『よくもオレたちを締め出してくれたなぁ』

体は宙に浮き、足裏には炎を纏っていた。
人外であることはひと目で分かる。もしかして、さっきアカが言っていた焔の妖精王かしら?

少年は正妖精に向かって、見下しているのか、尊大な態度を取る。

『……まさかお前たちが手を組むとはね……。隠れてないで姿を現しなよ』

正妖精は焔の妖精王らしき者の背後を見て呟いた。

『フフッ、あんたが結界なんて張って、私たちを締め出すからよ』
『独り占めはよくない』

風で服や髪がふわふわと揺れている少女と、水で出来た龍のようなものを身体に巻き付けた、中性的な少年? が、宙に突然現れたように見えたが、正妖精の物言いだと、最初から焔の妖精の背後に自らの能力で隠れていたらしい。

『ここはボクらの縄張りだ。侵入者を排除するのは当然だと思うけど』
『何言ってんの? 私はノアが生まれた時から、ずーっと狙ってたんだから!』

少女姿の妖精が声を上げると、途端に風が強くなる。多分この子が風の妖精王だろう。

『私も、ノアを狙ってた』

水龍を身体に巻きつけている妖精は、この流れから、どう考えても水の妖精王だ。
一番落ち着いているように見えるけど、ノアを狙っていたとはっきり言ったではないか!

『オレはイーニアスが5歳の儀式を受けたら、絶対に契約しようと前から狙ってたんだ!! 光の! お前が結界さえ張ってなけりゃ、今頃イーニアスのそばで美味いもん食ってたのはオレだったのに!』

ちょっと、この妖精たちもしかして、ノアやイーニアス殿下と契約したかったって事!?

『アス、アカのコンビ! ほむらの、よーせーおー、かえれ!』
『ノア、アオのバディ!! ぜったい、わたさない!!』

かえれ、かえれと叫ぶお化けキノコを初めて応援したくなった。

『中妖精のくせに生意気な口をききやがって……!!』
『青いキノコごときが、妖精王に逆らうの?』
『キノコより、妖精王と契約した方がよっぽど良い』

妖精たちの戦いの火蓋が今、切られたのだ。

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