本当は貴方に興味なかったので断罪は謹んでお断り致します。

B介

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ネフェリア、学園編

1時間経っていませんが?

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「ネフェリア…。」

サリファンの優しい声に呼ばれて、恥ずかしく逸らした顔を見上げると、思いの外近くにあった、整った顔。

そう思った瞬間、唇に触れる柔らかい感触。


僕はゆっくりと瞼を閉じた。

サリファンの奥に、こんなにも熱が隠れているとは思わなかった程、彼の唇は熱かった。







「えー………ゴホンッ」



ビクッ!!


急な咳払いに振り向くと、木に寄りかかり、此方を目を細めて見ているキリウスの姿があった。


「き、キリウス!?」


えっ!?いつからいたの!?

や、ばばばばっ!!見られた!?


「おやおや。婚約者様、浮気はいけませんね?」


ふざけた口調だが、目は全然笑っていないキリウスに、ネフェリアは青ざめる。


浮気…?


にゃー!!確かに浮気だ!!

婚約者候補がいるのに!!!


頭を抱えて悶えるネフェリアの背中を優しく撫でるサリファンはキリウスと向き合う。


「婚約者候補と婚約者は違いますよ?キリウス様。…それと、本当に悩みますから、揶揄うのは辞めてあげて下さい。貴方でしょ?僕に時間をくれたのは…まだ1時間経っていないと思いますが。」


へ?キリウスが許したの??


キョトンと、キリウスの顔を見ると、少し不機嫌に眉を寄せている。


「…それでも、嫉妬はする。それに、キスまでは了承していない。…時間は我慢出来なかった。すまん。」


「素直に謝られると気持ち悪いですね。…それに、あんな可愛い事言われて、キスで我慢したんです。しかも、舌も入れていませんよ。そこを褒めて頂きたい。…貴方なら、我慢しましたか?」


いつもの淡々とした、サリファンの話し方、表情に戻ってしまい、先程のが夢だった様に感じる。


「いや、押し倒していたな。…キスは、俺が止めなきゃ絶対、舌入れてただろ!?」


「…先の未来などわかりません。その前に止められたのですから。」


ツンと、赤い瞳を細めるサリファンに、ムッと眉間の皺を深くするキリウス。


2人のやり取りを真っ赤になりながら、聞く、ネフェリアは一つ疑問に感じた。


「えっ!?キリウス、いつからいたの?」


サリファンとキリウスは一度ネフェリアを見てから、また、視線を2人で交わす。

少し言いにくそうに、キリウスは頬を掻いて、ネフェリアにまた視線を向けた。


「…お前が泣き叫んでる辺り。」


「!!」


最初からじゃないかー!!!


ネフェリアは顔をよりトマトの様にして、フルフルと震えた。


「酷い人なんですよ。僕に時間くれると言ったくせに、すぐ現れて。まぁ、邪魔はしないでくれましたが、あのネフェリアの可愛い姿は僕だけのものになる筈だったのに。」


サリファン、気づいてたの!?


「お前がネフェリア見つけるの遅いからだろ?…お前が必死に探してる声がしたから、俺も気になって来てしまっただけだ。それに、ネフェリアはお前だけを特別だと言っていなかったからな?だから、あの可愛いのは俺のでもある。」


言い合う2人を他所に、プルプル震える限界のネフェリア。


「もー!!みんな、ヤダ!!」


恥ずかしさのあまり、叫んで走り去ろうとした瞬間、ガシッと力強い手に捕まってしまった。



「おーっと!そんな、観劇のヒロインのお決まりの様に走り去れると思うか?」


へ?


確かにここは普通なら走り去って、2人が僕の名前を呼ぶのが、ストーリー的にお決まりでは?

ってか、恥ずかしいんだよ!察して!去らせて!!


掴むキリウスをキッと睨むと、笑顔だが、恐ろしいオーラを放つキリウスに、ヒッ!!と小さく声が出てしまった。



「いくら、お前の気持ち待ちだとして、正式で無いにせよ、俺は婚約者候補で、お前に惚れている。…そんな俺が他の奴にキスしたお前をこのまま逃すと思うか?…え?ネフェリア。」


ヒィィ!!

「お、思いません…。」



ニッと歯を見せて笑うキリウス。


「さあ…お仕置きの時間だ。」
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