幽霊祓い

akade

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第1章 日本旋廻 恐山決戦 前編

第66話 秘策

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雲術・奥義・辺辺不按転。千駄ヶ谷トンネルを模したトンネル内に使用者と対象を移動させ、辺辺不がかつて使った、トンネル内での2分間に1回の無痛の斬撃を30秒に1回へと改良し、対象に与え、10分に1回5回分の痛みを与えるのを、2分30秒に1回、5回分の痛みを与えれるようにした術。しかし、この奥義にはデメリットが存在する。それは使用者も効果を受け、対象と使用者は両者共にトンネル内からの脱出は不可、両者共にトンネル内での術は使用不可というものだ。これでは、肉弾戦を繰り広げながら、どちらが先に死ぬかという耐久戦となってしまう。しかし、異能・白居  草子はそのデメリットを自分だけ解決する秘策を用意していた。

トンネル内へ移動の0.1秒前・・・

空間術・応了士斑くうかんじゅつ  おうりょうしふ

そして、現在・・・

「なぜッ、お前だけ無傷で術まで使えてるんだッ!?私はこんなにもボロボロになっているのにッ!!」

「それはこの領域が俺の事を味方と判断し、お前の事を敵と認知しているからだ。俺が領域に入る前に使った応了士斑。あれはこの領域のためだけの術だ。効果は使用者へのデメリットの解除。つまり、俺はこの領域内で好きなようにできる」

「なるほど、私は何も出来ず、お前に術をくらい、領域の効果ダメージを受け死ぬというわけか・・・」

「そういうことだ。理解したか?」

「理解したさ。ただ、一つだけ言い残しておいてやろうか?」

「何だ?」

「お前は長くは生きない。恐山ここで死ぬことになるだろうな・・・」

「そうか。すまないが幽霊の戯れ言に付き合っている暇はないんだ。とっと、祓われろ、空間術・諾流素くかんじゅつ  うるす!!」

トンネル内で巻積を祓い、トンネル内から出た。さて、俺も頂上を目指そうか・・・。俺は走り出した。
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