幽霊祓い

第1章 日本旋廻 虹の大橋編

第34話 地獄行き

「ははッ、さっき殺した奴はその術を自分の五感ひとつ失うという条件で使用していたぞ？そんな術を自ら使うとは、全く、人間というのは愚かだなぁ」

「条件？そりゃ、つくはずだよ。笹蜘蛛君かれは自分の体内で生成できる霊気量を圧倒的に上回る術を使っていたんだから。祓い師になって１ヶ月で蜘蛛術これを使うなんて、すごいよ、笹蜘蛛君は・・・」

「ん？ということはお前は、今、五感の何も失わずに蜘蛛術これを使えてるってことかッ!?は、ははは・・・。アハハハハッ、そんなことで俺を止めたつもりか、体の動きは止められようと、掌印を組むことはできる。俺を倒したつもりか？愚かな。死ぬはお前だッ!!水流爆流波すいりゅうばくりゅうは!!」

「だから、何？そんな技で俺を倒せるとでも思っているの？それは愚かな考えだよ、阿蛇陀羅。見せてあげるよ、死神術の真の力を。死神術・奥義・死王最朽喪霊しにがみじゅつ  おうぎ  しおうさいきゅうそうれいッ!!」

死神術・奥義・死王最朽喪霊。相手に必ず無数の斬撃が当たるというもの。バリアを張っていようが、関係なく当たる。

「ぬぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「阿蛇陀羅、お前の負けだ。大人しく、地獄で笹蜘蛛君を殺した罪を償え」

阿蛇陀羅はパラパラと消えていった。俺は笹蜘蛛君の遺体を抱えて、GEA本部に帰っていった。

8月20日  虹の大橋にて祓い師1名が死亡。凪澤の改造霊、コジャク、ドモルバ、ペウォヘゴ及び主霊・阿蛇陀羅は無事に祓われた。それと同時に、祓い師・白井文也が覚醒。死亡した祓い師・笹蜘蛛‪佑也の蜘蛛術を受け継ぎ、祓い師では珍しい他者からの術を吸収して2つの奥義を扱う者となった。