幽霊祓い

akade

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第1章 日本旋廻 虹の大橋編

第33話 忘れない・・・

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「●●先輩、諦めないでくださいよ・・・。僕たちの仇を打ってくれるんじゃないんですか?」

「塩田・・・。今の俺は阿蛇陀羅アイツに勝つことができない。お前だって分かってるだろ?俺は負けたんだ。俺は弱い。だから、後輩おまえたちを救うことすらできなかった」

「皆待ってるんですよ。皆、●●先輩が僕たちの仇をとってくれるのを待ってますから。こんなところで負けないでください。白井先輩!!あなたのせいで皆が死んだんじゃない。鬼魅宮猛子が僕たちを殺したんですよ。だから、どうか、自分を責めないで。あなたは死神なんかじゃない、あなたは白井  文也しろい  ふみやだ!!」

塩田にそう言われて、やっと目が覚めた。そうだ、俺は白井  文也だ。死神なんかじゃない。皆、ごめん。そして、ありがとう、俺を導いてくれて。俺が皆の仇を必ず打つよ。俺は立ち上がり、笹蜘蛛君の遺体があるの方へ行き、遺体に鎌を刺した。

「あれ?生きてたのか。てか、お前、仲間の死体に自分の鎌を刺すとか、サイコパスなのか?」

阿蛇陀羅よ、そう思うだろ?でも、それは違う。受け継いでいるんだよ、笹蜘蛛君の蜘蛛術を。俺の使うこの死神鎌と呼ばれる武器には特殊な機能がある。それは対象に鎌で攻撃した時、対象が術使いであった場合、その対象者が使う術を使えるというものだ。それは死んだ者の遺体でも効果を発動することができる。その死体に少量でも霊気が残っていれば、死んだ者の術も使うことができる。

「さぁ、阿蛇陀羅よ。一気に終わりにしようぜ。蜘蛛術・奥義・眼体固紗の蜘蛛糸くもじゅつ  おうぎ  がんていこしゃのくもいとッ!!」

この時、阿蛇陀羅は油断していた。覚醒した白井が、眼体固紗の蜘蛛糸をで使用できるとは想像もしていなかったからだ。
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