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七章 鞆の浦幕府の誕生

油売り < 乾物屋

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 九州における斯波 元氏しば もとうじの活躍を聞くと、今度は一つの疑問が浮かび上がる。

 それは、日向ひゅうが国南部を治める総州畠山そうしゅうはたけやま家はこれまで何をしていたかだ。

 総州畠山家の領地はまだ小さいものの、そこには穀倉地帯と国際港という他の領主が羨む金の成る木がある。それを背景にすれば、多くの兵が動員できるのは間違いない。

 また、斯波 元氏の報告書を読んだ限り、南肥後の戦いは激戦とは程遠いものだった。それならば薩摩さつま斯波家から兵を借り、同時侵攻する形で日向伊東ひゅうがいとう家を追い詰める行動も起こせたのではないだろうか?

 思えば、当主の畠山 晴満はたけやま はるみつを日向国南部の領主に任命した際、後見人である畠山 在氏はたけやま ありうじは「これで尾州畠山びしゅうはけたやま家に対抗する力が手に入った」と喜んでいた。その喜びようを見れば、当家が日向伊東家と結んだ三年の停戦期間が終わった途端に即開戦となるのが本来であろう。もしくは「総州畠山家は日向伊東家とは盟約を結んでいない」と開き直り、戦端を開くのも可能であった。

 だが現実には、総州畠山家が戦を始めたという報告は入っていない。聞こえてくるのは、国際港の油津あぶらつがより活気付いたという程度だ。以前よりも倭寇の船が寄港するようになっているのがその理由となる。

 これには少し事情があった。

 端的に言えば、薩摩国や大隅おおすみ国の港では、倭寇との取引を水や食料等の必要物資の販売と密貿易に限定しているためである。そのしわ寄せと言うべきか、おこぼれが油津港に集中しているに過ぎない。

 南九州の倭寇は海賊行為が主となる。そうした連中が薩摩や大隅から弾き出されたなら、向かう場所は一つという話だ。何より略奪品を売り捌くにも、人員を補充するためにも寄港する必要がある。

 こうした話を聞くと、総州畠山家は悪事を働く倭寇への協力者のようにも見える。特に荷揚げされた略奪品が堺や京の商家へと転売されているとなれば、当家から見れば背信行為に近い行為だ。総州畠山家が当家に対して反旗を翻したと受け取る者も出るだろう。

 しかしながら俺はこの総州畠山家の行いを問題視するつもりはないし、家臣達にもそう話している。理由は複雑なものではない。単に現状を移行期間として捉えているからだ。

 薩摩斯波家による政によって薩摩・大隅の二国は劇的に変貌している。それはもう人手不足過ぎて、倭寇へ堅気に戻らないかと誘う程だ。俺と同じく借金をしてまで立ち上げた数々の新規事業によって、両国の民の大多数は海賊行為に加担しなくとも仕事にも食にも困っていない水準まで生活が改善した。これなら倭寇が両国で人員募集をした所で、「応募する者は誰もいない」となる。

 倭寇もこれでは商売あがったりだ。そうなれば、海賊行為から足を洗わなければ生きてはいけない。

 ただ悲しいかな、人というのはそう簡単に切り替えができない生き物である。

 例えばパチンコで一度大勝ちを経験してしまえば、その後にどれ程負けようと簡単に止められないものだ。倭寇の略奪行為もそれに似た所があり、一度あぶく銭を手にしてしまえば、その後どんなに襲撃に失敗しても過去の成功体験に引きずられてしまう。

 元より犯罪行為というのは、簡単に何度も成功するものではない。安定的に利益を出して事業化できるのは稀だ。

 だからこそ、略奪行為など割に合わないと悟るまでには時が必要という判断をした。昔と違い今では、海賊行為をしなくとも食っていける。どちらが賢い選択かとすぐに結論を出せる程、人は器用ではないという話に過ぎない。

 つまり現状の油津は必要悪のようなものだ。行き場を無くした者達の受け皿の役割となる。

 とは言えこの状態はあくまで期間限定となるであろう。 

 何故なら薩摩・大隅程ではないにしろ、穀倉地帯である都城盆地みやこのじょうぼんちの開発が畠山 晴満主導で進んでおり、近い将来には日向国南部も生まれ変わるからである。

 加えてこの地域で取れる飫肥おび杉は、造船用の木材としてとても優秀だ。しっかりと販路を確保すれば、安定した収益を得られる未来が待っている。

 このように短期的にも中長期的にも黒字経営が約束されたからか、総州畠山家の後見人 畠山 在氏は日向国の統一を差し置いて別の活動に勤しんでいた。

 それは京での人脈作りとなる。

 ただ状況は芳しくないらしく、思うような成果は出なかったようだ。ご愁傷様としか言うしかない。

 しかしながら、何故その報告を俺の前でするのか? それだけではない。成果の出ない京での工作に見切りを付け、新たな行動を起こすという名目で、

「細川殿、名を石橋いしばしに変える気は無いか?」

 このような提案が飛び出したものだから、俺には畠山 在氏が何をしたいのかさえ分からなくなっていた。

「突然撫養むや城に訪ねてきたと思ったら、唐突過ぎるだろうに。畠山殿、まずは経緯を話してくれ」

「どうやら気が急いていたようだ。確かにいきなり言われても、細川殿に理解できぬのは当然ではあるな」

 ここからは現在の京の話が始まる。

 畠山 在氏が言うには、京はこの一年で大きく変貌したそうだ。

 切っ掛けは元三好宗家みよしそうけ嫡男 三好 慶興みよし よしおき尾州びしゅう畠山家への養子入りとなる。これにより京が三好宗家・尾州畠山派閥一色に染まってしまった。

 これまで京を支配していた三好宗家の力に三管領家という権威が加われば、ここまで影響が出るのかと驚きすら感じる。

 これでは畠山 在氏が食い込む隙は無い。むしろ逆に長年晴元派として行動していたのが仇となり、京に在住する武家達からは総スカンを喰らっているのだとか。元々が京在住の武家は反三好であったというのに、見事な掌返しである。

 公家の世界も同様だ。九条くじょう派の領袖九条 稙通くじょう たねみちの孫が三好宗家の嫡男になっている事実がある。これに加えて尾州畠山家が摂関家の一つである二条にじょう家と提携した途端、雪崩を打って三好・尾州畠山派閥に所属するようになった。三好 慶興みよし よしおき改め畠山 慶興の周辺には、昵懇公家衆とも呼べる者達が付き従うようになっている。

 堺を筆頭とする畿内の商家は言わずもがな。三好宗家と日蓮宗との繋がりは深い。そうなれば日蓮宗信徒の多い畿内の商家は尾州畠山家とも懇意となり、協力体制を築き上げているのは明白である。

 それでも、

相国寺しょうこくじを筆頭とした五山だけは好意的なのか。それで五山との連携をより強めるため、俺に石橋家の養子に入って欲しいと」

「そうなる。今や尾州畠山家は三好宗家と一体だ。これでは日向国南部しか持たぬ当家では太刀打ちはできぬ。例え日向国一国を手にした所で手は届きすらしまい。対抗するにはより大きな力が必要と言えよう」

 京における最後の砦とも言える禅宗関係者だけは、三好・尾州畠山派閥に染まらないでいたという話であった。

「ちょっと待ってくれ、畠山殿。五山の僧も元を辿れば、実家が畿内の武家や公家ばかりじゃないのか? どう考えても味方にはなってくれないと思うぞ?」

「細川殿、それは短絡的な考えだ。見落としておらぬか? 寺が完全に武家や公家の言いなりになってしまえば、寺そのものが存続ができぬというのを。発想を逆にすべきだ」

「……つまり寺が武家や公家を受け入れるのは、自分達の利益のためにしていると言いたいのか?」

「まさに。中には寺を意のままにしようと、有力な武家や公家が子弟を送り込んでくる場合もあろう。だが実家の力だけで地位を得られる例はほぼ皆無だ。仮にその者が地位を得られたとしても、それは本人の努力による。これを忘れるでない」

「そうなると、寄付や寄進を目的に武家や公家を受け入れたとしても、寺には寺の価値観があるために情勢には左右されないという話か」

「口利きなり、融通を利かすというのはあるがな。だが基本的に寺は自身の利益のために動く」

 人が生きるには食べなければならない。それは僧も同じだ。結果、寺と言えども、在籍する僧全員を食わしていくには利益が必要になるという当たり前の話であった。

 勿論、出家する前の実家の格はある程度関係はある。しかしながら、どれ程実家が由緒正しい家であっても、何もかもが思い通りになる訳ではない。度が過ぎた行いをして寺に不利益を齎すようなら、その者は寺の中で力を失う。

 また利益が必要だからこそ、信者を大きく失望させてはならない。僧だからと特権階級であるかのような行動をすれば、人々は簡単に他の宗派へと鞍替えをしてしまう。

 結局の所、真面目に修行をする僧だけが上に上がれるという実力主義的な世界が寺の実情であった。

 これは企業の経営と大差無い。親の七光りで入社しただけのコネ社員が経営陣に加われば、途端にその企業は傾いてしまうのと同じだ。

 勿論、政治的な配慮として、時には箸にも棒にも掛からない名家の子弟を受け入れざるを得ない場合もあるだろう。だがそういった場合は、肩書だけの名誉職を与えて飼い殺しにすれば良いだけだ。現代での天下り役人の受け入れと似たようなものである。

 要するに寺は、個人の意思よりも組織の理論の方が上回る。畠山 在氏殿はそこに目を付けていた。

 なら今度は何故石橋家に目を付けるかと言えば、かつて五山から御連枝と同じ扱いを受けていたという実績を高く評価したのだろう。加えて当家との繋がりによって、五山からの評価がうなぎ登りとなっている。五山を抱き込むにはまたとない存在だと言いたいのが分かった。

「待ってくれ。そもそも石橋様は……ああ、そうか。公方様は近江おうみ国に逃れ、京は三好・尾州畠山派閥が幅を利かせている。これでは政の場に割って入る余地が無いのか」

「うむ。目的であった幕府内での復権は事実上できなくなっておる。お陰で現状は五山の僧と茶を嗜む日々だと言っておったぞ。それよりも石橋様は今、足利 義栄あしかが よしひで殿に注目しておってな。自身を活かせるのは、足利 義栄殿の近くではないかと。細川殿を養子とすれば、石橋様は足利 義栄殿の祖父となる。要するに石橋様も、細川殿を養子とするのは賛成しておると考えて良い」

「それで義栄と五山を繋ぐ存在になって、重鎮としての立ち位置を確保しようと考えているのか。食えないお方だ」

 同じ足利 義栄に近付くにしても、コネを持って近付いた方が高く自分自身を買ってくれると言わんばかりだ。それでいて本人には政治的な野心は無く、ただチヤホヤされたいだけだというのだから苦笑するしかない。

 こうした考えになるのは石橋 忠義いしばし ただよし様の年齢によるものだろう。既に六〇歳近い高齢の身であり、跡継ぎもいない。加えて領地が尾張おわり国の戸田荘のみとなれば、家を守ろうと執着するなど馬鹿馬鹿しいと言わんばかりだ。最期に一花咲かせればそれで満足なのだと思われる。

「石橋様の件は分かった。なら、畠山殿はどうするつもりだ? 今日は何の目的でここに訪ねてきた?」

「儂か。事ここに至っては、足利 義栄殿を推戴して上洛する以外に尾州畠山を討伐する術は無いと考えておる。より大きな力を結集するためにな。その一つとして細川殿を巻き込みにきた」

「正直に言うな。ただ悪い気はしない。俺にも三好打倒という目標があるからな。問題があるとすれば……」

「分かっておる。まだ細川 晴元が健在であるからな。軍勢を率いて上洛すれば、三好宗家に利用されるのがオチであろう。当家も恐らく三好宗家の仲介によって、憎き尾州畠山と和睦させられる。ただ、これに付いては別の策があるとは思わぬか?」

「……続きを話してくれ」

足利 義藤あしかが よしふじ様改め、足利 義輝あしかが よしてる様と三好宗家を和睦させるのだ。さすれば我等が足利 義栄殿を推戴すれば、公方の座を賭けた別の争いとなる」

「そんな都合良くはいかないと思うぞ。幕府は近衛このえ家の傀儡だからな。今更九条派と和睦するとは思えない。それとは別に畠山殿の策では、細川 氏綱様に迷惑を掛けてしまう。細川 晴元がこちらの陣営に擦り寄ってくるからな。今度は俺達が晴元派になってしまう」

「待て待て。細川殿はもうすぐ名が石橋となるのだぞ。最早細川内の争いに拘る必要は無いであろう」

「悪いな。俺は細川の名を捨てるつもりはない。俺を引き上げてくれた細川 益氏ほそかわ ますうじ様への恩があるからな。京兆けいちょうの家督なら喜んで貰った」

「……考えを変える気は無いか?」

「無い。諸侯が乱立していた土佐が俺の統治をあっさりと受け入れてくれているのは、細川の名があるからだ。今いる阿波にしてもそう。安芸のままならこうは上手く行かなかった自覚がある」

 分かり易いのは土佐一条いちじょう家の本拠地であった幡多はた郡となる。この地は土佐の中では最も発展していた。それを俺は一度は焼け野原としたのだ。例えその後の再生があったとしても、幡多郡に住まう民にとっては単なる暴君にしか見えないだろう。下手をすれば、不満分子が武装蜂起をして内戦に突入していた可能性すらあった。

 しかし実際には、幡多郡の民は俺という暴君を受け入れてくれている。次いつ焼かれるか分からない、もしくは圧政を行われるか分からないという不安を心の奥に押し込めてだ。

 こうした表面上は穏やかさが訪れているのも、細川という権威があったからだと考えている。この時代の民は武家を軽視する傾向があると言え、それでも三管領家の分家ともなれば、有象無象の武家とは違うという意識が働いたのではないかというのが俺の中での結論だ。

 勿論、民の生活には十分に気を遣っている。ただ「人はパンのみにて生くるものにあらず」の言葉通り、食えるだけでは民は従わないのが実情だ。

 それを理解しているからこそ、俺は細川の名を捨てる訳にはいかない。俺が細川の名を捨てれば、土佐の地が荒れてしまうと考えている。

 何となく言った京兆の家督に付いては、これなら細川 益氏も喜ぶのではないかという軽い気持ちから出た言葉となる。遠州細川家は細川一門の中ではかなりの傍流だ。守護代としての実績はあるものの、守護そのものには一度として就任していない家である。そんな家の者が本家家督を継いだなら、それだけで前代未聞と言えよう。

 しかしながら細川京兆家の家督は、細川 晴元の嫡男が継ぐと既に決まっている。それを知っているからこそ出た余興のようなものであった。

「……決意は固いか。仕方ない。此度は諦めよう。だが、細川殿の嫡子を石橋家の養子入りさせるのならば構わぬであろう。これならば問題あるまい」

「いや、十分問題だと思うが。嫡子だぞ? 当家の跡継ぎがいなくなってしまう」

「なあに、細川殿はまだ若い。遠州細川の家を継ぐ子は、これから幾らでも作れば良いではないか。何なら当家から側室を出すぞ」

「側室は遠慮しよう」

「遠慮するでない。儂はこれまで細川殿には何か足りないものがあると思っていたが、今分かった。子が足りぬのだ。戦はしばらく家臣に任せて、子作りに励むが良い。これも武家の大事な務めぞ」

「嫡男を奪う話をしておいて子作りに励めというのは間違っているぞ」

「こうでもせぬと細川殿は務めを全うせぬ。良い機会と思うが良いぞ。我ながら良い事をした気分だ。遠州細川家もこれで安泰となるな」

 俺の考えを無視して畠山 在氏殿がカンラカンラと笑う。こういうのを「してやられた」と言うのだろう。

 きっと本命は最初から俺の息子だった筈だ。だがその手札を最初から切れば、激しい抵抗をされるのが分かっている。

 だからこそ最初は絶対に通らない提案をした上で、続いて本命の話をした。こういったやり口は俺も知ってはいても、子作りの件を出されてしまうと強くは言えない。痛い所を突かれてしまったというのが正直な感想であった。

 この後の流れはほぼ見えている。俺が何と言おうと、俺の母上や家臣達を抱き込んで無理に通すつもりだ。この時代の武家は、個の意思よりも家の発展を重要視する。それを理解しているからこその策と言えよう。

 現状は実態が無いとは言え、石橋家は足利御三家の一つである。家格だけはほぼ最上位と呼べる程に高い。ならば嫡男の養子入りは、間違いなく名誉だと皆が思うと予想できる。母上なら狂喜乱舞しそうだ。

 石橋 忠義いしばし ただよし様も養子の件に於いては、足利 義栄とのコネ作りが目的だ。それが叶うなら、俺であろうと息子であろうと迎え入れる者に拘りはないというのが分かる。

 それにしても俺の息子が御三家の跡取りとはな。土佐安芸とさあき家という、乾物を京に売って利益を出していた武家の当主が細川分家の当主になっただけでもかなりの成り上がりというのに、それを軽々と越えてきた。成り上がりもここまで来れば、乾いた笑いしか出てこない。乾物屋だけに。

 美濃みの国の斎藤 道三さいとう どうざんは親子二代で美濃国の国主に成り上がったと言われているが、俺の息子の場合はそれを超える成り上がりを果たしたのだから世の中というのは分からない。

 乾物屋は油売りよりも強し。
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