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Chapter6(港川編)
Chapter6-③【Only Lonely Crazy Heart】後編
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「おい、大丈夫か?」
肩を揺さぶられて意識が戻る。
覗き込むセイルと目が合う。
マスクは外れているらしく、はっきりと真正面に顔が見えた。
アナルが火傷した様に痛む。
「俺はそろそろ帰るけど。」
ぴったりしたタイツを穿いたセイルが時計を見る。
3時少し前だ。
チカラは半身を起こして、辺りを見回す。
フローリングの上でミナトがアブラハムに犯されていた。
「だったらミナトは置いて行くか。
なあ、このスーツ、譲ってくれないかな?
金は払うから、ジャックに聞いてくれよ。」
「お前も本当に好きだな。
まあ失神する位だもんな。
なら交渉してやるよ。
でもその前にさ。」
セイルが目の前にディルドを翳す。
さっきミナトのアナルを責め立てた特大のサイズだ。
「俺さ、まだ射精してないんだ。
グレンの緩マンじゃ、抜けないんだ。」
セイルがタイツを擡げた。
ペニスが話し掛けてくる錯覚を覚える。
タイツの染みが広がっていく。
「アブラハムみたいな力任せじゃ、気持ち良くないだろ?
俺のテクニックは沖縄一だよ。
ほらっ、マスク被って。」
セイルはチカラの口に錠剤を放り込むと、自分でも飲み込んだ。
姿見の前に連れて行かれた。
焼き付く痛みが欲望に引火する。
「俺さ、お前みたいなギョロ目に興奮するんだ。
マスク被ってても、はっきり見られている気がしてさ。」
セイルがディルドを口に押し込んできた。
顎が外れそうな程強引に。
「どこがテクニックだ。」
口の中でコンドームが張り付いて言葉にならない。
ただ目を見開くばかりだ。
「そう、その目だよ。
ほらっ、もっと藻掻いて!」
ディルドを離したセイルが背後に立つ。
鏡の中のラバーマンは咥えたディルドを鏡に押し付けていた。
『俺って、タチじゃなかったけ?』
開いた股に膨らんだ亀頭が当たる。
もうアナルは異物の侵入を拒まない。
後頭部に湿った温もりを感じながら、自ら押し込んでいく。
自問は快楽に飲み込まれた。
「今日の何時の便で帰るの?」
ホテルの前でセイルが聞く。
「ふわぁー、夕方のフライトだから、これから少し寝る。」
欠伸を噛み殺し、チカラは答える。
「そっか…。
所詮、内地の人だもんな。」
ぼそっとセイルが言う。
「また直ぐに来るさ。」
「内地の人は皆そう言うよ。」
力なく笑うセイルが愛しく思えた。
「だったらお前が東京へ来い。
案内してやるぜ。」
思わず社交辞令が口を出る。
「本当?でも相方がいるんだろ。」
セイルがホテルを見上げた。
ナツキの事を言ってるらしい。
「いや、あいつは名古屋に住んでるから、俺も東京じゃひとりぼっちだ。」
チカラは隆起した股間へ語り掛ける。
「やっぱ俺達似た者同士だね。
来月休みを取って、絶対に行く。」
勢いを取り戻したペニスが答えた。
「ああ、約束だ。」
来る筈がないと思いながらも、右手を差し出す。
「こんなスキンヘッドのウケなんて滅多に知り合えないし。」
セイルがぎゅっと手を握った。
チカラは少しだけナツキに感謝する。
もう空は白みかけていた。
(つづく)
肩を揺さぶられて意識が戻る。
覗き込むセイルと目が合う。
マスクは外れているらしく、はっきりと真正面に顔が見えた。
アナルが火傷した様に痛む。
「俺はそろそろ帰るけど。」
ぴったりしたタイツを穿いたセイルが時計を見る。
3時少し前だ。
チカラは半身を起こして、辺りを見回す。
フローリングの上でミナトがアブラハムに犯されていた。
「だったらミナトは置いて行くか。
なあ、このスーツ、譲ってくれないかな?
金は払うから、ジャックに聞いてくれよ。」
「お前も本当に好きだな。
まあ失神する位だもんな。
なら交渉してやるよ。
でもその前にさ。」
セイルが目の前にディルドを翳す。
さっきミナトのアナルを責め立てた特大のサイズだ。
「俺さ、まだ射精してないんだ。
グレンの緩マンじゃ、抜けないんだ。」
セイルがタイツを擡げた。
ペニスが話し掛けてくる錯覚を覚える。
タイツの染みが広がっていく。
「アブラハムみたいな力任せじゃ、気持ち良くないだろ?
俺のテクニックは沖縄一だよ。
ほらっ、マスク被って。」
セイルはチカラの口に錠剤を放り込むと、自分でも飲み込んだ。
姿見の前に連れて行かれた。
焼き付く痛みが欲望に引火する。
「俺さ、お前みたいなギョロ目に興奮するんだ。
マスク被ってても、はっきり見られている気がしてさ。」
セイルがディルドを口に押し込んできた。
顎が外れそうな程強引に。
「どこがテクニックだ。」
口の中でコンドームが張り付いて言葉にならない。
ただ目を見開くばかりだ。
「そう、その目だよ。
ほらっ、もっと藻掻いて!」
ディルドを離したセイルが背後に立つ。
鏡の中のラバーマンは咥えたディルドを鏡に押し付けていた。
『俺って、タチじゃなかったけ?』
開いた股に膨らんだ亀頭が当たる。
もうアナルは異物の侵入を拒まない。
後頭部に湿った温もりを感じながら、自ら押し込んでいく。
自問は快楽に飲み込まれた。
「今日の何時の便で帰るの?」
ホテルの前でセイルが聞く。
「ふわぁー、夕方のフライトだから、これから少し寝る。」
欠伸を噛み殺し、チカラは答える。
「そっか…。
所詮、内地の人だもんな。」
ぼそっとセイルが言う。
「また直ぐに来るさ。」
「内地の人は皆そう言うよ。」
力なく笑うセイルが愛しく思えた。
「だったらお前が東京へ来い。
案内してやるぜ。」
思わず社交辞令が口を出る。
「本当?でも相方がいるんだろ。」
セイルがホテルを見上げた。
ナツキの事を言ってるらしい。
「いや、あいつは名古屋に住んでるから、俺も東京じゃひとりぼっちだ。」
チカラは隆起した股間へ語り掛ける。
「やっぱ俺達似た者同士だね。
来月休みを取って、絶対に行く。」
勢いを取り戻したペニスが答えた。
「ああ、約束だ。」
来る筈がないと思いながらも、右手を差し出す。
「こんなスキンヘッドのウケなんて滅多に知り合えないし。」
セイルがぎゅっと手を握った。
チカラは少しだけナツキに感謝する。
もう空は白みかけていた。
(つづく)
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