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Chapter8(がむしゃら編)
Chapter8-⑬【RISE】前編
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「ワタルさんって、めちゃ格好いいよな。
誘ってみようかな?」
居酒屋で枝豆を食いながらツグムが言う。
「あれっ、イケてない専じゃなかったっけ?」
呆れ顔で聞く。
『シオン様の太マラで突いて下さい。
何でもします。』
少し前迄、何度も繰り返し言っていた口とは思えない。
「俺に靡かなかった奴はいないぜ。
イケメン同士だと絵になるだろ。
そうだ、お前カメラマンになれよ。
タチウケだっちだろう?
イケメンはウケが多いけど、あのクールな感じはタチを感じさせるな。
あー、どっちだろう?
お前、知らないのか?」
ツグムの妄想は広がっていく。
『ワタルさんをクラブにいる欲求不満の連中と一緒にするな。』
出掛かった言葉を飲み込む。
ワタルの告白をツグムに教える気はない。
「明日、退職願いを出すにしても、今月のシフトはもう入っちまってる。
俺が本格的にここへ入れるのは来月からだ。
それ迄、一人で頑張れよ。
来月からは俺の追っかけが一気に増えるから、のんびり出来るのは今の内だぜ。」
駅前でツグムと別れた。
改札に入ろうと、ポケットを弄る。
スマホがない。
山下のジムで最後に触った事を思い出し、引き返す。
ジムの照明が点いている。
山下が腹筋をしていた。
「お疲れ様です。
ジョギングの後に腹筋ですか。
山下さんこそ、少し筋肉を休ませた方が良いのでは?」
シオンは軽い口調で近寄る。
聞こえている筈だが、山下は黙々と腹筋を続けた。
ストイックなトレーニングの邪魔になりそうだ。
マシンを迂回して、先程ツグムを犯した場所を目指す。
ダンベルラックにスマホが置いてあった。
それを手に取り、安心する。
だが山下の様子に違和感を覚えた。
「お疲れ様でした。」
小声で挨拶し、反応を伺う。
やはり無言だ。
シオンは足早に出口を目指す。
「おいっ、少し時間はあるか?」
背後から声が追ってきた。
ビクッとして、足が止まる。
「あっ、はい…。」
声が震えた。
低めのトーンは明らかに普段と違っている。
頭の中でパトランプが鳴り響く。
「腹筋のアシストをしてくれないか?」
「腹筋のですか?」
容易い依頼に聞き返す。
「ああ、腹筋だ。
嫌なら、断っても良いぞ。」
その口振りはもっと難儀な依頼を思わせた。
「腹筋なら、幾らでもお手伝いします。
ベンチ200キロのサポートだと、自信ありませんが。」
安心して、口が軽くなる。
「ならこっちへ来てくれ。」
やはり口調は重いままだ。
山下はサスペンダータイプのロングスパッツを穿いていた。
その見事な盛り上がりにシオンの股間も同期する。
「先ずは手を出してくれ。」
「こうですか?」
広げた掌を見せる。
そこにテープを巻き出す。
腹筋のサポートにテーピングする意味が理解出来ない。
「その枷を取ってくれ。」
巻き終えた山下が言う。
チンニングマシンから伸びたロープに枷が付いていた。
それを山下を渡すと、己の足首に締め付ける。
足先が赤く染まっていく。
(つづく)
誘ってみようかな?」
居酒屋で枝豆を食いながらツグムが言う。
「あれっ、イケてない専じゃなかったっけ?」
呆れ顔で聞く。
『シオン様の太マラで突いて下さい。
何でもします。』
少し前迄、何度も繰り返し言っていた口とは思えない。
「俺に靡かなかった奴はいないぜ。
イケメン同士だと絵になるだろ。
そうだ、お前カメラマンになれよ。
タチウケだっちだろう?
イケメンはウケが多いけど、あのクールな感じはタチを感じさせるな。
あー、どっちだろう?
お前、知らないのか?」
ツグムの妄想は広がっていく。
『ワタルさんをクラブにいる欲求不満の連中と一緒にするな。』
出掛かった言葉を飲み込む。
ワタルの告白をツグムに教える気はない。
「明日、退職願いを出すにしても、今月のシフトはもう入っちまってる。
俺が本格的にここへ入れるのは来月からだ。
それ迄、一人で頑張れよ。
来月からは俺の追っかけが一気に増えるから、のんびり出来るのは今の内だぜ。」
駅前でツグムと別れた。
改札に入ろうと、ポケットを弄る。
スマホがない。
山下のジムで最後に触った事を思い出し、引き返す。
ジムの照明が点いている。
山下が腹筋をしていた。
「お疲れ様です。
ジョギングの後に腹筋ですか。
山下さんこそ、少し筋肉を休ませた方が良いのでは?」
シオンは軽い口調で近寄る。
聞こえている筈だが、山下は黙々と腹筋を続けた。
ストイックなトレーニングの邪魔になりそうだ。
マシンを迂回して、先程ツグムを犯した場所を目指す。
ダンベルラックにスマホが置いてあった。
それを手に取り、安心する。
だが山下の様子に違和感を覚えた。
「お疲れ様でした。」
小声で挨拶し、反応を伺う。
やはり無言だ。
シオンは足早に出口を目指す。
「おいっ、少し時間はあるか?」
背後から声が追ってきた。
ビクッとして、足が止まる。
「あっ、はい…。」
声が震えた。
低めのトーンは明らかに普段と違っている。
頭の中でパトランプが鳴り響く。
「腹筋のアシストをしてくれないか?」
「腹筋のですか?」
容易い依頼に聞き返す。
「ああ、腹筋だ。
嫌なら、断っても良いぞ。」
その口振りはもっと難儀な依頼を思わせた。
「腹筋なら、幾らでもお手伝いします。
ベンチ200キロのサポートだと、自信ありませんが。」
安心して、口が軽くなる。
「ならこっちへ来てくれ。」
やはり口調は重いままだ。
山下はサスペンダータイプのロングスパッツを穿いていた。
その見事な盛り上がりにシオンの股間も同期する。
「先ずは手を出してくれ。」
「こうですか?」
広げた掌を見せる。
そこにテープを巻き出す。
腹筋のサポートにテーピングする意味が理解出来ない。
「その枷を取ってくれ。」
巻き終えた山下が言う。
チンニングマシンから伸びたロープに枷が付いていた。
それを山下を渡すと、己の足首に締め付ける。
足先が赤く染まっていく。
(つづく)
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