188 / 190
Chapter8(がむしゃら編)
Chapter8-⑫【Face My Fears】後編
しおりを挟む
結構な距離を走った。
波止場に着き、ワタルの足が止める。
「気持ちいいな。」
伸びをするワタルの股間が膨らむ。
やはり細かい凹凸がある。
どうやら何かで覆われている様だ。
『貞操具?』
ビデオでは見た事がある。
Mに装着し、射精を禁ずる道具だ。
『それをワタルさんが?
という事は…、ワタルさんはドM?
管理いているのは誰?』
俄に信じ難い。
だがツグムの例もある。
自信満々の奴に限って、ドMは多いのかもしれない。
「ワタルさんこそ奴隷がいそう。
いや、逆にワタルが飼われてたりして。」
冗談を装い、鎌をかける。
「ああ、そうだ。」
ワタルは簡単に白状した。
対岸の観覧車に目を向ける。
「そんな時代もあった。」と付け加えた。
「と言うと、今はどっちなんですか?」
「どっちだと思うか?」
逆に質問してきた。
「んー、難しい…。
如何にもSって人の方が実はMが多いと聞くから、ワタルさんもMじゃないですか?」
「当たらずとも、遠からずだな。」
「とすると以前はMで、現在はSっ事ですか?」
「いや、前はMで、今はどっちでもない。」
ワタルがストレッチをしながら答えた。
「今日は新月だから星が綺麗だ。
風が雲を飛ばしてくれた。」
ワタルが話を逸らした。
「どっちでもないって、そんな事あるんですか?」
シオンは話を戻す。
自分の経験から、性的欲望は萎える事はない。
それどころか日毎に増すばかりだ。
初老の男なら兎も角、ワタルの年代では信じられない。
寝ても覚めても性欲は尽きる事がない。
坂道を下る雪玉の様に大きくなる一方だ。
「もう欲情とか、興奮とかは卒業した。」
屈伸したワタルが顔を伏せて言う。
「えっ、もう感じないって意味ですか?」
「ああ、そういう風に考えれば納得いくか?
掘る事は可能だ。
だがそれによる快感はないし、射精もない。」
その答えに不感症という単語が浮かぶ。
ワタルがジョギングパンツを下げた。
重厚な鉄製のケージが街灯を浴び、浮かび上がる。
その中で藻掻くペニスは殺気すら感じた。
柵から解き放てば、牙を剥いて襲い掛かってきそうだ。
「その勇ましさは興奮を意味してないと?」
「ああ、そうだ。
普段からこんな状態だ。」
「えっ、年中勃起してるんですか?
しかも貞操具の中で…。」
締め付けられたリングが根本に食い込んでいる。
赤く染まったペニスは暴発寸前に見えた。
「そうだ、もう先走りすら出ない。
もう性器としての役目は終えたんだ。」
「だったら外せば?」
至極簡単な事だと思う。
「ああ、それが出来ればな。」
微笑むワタルが本当の神に見えた。
「さあ、星空を満喫しながら戻るか。
東京でこんな星空は滅多に見れないからな。」
ワタルはランニングパンツを上げると走り出した。
上げ過ぎたパンツから大殿筋が覗く。
二度と触れてはいけない事を知る。
それは神に対する冒涜だと察したのだ。
(つづく)
波止場に着き、ワタルの足が止める。
「気持ちいいな。」
伸びをするワタルの股間が膨らむ。
やはり細かい凹凸がある。
どうやら何かで覆われている様だ。
『貞操具?』
ビデオでは見た事がある。
Mに装着し、射精を禁ずる道具だ。
『それをワタルさんが?
という事は…、ワタルさんはドM?
管理いているのは誰?』
俄に信じ難い。
だがツグムの例もある。
自信満々の奴に限って、ドMは多いのかもしれない。
「ワタルさんこそ奴隷がいそう。
いや、逆にワタルが飼われてたりして。」
冗談を装い、鎌をかける。
「ああ、そうだ。」
ワタルは簡単に白状した。
対岸の観覧車に目を向ける。
「そんな時代もあった。」と付け加えた。
「と言うと、今はどっちなんですか?」
「どっちだと思うか?」
逆に質問してきた。
「んー、難しい…。
如何にもSって人の方が実はMが多いと聞くから、ワタルさんもMじゃないですか?」
「当たらずとも、遠からずだな。」
「とすると以前はMで、現在はSっ事ですか?」
「いや、前はMで、今はどっちでもない。」
ワタルがストレッチをしながら答えた。
「今日は新月だから星が綺麗だ。
風が雲を飛ばしてくれた。」
ワタルが話を逸らした。
「どっちでもないって、そんな事あるんですか?」
シオンは話を戻す。
自分の経験から、性的欲望は萎える事はない。
それどころか日毎に増すばかりだ。
初老の男なら兎も角、ワタルの年代では信じられない。
寝ても覚めても性欲は尽きる事がない。
坂道を下る雪玉の様に大きくなる一方だ。
「もう欲情とか、興奮とかは卒業した。」
屈伸したワタルが顔を伏せて言う。
「えっ、もう感じないって意味ですか?」
「ああ、そういう風に考えれば納得いくか?
掘る事は可能だ。
だがそれによる快感はないし、射精もない。」
その答えに不感症という単語が浮かぶ。
ワタルがジョギングパンツを下げた。
重厚な鉄製のケージが街灯を浴び、浮かび上がる。
その中で藻掻くペニスは殺気すら感じた。
柵から解き放てば、牙を剥いて襲い掛かってきそうだ。
「その勇ましさは興奮を意味してないと?」
「ああ、そうだ。
普段からこんな状態だ。」
「えっ、年中勃起してるんですか?
しかも貞操具の中で…。」
締め付けられたリングが根本に食い込んでいる。
赤く染まったペニスは暴発寸前に見えた。
「そうだ、もう先走りすら出ない。
もう性器としての役目は終えたんだ。」
「だったら外せば?」
至極簡単な事だと思う。
「ああ、それが出来ればな。」
微笑むワタルが本当の神に見えた。
「さあ、星空を満喫しながら戻るか。
東京でこんな星空は滅多に見れないからな。」
ワタルはランニングパンツを上げると走り出した。
上げ過ぎたパンツから大殿筋が覗く。
二度と触れてはいけない事を知る。
それは神に対する冒涜だと察したのだ。
(つづく)
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる