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Chapter5(懽楽編)
Chapter5-⑨【夏のモンタージュ】前編
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朝起きると、隣のベッドから鼾が聞こえてきた。
3時過ぎ迄起きていたから、戻ってきたのは明け方だろう。
「ねー、折角だから海行こうよ。」
シュウヘイの肩を揺らす。
「んー、眠いんだ。
悪いが一人で行ってきてくれ。
チェックアウトは夕方だから、それ迄に戻ってくれば…、いい…。」
言い終わる前に又鼾を掻き出した。
タクは肩を竦め、出掛ける準備を始める。
朝食は途中のコンビニで買えばいい。
極小のコックリングで締め上げ、派手な蛍光色のTバックを穿く。
鼻歌を奏でながら、ホテルを出た。
朝早いビーチは人が少ない。
昨日と同じ海の家に行き、一番波打ち際のチェアーに座る。
満潮の所為で、波が寄せる度にチェアーは水没した。
踝が冷やされ、気持ちいい。
「おはようございます。
今日は一人ですか?」
ニックが声を掛けてきた。
「まあね。昨日と同じシェークにしよ。
あれ、凄く美味しかった。」
「ありがとうございます。」
ニックがにこやかに去っていく。
タクはバラソルの下で水平線を眺める。
まだ売り子もおらず、時折ジョギングする人が通り過ぎるだけだ。
歓楽街で早起きする人は少ないのだろう。
視界がぼやけ、眠りに落ちていく。
『ばさっ!』
隣からの雑音で、微睡みが妨げられた。
瞬かせた瞳を発生源に向ける。
サオヤがパラソルを閉じていた。
タクは猛烈な陽射しと閉じたパラソルを交互に眺める。
信じ難い思いで、シェークを啜った。
サオヤはタクを無視し、オイルを塗り出す。
昨日は黒光りする筋肉が好意的に見えたが、今はゴキブリにしか見えない。
だがそんな事を言ってられない。
ミッションを開始するだけだ。
タクはサオヤに背を向け、スマホを操作する。
アプリを起動し、淫らな男を再生した。
「おおっ…、おおっ、うおおぉぉう!」
ボリュームは下げているが、隣のサオヤには聞こえている筈だ。
ディスプレイの中の男はワタルだ。
ワタルの乳首が伸び切り、筋肉が波打つ。
「それ何処のメーカーだ?
ラバーマスクのマッチョなんて、えげつないな。」
早速、餌に食らい付いてきた。
「ああっ、これ?
売り物じゃないよ。
友達なんだけど、めちゃ変態なんだ。」
タクは慌てて、スマホを伏せる。
「おい、中途半端に見せといて、それはないだろ。
最後まで見せてくれ。」
サオヤがチェアーを寄せてきた。
「仕方ないな。」
タクは渋々さを装い、スマホを肘掛けに乗せる。
サオヤはディスプレイを食い入る様に見詰める。
薄手のパンツは隆起し、亀頭の辺りに染みが広がっていく。
「こいつすげえガタイだな。
これでド変態のウケなのか?
一発ぶち込みてぇ!」
サオヤは股間にタオルを乗せると、その下に手を伸ばした。
「だったら紹介しようか?
サオヤに負けないくらい黒光りしてるよ。」
その発言で扱く手が止まる。
「まっ、マジか?」
サオヤが身を乗り出す。
突き出した顎から落ちた汗がディスプレイを濡らした。
(つづく)
3時過ぎ迄起きていたから、戻ってきたのは明け方だろう。
「ねー、折角だから海行こうよ。」
シュウヘイの肩を揺らす。
「んー、眠いんだ。
悪いが一人で行ってきてくれ。
チェックアウトは夕方だから、それ迄に戻ってくれば…、いい…。」
言い終わる前に又鼾を掻き出した。
タクは肩を竦め、出掛ける準備を始める。
朝食は途中のコンビニで買えばいい。
極小のコックリングで締め上げ、派手な蛍光色のTバックを穿く。
鼻歌を奏でながら、ホテルを出た。
朝早いビーチは人が少ない。
昨日と同じ海の家に行き、一番波打ち際のチェアーに座る。
満潮の所為で、波が寄せる度にチェアーは水没した。
踝が冷やされ、気持ちいい。
「おはようございます。
今日は一人ですか?」
ニックが声を掛けてきた。
「まあね。昨日と同じシェークにしよ。
あれ、凄く美味しかった。」
「ありがとうございます。」
ニックがにこやかに去っていく。
タクはバラソルの下で水平線を眺める。
まだ売り子もおらず、時折ジョギングする人が通り過ぎるだけだ。
歓楽街で早起きする人は少ないのだろう。
視界がぼやけ、眠りに落ちていく。
『ばさっ!』
隣からの雑音で、微睡みが妨げられた。
瞬かせた瞳を発生源に向ける。
サオヤがパラソルを閉じていた。
タクは猛烈な陽射しと閉じたパラソルを交互に眺める。
信じ難い思いで、シェークを啜った。
サオヤはタクを無視し、オイルを塗り出す。
昨日は黒光りする筋肉が好意的に見えたが、今はゴキブリにしか見えない。
だがそんな事を言ってられない。
ミッションを開始するだけだ。
タクはサオヤに背を向け、スマホを操作する。
アプリを起動し、淫らな男を再生した。
「おおっ…、おおっ、うおおぉぉう!」
ボリュームは下げているが、隣のサオヤには聞こえている筈だ。
ディスプレイの中の男はワタルだ。
ワタルの乳首が伸び切り、筋肉が波打つ。
「それ何処のメーカーだ?
ラバーマスクのマッチョなんて、えげつないな。」
早速、餌に食らい付いてきた。
「ああっ、これ?
売り物じゃないよ。
友達なんだけど、めちゃ変態なんだ。」
タクは慌てて、スマホを伏せる。
「おい、中途半端に見せといて、それはないだろ。
最後まで見せてくれ。」
サオヤがチェアーを寄せてきた。
「仕方ないな。」
タクは渋々さを装い、スマホを肘掛けに乗せる。
サオヤはディスプレイを食い入る様に見詰める。
薄手のパンツは隆起し、亀頭の辺りに染みが広がっていく。
「こいつすげえガタイだな。
これでド変態のウケなのか?
一発ぶち込みてぇ!」
サオヤは股間にタオルを乗せると、その下に手を伸ばした。
「だったら紹介しようか?
サオヤに負けないくらい黒光りしてるよ。」
その発言で扱く手が止まる。
「まっ、マジか?」
サオヤが身を乗り出す。
突き出した顎から落ちた汗がディスプレイを濡らした。
(つづく)
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