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Chapter5(懽楽編)
Chapter5-④【絶対あの場所に】前編
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「いい一物を持ってるじゃねぇか。
と言っても今日は使い道がないがな。」
「それより肉体改造って、どうやるんすか?
俺、医者の卵で凄く興味あるんすよ。」
男の手が止まる。
はったりが効いた様だ。
根掘り葉掘り聞かれたら、直ぐにボロが出る。
だがこの状況でそんな質問はしてこない筈だ。
「医者でもないあんたがそんな事、出来るんすか?」
挑発気味に言う。
「大袈裟に言ってるだけ…。」
「どうして俺が医者じゃないと分かるんだ。」
男がシュウヘイの言葉に被せてきた。
「えっ、まさか?」
大きく瞳を開き、男を見詰める。
『アクター部を甘くみるなよ。』
シュウヘイは以前出演した医療ドラマの思い出し、研修医役になりきった。
「肉体改造は俺の隠れた願望なんです。
医学部に入ったのも、それが目的の一つだった。
まさか、同じ考えの輩がいるなんて…。」
少し大袈裟だが、最大限の驚きを表現する。
「まあ、現役じゃねぇがな。
どうも調子が狂っちまったな。」
男はジッパーから手を離すと、ベンチに腰掛けた。
「でも現役ないのに、どうやって手術を?
それとも手術以外の方法で?」
「世の中、金さえ払えばどうにかなるもんだ。
俺はモンスターを作りたいんだ。
俺好みの怪物をな。」
男が笑う。
とても笑いながら話す内容ではない。
「ど、どんな怪物っすか?」
狂人を目の前にして、声が震える。
「筋肉の塊だ。
全身を筋肉にするんだ。
乳首もアナルも、ぺニスもな。
どうだ、興奮しねぇか?」
「あっ、おっ、俺の願望と同じっす…。」
相槌を打つ顔に汗が伝う。
「おっ、話が合うじゃねぇか。
今は手始めに乳首を肥大させてる。」
「ほっ、本当っすね。
相手はそれを納得してるんすか?」
話を核心へ持っていく。
「ああ、本人の希望だ。
ちょい、そう思い込む様に誘導はしたがな。」
不敵な笑みを浮かべた男が腰を上げた。
「話が過ぎたな。
お前は道を踏み外すな。
俺が言っても、説得力はねぇがな。」
男の笑い声が東屋の屋根に反射する。
「何時やるんすか?
良かったら見学させて…。」
「おいおい、医者になる前から違法な事に首を突っ込むな。
親が悲しむぞ。
じゃあな。」
男が小路を歩き出す。
「あっ、連絡先…。」
暗闇にハーネスが吸い込まれていった。
ブーツの足音が聞こえなくなると、タクが顔を出す。
「ヤバくない?
高木の奴、マジ狂ってる!」
顔が真っ青だ。
「急ぐ必要があるな。」
だが何を急ぐのか皆目見当が付かない。
サイトには否定することなく、矛盾点を本人に気付かせると書いてあった。
しかしそんな猶予はない。
絶対的な影響力を持つ何かが必要だ。
「ワタルさんの好きな物を知ってるか?
何でもいい。」
「何だろう?
筋トレ以外の趣味って、聞いた事ないや。」
タクが顔を顰めた。
「なら人は?
好きな人や尊敬する人の話を聞いた事ないか?」
「んー。」
タクは腕を組み、唸り声を漏らす。
(つづく)
と言っても今日は使い道がないがな。」
「それより肉体改造って、どうやるんすか?
俺、医者の卵で凄く興味あるんすよ。」
男の手が止まる。
はったりが効いた様だ。
根掘り葉掘り聞かれたら、直ぐにボロが出る。
だがこの状況でそんな質問はしてこない筈だ。
「医者でもないあんたがそんな事、出来るんすか?」
挑発気味に言う。
「大袈裟に言ってるだけ…。」
「どうして俺が医者じゃないと分かるんだ。」
男がシュウヘイの言葉に被せてきた。
「えっ、まさか?」
大きく瞳を開き、男を見詰める。
『アクター部を甘くみるなよ。』
シュウヘイは以前出演した医療ドラマの思い出し、研修医役になりきった。
「肉体改造は俺の隠れた願望なんです。
医学部に入ったのも、それが目的の一つだった。
まさか、同じ考えの輩がいるなんて…。」
少し大袈裟だが、最大限の驚きを表現する。
「まあ、現役じゃねぇがな。
どうも調子が狂っちまったな。」
男はジッパーから手を離すと、ベンチに腰掛けた。
「でも現役ないのに、どうやって手術を?
それとも手術以外の方法で?」
「世の中、金さえ払えばどうにかなるもんだ。
俺はモンスターを作りたいんだ。
俺好みの怪物をな。」
男が笑う。
とても笑いながら話す内容ではない。
「ど、どんな怪物っすか?」
狂人を目の前にして、声が震える。
「筋肉の塊だ。
全身を筋肉にするんだ。
乳首もアナルも、ぺニスもな。
どうだ、興奮しねぇか?」
「あっ、おっ、俺の願望と同じっす…。」
相槌を打つ顔に汗が伝う。
「おっ、話が合うじゃねぇか。
今は手始めに乳首を肥大させてる。」
「ほっ、本当っすね。
相手はそれを納得してるんすか?」
話を核心へ持っていく。
「ああ、本人の希望だ。
ちょい、そう思い込む様に誘導はしたがな。」
不敵な笑みを浮かべた男が腰を上げた。
「話が過ぎたな。
お前は道を踏み外すな。
俺が言っても、説得力はねぇがな。」
男の笑い声が東屋の屋根に反射する。
「何時やるんすか?
良かったら見学させて…。」
「おいおい、医者になる前から違法な事に首を突っ込むな。
親が悲しむぞ。
じゃあな。」
男が小路を歩き出す。
「あっ、連絡先…。」
暗闇にハーネスが吸い込まれていった。
ブーツの足音が聞こえなくなると、タクが顔を出す。
「ヤバくない?
高木の奴、マジ狂ってる!」
顔が真っ青だ。
「急ぐ必要があるな。」
だが何を急ぐのか皆目見当が付かない。
サイトには否定することなく、矛盾点を本人に気付かせると書いてあった。
しかしそんな猶予はない。
絶対的な影響力を持つ何かが必要だ。
「ワタルさんの好きな物を知ってるか?
何でもいい。」
「何だろう?
筋トレ以外の趣味って、聞いた事ないや。」
タクが顔を顰めた。
「なら人は?
好きな人や尊敬する人の話を聞いた事ないか?」
「んー。」
タクは腕を組み、唸り声を漏らす。
(つづく)
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