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Chapter5(懽楽編)
Chapter5-③【Midnight Scarecrow】後編
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耳を澄ますと、遠くから足音が聞こえてきた。
そのゴツいヒールの音に聞き覚えがある。
「高木のブーツだ。」
「しっ!」
シュウヘイが口元で指を一本立てた。
二人は柱の影の叢に身を寄せる。
街灯の下、キャップを被ったシルエットが見えた。
「高木に間違いないよ。
この間もここで見掛けたし。」
タクが小声で言う。
「その時、お前は奴とやったのか?」
「いや…、その…、ワタルと一緒だったので…。」
歯切れの悪い言い方で、ワタルが奴とやった事を察する。
「二人はそこから始まったのか?」
「いや…、通ってるジムのスタッフだから、顔は以前から知ってた。
ただ…、その時ワタルは泥酔してて、ちょっと羽目外しちゃって…。」
「羽目を外してって、何をしたんだ?」
「その…、奴の…、ションベンを飲んじゃったんだ。」
「そっか、それで二人の距離が縮まった訳か。
ちょっと探りを入れてくる。
お前はここでじっとしてろ。」
シュウヘイは叢から出ていくと、ベンチに座る。
東屋の照明がスポットライトの様に火照った身体を照らした。
シルエットが東屋の入口で止まる。
ジャンプスーツ姿の男の食指が動いた様子だ。
影がスポットライトの中へ入ってきた。
ハーネスで筋肉を誇張さた男に目を見張る。
ロンググローブとブーツも男の気合いの現れだ。
その完璧さはマニアを恍惚させるに充分だろう。
「お前もかなり気合い入ってんな。
ケツ出来るか?」
男が単刀直入に聞いてきた。
「いや、生粋のタチでケツは無理っす。」
「そうか、ならいい。」
男は背を向ける。
「凄く格好いいっす。
タチでも惚れ惚れするっすよ。
良かったら少し話さないっすか?」
シュウヘイは誘ってみた。
男は暫く考えたが、ベンチに腰を下ろした。
「今日は人も少ない。
暇潰しに付き合ってやる。」
男はロングブーツを投げ出した。
股間を覆うレザーのGストから卑猥な臭いが漂う。
「こんなに格好良かったら、専属の奴隷が何人もいるんですよね?」
早速話題を振る。
「今は専属一人だ。」
男が横柄に答えた。
「どんな調教してるんすか?
かなりハードな事してそうなんで、勉強の為に教えて欲しいっす。」
煽てながら質問していく。
「まあ確かにな。
普通やらない事をしせるぜ。」
男は勿体ぶった言い方をした。
「普通しない事って?」
興味津々を装う。
「何だと思う?」
「んー、ハリガタ責めとか、鞭打ちとか?」
敢えて軽めのプレイを並べる。
「見掛けの割にはソフトだな。」
小馬鹿にした物言いだ。
「肉体改造だ。」
「肉体…、改造…、そんな事出来るだけんすか?」
興奮気味に聞き返す。
「ああ、出来るぜ。
だが半端なMには無理だ。
心底俺に心酔してないとな。」
男のブーツがシュウヘイの股間に伸びた。
「タチをドMに落とすのも面白いな。」
ビールに重みが増す。
「もっと、詳しく教えてもらえないっすか?」
「ああ、いいぜ。
お前の行動次第でな。」
男が荒々しくシュウヘイのジッパーを下ろした。
(つづく)
そのゴツいヒールの音に聞き覚えがある。
「高木のブーツだ。」
「しっ!」
シュウヘイが口元で指を一本立てた。
二人は柱の影の叢に身を寄せる。
街灯の下、キャップを被ったシルエットが見えた。
「高木に間違いないよ。
この間もここで見掛けたし。」
タクが小声で言う。
「その時、お前は奴とやったのか?」
「いや…、その…、ワタルと一緒だったので…。」
歯切れの悪い言い方で、ワタルが奴とやった事を察する。
「二人はそこから始まったのか?」
「いや…、通ってるジムのスタッフだから、顔は以前から知ってた。
ただ…、その時ワタルは泥酔してて、ちょっと羽目外しちゃって…。」
「羽目を外してって、何をしたんだ?」
「その…、奴の…、ションベンを飲んじゃったんだ。」
「そっか、それで二人の距離が縮まった訳か。
ちょっと探りを入れてくる。
お前はここでじっとしてろ。」
シュウヘイは叢から出ていくと、ベンチに座る。
東屋の照明がスポットライトの様に火照った身体を照らした。
シルエットが東屋の入口で止まる。
ジャンプスーツ姿の男の食指が動いた様子だ。
影がスポットライトの中へ入ってきた。
ハーネスで筋肉を誇張さた男に目を見張る。
ロンググローブとブーツも男の気合いの現れだ。
その完璧さはマニアを恍惚させるに充分だろう。
「お前もかなり気合い入ってんな。
ケツ出来るか?」
男が単刀直入に聞いてきた。
「いや、生粋のタチでケツは無理っす。」
「そうか、ならいい。」
男は背を向ける。
「凄く格好いいっす。
タチでも惚れ惚れするっすよ。
良かったら少し話さないっすか?」
シュウヘイは誘ってみた。
男は暫く考えたが、ベンチに腰を下ろした。
「今日は人も少ない。
暇潰しに付き合ってやる。」
男はロングブーツを投げ出した。
股間を覆うレザーのGストから卑猥な臭いが漂う。
「こんなに格好良かったら、専属の奴隷が何人もいるんですよね?」
早速話題を振る。
「今は専属一人だ。」
男が横柄に答えた。
「どんな調教してるんすか?
かなりハードな事してそうなんで、勉強の為に教えて欲しいっす。」
煽てながら質問していく。
「まあ確かにな。
普通やらない事をしせるぜ。」
男は勿体ぶった言い方をした。
「普通しない事って?」
興味津々を装う。
「何だと思う?」
「んー、ハリガタ責めとか、鞭打ちとか?」
敢えて軽めのプレイを並べる。
「見掛けの割にはソフトだな。」
小馬鹿にした物言いだ。
「肉体改造だ。」
「肉体…、改造…、そんな事出来るだけんすか?」
興奮気味に聞き返す。
「ああ、出来るぜ。
だが半端なMには無理だ。
心底俺に心酔してないとな。」
男のブーツがシュウヘイの股間に伸びた。
「タチをドMに落とすのも面白いな。」
ビールに重みが増す。
「もっと、詳しく教えてもらえないっすか?」
「ああ、いいぜ。
お前の行動次第でな。」
男が荒々しくシュウヘイのジッパーを下ろした。
(つづく)
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