妄想日記6<<EVOLUTION>>

YAMATO

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Chapter1(光明編)

Chapter1-⑥【サンデーパーク】前編

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「おう、来たな。
いい景色だ。」
既に定食を食っていたランマが目を細めて言う。
その視線でマラが益々固さを増す。
薄い生地のタイツがペニスの形を露にした。
店主が気付く前に素早く座る。
「来る途中、ジロジロ見られました。」
耳元で小声で訴える。
「この商店街は仲間が多い。
その程度の奴なら、うじゃうじゃいるぜ。
奴等にマウント取りたかったら、もっと過激な格好しないとな。」
ランマの声はシンにも届いた筈だ。
折角の囁きは無意味に終わった。
「ここは朝定食が安いんだ。
同じでいいか?
おい、シンちゃん、朝定もう1つ頼む。」
ランマがカウンターの中の男に声を掛ける。
「おう、朝定一丁追加だな。
威勢の良いあんちゃんに納豆おまけだ。」
鮭を焼く煙の向こうに鉢巻をした角刈りの男が見えた。
一重の鋭い目付きが蛇を想起させる。
「おい、だったら俺にもサービスしろ。」
ランマが文句を言う。
「朝起ちした奴にしか、朝定のサービスは付かねぇんだ。
悪いな。」
シンと呼ばれた男が悪びれずに答えた。
決まりが悪いワタルは男を無視する。
 
「俺も最初の調教は服装管理からだった。
そこで羞恥心を奪われた。」
先に食べ終わったランマが煙草に火を点けた。
「それって、中嶋さんに?」
「ああ、そうだ。
穏やかな見た目に騙された。
羞恥心が失せると、何でも出来た。
飽くなき好奇心が恥ずかしさだけでなく、痛みも一緒に奪ったんだ。」
吐き出した煙を旨そうに鼻から吸い込む。
「15年振りのお前には一から仕込む。
直ぐに一端のドM野郎にしてやるぜ。」
笑った口から煙が溢れた。
 
「でもランマさんもMなのでは?」
ランマ程ハードなMは他に知らない。
ゴーゴー仲間にもMはいた。
彼等は責められている自分に酔っている、そんなナルシストが多かった。
ランマの様に生粋のMではない。
そんな男に調教等、出来るのだろうか?
「ああ、マスター、中嶋さんの事だ、の前だけではMだった。
この先も俺が奉仕するのはマスターだけだ。
そのマスターを失った俺は奉仕Mを調教する事に楽しみを変えた。
Mの悦びは俺が一番分かっているからな。
身も心も捧げる、そんな悦びをな。」
ニヤリとランマが笑う。
 
「お前、昨日射精したか?」
唐突の質問に顔を横に振る。
「嘘はいかん。
マスターに対しては絶対服従だ。
全て素直に話せ。」
ランマの言葉に頷く。
「で、何をネタに射精したんだ?」
「し、シングレットです。
干してあった白い奴…。
それを着たら抑え切れなくなって。」
こんな報告をするシチュエーションに何故か興奮した。
「これからは俺が許可する迄、射精は厳禁だ。
出来るか?」
出来ない事は百も承知だが、素直に頷く。
「もし約束を破ったら、罰を与えるぞ。
分かったな?」
「出来ないなら、いい加減な約束するな。
こいつは生真面目な分、融通が利かねぇぞ。」
シンがコーヒーを置きながら、口を挟んだ。
ワタルは疎まし気な瞳をシンに向けた。
全てお見通しといった雰囲気が癇に障る。
馬鹿にされている感じを受けたのだ。
 
 
(つづく)
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