年下俺様アイドルの、正しい飼い方

ryon*

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暗躍①

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 俺達の代表曲とも言える曲、『Love !sラブ イズ』。
 これは初めてJOKERが、音楽チャート一位を獲った曲でもある。

 この曲をこんなにも大きな会場で、何万というファンの子達を前に歌わせて貰っているのだと思うと、俺としても感慨深いものがある。

 エレンと玲は相変わらず舞台裏ではギクシャクしているが、さすがにステージに上がるとそんな素振りは全く見せず、仲良く肩を組んでいる様子を見て少し安堵した。

 実はライブがスタートする前に、俺は密かに鈴に、エレンの一大事だから今から会場に来られないかとLIMEでメッセージを送っておいた。

 しかし既読はついたものの、その返事は待てど暮らせど届かない。
 それに痺れを切らし、一方的に、会場に今すぐ来いと今度は命令形で再度メッセージを送り、そのままスマートフォンの電源をオフにしてやった。

 普段俺はこういった傍若無人な真似を女の子相手には・・・・・・・した事が無かったから、知的で基本冷静な彼女もきっと今頃、何事かと激しく動揺しているに違いない。

 男の俺が言うのも何だが、ライブ中のエレンの格好良さは、ピカイチだと思う。

 なのに玲の影武者である鈴は、その姿を生で見た事がない。
 それって俺は、スゲェ勿体無いことだと思う。
 
 それに彼女は普段表に姿を見せることは無くとも、JOKERの大事なメンバーの一員なのだ。
 俺だけでなく、彼女の存在を知らないエレン以外のメンバーは、絶対同じように思っているはずだし。
 
 だからずっと見に来いと皆で誘っていたのだけれど、自分は裏方だからと言って頑なに拒否され続けて来た。
  
 だけど仕事モードの時以外のエレンの、あんな腑抜けた姿を目の当たりにしたら、さすがに放ってはおけなかった。
 だからお節介は充分承知の上で、あんなLIMEを彼女に送り付けたのだ。

 さて......どうやって真実を、白日の下に晒してやろうかな。

 ニヤリと不敵に口角が上がり掛け、慌てて愛らしく見えるよう、無垢で無邪気な笑顔を顔面に貼り付け固定し直した。
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