年下俺様アイドルの、正しい飼い方

ryon*

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そして舞台の、幕が開く④

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 いよいよ開演という時間になり、ステージをそっと確認すると、かなり大きな会場だというのにありがたいことに今回も満席で。
 それを見て、ホッと胸を撫で下ろした。

 アナウンスが流れ、一度ライトがすべて落とされた。

「よし......皆、盛り上がって行こうぜ!」

 舞台袖でいつものようにリーダーであるエレンの掛け声に合わせ、五人で円陣を組む。

 そして軽く拳を合わせ、それぞれの持ち場へと移動した。

 ステージに立つと、緊張が増していく。
 でもこの緊張感は、嫌じゃない。

 ライブが始まる瞬間を、今か今かと待ちわびるファンの子達の熱気。
 それを感じながら流れ出したBGMを聞き、そっと瞳を閉じた。

 俺達が立つステージの中央部分にだけ、パッとライトが灯る。
 その背面に設置されている五分割された巨大モニターには、仁のJ、桜輔のO、奏のK、エレンのE、玲のRのアルファベットが順に表示され、JOKERのすべての文字が出揃うと、今ステージ上に立つ俺達の姿が大きく写し出された。

「今日は俺達に会いに来てくれて、皆本当にありがとう!」

 エレンがニッとクールに微笑み、大きな声で叫んだ。

 悲鳴にも似た、歓声。
 まだライブは始まったばかりだというのに、メンバーが現れたというだけで、既に泣いている子までいるようだ。

 それが嬉しいと思う反面、せっかくだからファンの子達には、出来ることならば笑っていて欲しいなって思う。

 だから素の俺とはかけ離れた、いつも愛らしいだとか可愛いと言われる笑顔を浮かべ、客席に向かい大きく手を振った。
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