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暗躍②
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***
衣装チェンジのため舞台を降り、バックステージに戻ろうとしたタイミングで。
俺の呼び出しに応えてライブを見に来たらしき鈴に捕まり、玲を連れ込んだ暗がりに、引き摺るみたいにして連れて行かれた。
鈴は今日は自前の私服姿だから、JOKERの玲の影武者ではなく、普通にボーイッシュな雰囲気の女子といった感じだ。
彼女は玲と入れ替わっていても、靴に厚みのある中敷きを入れさえすればばれないほど背が高い。
今はオーバーサイズ気味のTシャツにデニムというスタイルだから、ハイヒールを履いてメイクをしていなければ普通に野郎と間違えられてしまうかもしれないくらい男前だったりする。
高校時代は演劇部に所属しており、男役ばかりをしていたせいで、女子校育ちなのもあり女の子にモテまくったというのも納得である。
「......奏、どういうつもり?
私は来ないって、玲にちゃんと伝えさせたよね?」
先程とは違い、壁ドンを鈴にされている俺。
双子とはいえ性格は真逆な二人は、男女間違えて生まれてきてしまったのではないかと思わずにはいられない。
「うん、聞いた。
聞いたけどさぁ......鈴はホントに、それで良いわけ?」
ニヤリと笑い、質問に質問を返した。
彼女の眉間に、深いシワが寄る。
それから鈴は戸惑ったように視線を彷徨わせ、忌々しげに答えた。
「本当に、性格の悪い男ね。
......事情が分かった上で、更に傷口に塩を擦り込んで、私が傷付くところが見たいの?」
......コイツはいったい俺のことを、どういう人間だと思っているのか。
柄にもなく愛のキューピッドみたいな真似をやろうとしていると言うのに、あまりにも酷い言われようである。
「お前さぁ。頭良い癖に、ばっかじゃねぇの?」
これにはさすがに少しムカついたから、吐き捨てるように言ってやった。
衣装チェンジのため舞台を降り、バックステージに戻ろうとしたタイミングで。
俺の呼び出しに応えてライブを見に来たらしき鈴に捕まり、玲を連れ込んだ暗がりに、引き摺るみたいにして連れて行かれた。
鈴は今日は自前の私服姿だから、JOKERの玲の影武者ではなく、普通にボーイッシュな雰囲気の女子といった感じだ。
彼女は玲と入れ替わっていても、靴に厚みのある中敷きを入れさえすればばれないほど背が高い。
今はオーバーサイズ気味のTシャツにデニムというスタイルだから、ハイヒールを履いてメイクをしていなければ普通に野郎と間違えられてしまうかもしれないくらい男前だったりする。
高校時代は演劇部に所属しており、男役ばかりをしていたせいで、女子校育ちなのもあり女の子にモテまくったというのも納得である。
「......奏、どういうつもり?
私は来ないって、玲にちゃんと伝えさせたよね?」
先程とは違い、壁ドンを鈴にされている俺。
双子とはいえ性格は真逆な二人は、男女間違えて生まれてきてしまったのではないかと思わずにはいられない。
「うん、聞いた。
聞いたけどさぁ......鈴はホントに、それで良いわけ?」
ニヤリと笑い、質問に質問を返した。
彼女の眉間に、深いシワが寄る。
それから鈴は戸惑ったように視線を彷徨わせ、忌々しげに答えた。
「本当に、性格の悪い男ね。
......事情が分かった上で、更に傷口に塩を擦り込んで、私が傷付くところが見たいの?」
......コイツはいったい俺のことを、どういう人間だと思っているのか。
柄にもなく愛のキューピッドみたいな真似をやろうとしていると言うのに、あまりにも酷い言われようである。
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これにはさすがに少しムカついたから、吐き捨てるように言ってやった。
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