年下俺様アイドルの、正しい飼い方

ryon*

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一緒に迎えた朝②

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***

 モゾモゾと隣で動く人の気配を感じ、目を覚ました。
 その日の眠りは浅かったし、元々寝起きも良い方だから微睡まどろみながらも目を開き、にっこり微笑んでみせた。

「おはよ、千尋さん。
 昨日は、良く眠れた?」

 まだきちんと脳が目覚めていないのか、俺の問いに答える事なく、彼女はただじっと俺の顔を凝視した。
 そして訪れた、長い沈黙。

 ......この人、寝起きがかなり悪そうだな。
 ククッと笑い、まだ寝惚けている様子の彼女の頬に手を伸ばそうとした。
 
 しかし、その瞬間。
 ......一気に覚醒したらしき千尋さんは、俺の予想通り瞳をカッと大きく見開いたかと思うと、ホラー映画のワンシーンよろしくギャァァアと大きな声で絶叫した。

 起き抜けなのに、肺活量ヤバい。ウケる。

***

「......誠に申し訳ございませんでした」

 ふるふると小さく震えながら身を守るみたいにして毛布にくるまり、謝罪の言葉を口にしながらも俺に向けられる恨みがましい視線。

「ううん、千尋さんは気にしないで?
 女の子をソファーなんかで寝させて風邪でも引かせたら大変だと思って、俺が勝手に君をベッドまで運んだだけだから」

 ぎょっとしたように、またしても瞳を見開く彼女。
 でもそんな吃驚顔も、可愛いなって思う。
 更なる罪悪感を煽る為、追い討ちを掛けるみたいに言ってやった。

「だから千尋さんがビックリして、俺の事を変質者扱いして大声で叫んだとしても仕方ないよ。
 こっちの方こそ、驚かせてごめんね?」
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