89 / 268
第3章 パゼーレ魔法騎士団
【88話】 パゼーレ魔法騎士団
しおりを挟む
「本当によろしいので、お嬢様?」
寮の部屋を出る私に執事がそう聞いた。
「えぇそうよセバス、私はもう決めたのです。」
私の決意は変わらない。あの日、たまたまユウトと魔法騎士団の大隊長の会話を聞いてユウトが魔法騎士団に入団すると聞いた時から。
「私はお嬢様のご意志を尊重致します……があなた様の父上はなんとおっしゃるか」
不安そうな口調でセバスは話す。
たしかに、魔法騎士団への入団についてお父様には説明してはいない。
なぜならお父様は絶対に許してはくれないとわかっていたから。
「ありがとねセバス、それじゃあ」
私の決意はかわらない。
そうしてヴァーリンは荷物を持ってセバスに別れをつげて、寮の部屋を出て行った。
──
なんだかんだあり、魔法騎士団へと入団した俺たち元魔法学園生。
それぞれ各中隊にバラバラに配属された。
パートリーは研究部隊、レイナは救護部隊と2人は治安部隊とは異なる部隊に着く。
そして俺達はというと……3年生3人はそれぞれ全5中隊ある中で第1、第4、第5中隊の所属となった。
デイ、ヴァーリンは第4中隊
1年のヘルメンは第5中隊、ラードフは第3中隊
そして俺だけは第2中隊所属となった。
このパゼーレ魔法騎士団の構造はというと治安部隊と特務部隊で別れている。
特務部隊にはレイナの救護部隊、パートリーの研究部隊その他に物資部隊等がある。
治安部隊は5人程で1小隊、8小隊で1中隊、そして5つの中隊で大隊となっており。
騎士団は治安部隊200人、特務部隊100人合計300人が所属している。
小隊には小隊長、中隊には中隊長、そして大隊には大隊長がいる。
大隊長は実質的にはこの騎士団のトップの存在である。
それはさておき、俺達は所属と言われた中隊の兵舎に行っている途中だ。
レイナとパートリーは特務部隊ということで俺たちとは別の場所へと行くために別れた。
「あっ!俺たちはこっちだから」
「また後でな~!」
ラードフ、ヘルメンはそう言って俺たちとは別の兵舎へと向かった。
「えーっと確か第2中隊はこっち……」
「あぁ第4中隊もそっちだわ」
そのまま俺たちは俺を先頭にして3人で歩いていた……その時だった。
「おい、何してんだデイ……」
いきなり声が聞こえた。
すると俺たちの向かい側から1人の男が現れた。
白髪のその男は……どことなくデイに似ていた、っていうかさっきデイって言ってたって事は?
「あ、兄貴……」
俺の後ろにいたデイは震えながら声を出した。やっぱりこの人がデイのお兄さん。
「なんで弱いお前がここにいるんだ?」
真っ直ぐデイを見ながらデイのお兄さんは冷たい態度で言う。
そのデイはお兄さんを見ながら体を震わせているしか出来ていなかった。
それはまるで恐怖を感じているよう……いやデイは本気でお兄さんに恐怖の感情を抱いているんだと思う。
「そ、それは……俺も強くなったんだ……だから俺も戦える……」
体の震えを少しでも抑えながらデイは自分の兄に向かって言う。
デイに対して何かしたいとは思うが、こういった家族との問題に他人である俺たちが口を挟むのもどうかと思っていた。
「ならここで腕でも折って戦えなくしてやるよ」
その声は俺の後ろから聞こえた。
振り返るとデイのお兄さんは俺の後ろのデイの目の前にまできていた。
近づいていたことにすら気づかなかった。
この人……相当強い!
デイの兄はデイの腕を掴む。
デイを掴むその手は次第に強くなっていき、デイは苦痛で声を上げる。
そんな光景、俺には耐えられなかった。
「おい、デイから離れろ……!」
デイを掴んでいた腕を俺が強く掴む。
デイの兄は腕を掴まれたことにより、俺のことを見て認識する。
「なんだおまえ?無関係のくせに家族の問題に口を挟むな」
背筋が凍りつくのを感じる。
それでも俺は……
「だからなんだ、弟に危害を加える奴は兄なんかじゃない……ただのクズだ」
臆することなく面と向かいデイの兄にそう吐いた。
するとデイの兄はデイから手を離した。
「俺に向かってよく言うな?
ならまずはお前に先輩として社会の厳しさってやつを教育してやる。
かかってこい」
デイの兄は俺に対して挑発的な態度を取る。
これは罠だ。そうわかっている。
でも……俺はここで引くわけにはいかない。
「わかりました、やってやりますよ」
そう言って戦闘態勢をとった。
「待って!ユート!!兄は……!」
デイが叫ぶ。
「よく吠えた、新人。
俺はパゼーレ魔法騎士団第1中隊中隊長、氷結のゼン・マックラーケン」
そう言ってゼンも戦闘態勢をとる。
寮の部屋を出る私に執事がそう聞いた。
「えぇそうよセバス、私はもう決めたのです。」
私の決意は変わらない。あの日、たまたまユウトと魔法騎士団の大隊長の会話を聞いてユウトが魔法騎士団に入団すると聞いた時から。
「私はお嬢様のご意志を尊重致します……があなた様の父上はなんとおっしゃるか」
不安そうな口調でセバスは話す。
たしかに、魔法騎士団への入団についてお父様には説明してはいない。
なぜならお父様は絶対に許してはくれないとわかっていたから。
「ありがとねセバス、それじゃあ」
私の決意はかわらない。
そうしてヴァーリンは荷物を持ってセバスに別れをつげて、寮の部屋を出て行った。
──
なんだかんだあり、魔法騎士団へと入団した俺たち元魔法学園生。
それぞれ各中隊にバラバラに配属された。
パートリーは研究部隊、レイナは救護部隊と2人は治安部隊とは異なる部隊に着く。
そして俺達はというと……3年生3人はそれぞれ全5中隊ある中で第1、第4、第5中隊の所属となった。
デイ、ヴァーリンは第4中隊
1年のヘルメンは第5中隊、ラードフは第3中隊
そして俺だけは第2中隊所属となった。
このパゼーレ魔法騎士団の構造はというと治安部隊と特務部隊で別れている。
特務部隊にはレイナの救護部隊、パートリーの研究部隊その他に物資部隊等がある。
治安部隊は5人程で1小隊、8小隊で1中隊、そして5つの中隊で大隊となっており。
騎士団は治安部隊200人、特務部隊100人合計300人が所属している。
小隊には小隊長、中隊には中隊長、そして大隊には大隊長がいる。
大隊長は実質的にはこの騎士団のトップの存在である。
それはさておき、俺達は所属と言われた中隊の兵舎に行っている途中だ。
レイナとパートリーは特務部隊ということで俺たちとは別の場所へと行くために別れた。
「あっ!俺たちはこっちだから」
「また後でな~!」
ラードフ、ヘルメンはそう言って俺たちとは別の兵舎へと向かった。
「えーっと確か第2中隊はこっち……」
「あぁ第4中隊もそっちだわ」
そのまま俺たちは俺を先頭にして3人で歩いていた……その時だった。
「おい、何してんだデイ……」
いきなり声が聞こえた。
すると俺たちの向かい側から1人の男が現れた。
白髪のその男は……どことなくデイに似ていた、っていうかさっきデイって言ってたって事は?
「あ、兄貴……」
俺の後ろにいたデイは震えながら声を出した。やっぱりこの人がデイのお兄さん。
「なんで弱いお前がここにいるんだ?」
真っ直ぐデイを見ながらデイのお兄さんは冷たい態度で言う。
そのデイはお兄さんを見ながら体を震わせているしか出来ていなかった。
それはまるで恐怖を感じているよう……いやデイは本気でお兄さんに恐怖の感情を抱いているんだと思う。
「そ、それは……俺も強くなったんだ……だから俺も戦える……」
体の震えを少しでも抑えながらデイは自分の兄に向かって言う。
デイに対して何かしたいとは思うが、こういった家族との問題に他人である俺たちが口を挟むのもどうかと思っていた。
「ならここで腕でも折って戦えなくしてやるよ」
その声は俺の後ろから聞こえた。
振り返るとデイのお兄さんは俺の後ろのデイの目の前にまできていた。
近づいていたことにすら気づかなかった。
この人……相当強い!
デイの兄はデイの腕を掴む。
デイを掴むその手は次第に強くなっていき、デイは苦痛で声を上げる。
そんな光景、俺には耐えられなかった。
「おい、デイから離れろ……!」
デイを掴んでいた腕を俺が強く掴む。
デイの兄は腕を掴まれたことにより、俺のことを見て認識する。
「なんだおまえ?無関係のくせに家族の問題に口を挟むな」
背筋が凍りつくのを感じる。
それでも俺は……
「だからなんだ、弟に危害を加える奴は兄なんかじゃない……ただのクズだ」
臆することなく面と向かいデイの兄にそう吐いた。
するとデイの兄はデイから手を離した。
「俺に向かってよく言うな?
ならまずはお前に先輩として社会の厳しさってやつを教育してやる。
かかってこい」
デイの兄は俺に対して挑発的な態度を取る。
これは罠だ。そうわかっている。
でも……俺はここで引くわけにはいかない。
「わかりました、やってやりますよ」
そう言って戦闘態勢をとった。
「待って!ユート!!兄は……!」
デイが叫ぶ。
「よく吠えた、新人。
俺はパゼーレ魔法騎士団第1中隊中隊長、氷結のゼン・マックラーケン」
そう言ってゼンも戦闘態勢をとる。
10
あなたにおすすめの小説
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界サバイバルゲーム 〜転移先はエアガンが最強魔道具でした〜
九尾の猫
ファンタジー
サバイバルゲームとアウトドアが趣味の主人公が、異世界でサバゲを楽しみます!
って感じで始めたのですが、どうやら王道異世界ファンタジーになりそうです。
ある春の夜、季節外れの霧に包まれた和也は、自分の持ち家と一緒に異世界に転移した。
転移初日からゴブリンの群れが襲来する。
和也はどうやって生き残るのだろうか。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~
専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。
ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。
スキル『倍加』でイージーモードな異世界生活
怠惰怠man
ファンタジー
異世界転移した花田梅。
スキル「倍加」により自分のステータスを倍にしていき、超スピードで最強に成り上がる。
何者にも縛られず、自由気ままに好きなことをして生きていくイージーモードな異世界生活。
通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~
日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!
斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。
偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。
「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」
選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる