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第3章 パゼーレ魔法騎士団
【89話】 成長の兆し
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俺は魔法騎士団中隊長であるゼンと対峙していた。
彼は自分の弟であるデイに危害を加えようとした、俺の友達にそんなことをする奴はたとえソイツの兄だろうが許さない!
「……下っ端が、2度言ってやるかかってこい」
俺はゼンの挑発的な発言をして、俺はその発言の答えるようにゼンに襲いかかった。
まずは右ストレートで牽制しようとする。
しかしゼンは余裕で拳をかわし、逆に俺の顔面めがけて拳をくらわせ吹っ飛ばす。
とっさに手で顔面を守りはしたが、それでも吹っ飛ぶくらいの威力。
なるほど、確かに中隊長って言われるだけのことはある。
「……ガードしたか、なるほどお前が大隊長の言ってた異世界人か。」
納得したような顔をしながらゼンは俺に言った。
大隊長……たしかディーオンのことか?
「確かにお前は身体能力だけはいいようだな。……だが。」
そう言った瞬間にもゼンは俺との距離を詰める。
「そんなもらっただけの力と!今まで鍛えてきた俺たちとはまったく違うんだよ!!」
腹部に強い痛みが走る。
確かに、ゼンの言ってることは正しい。
俺の力なんて見ず知らずの誰かから貰ったものに過ぎない……俺はその力を使って今まで勝ってきた。
けれどもこれからもこの力を使っていくだろう。
だって俺は強くなりたいから!たとえこの力が与えてられたものであっても!!
「……魔法、使わないんですね。」
フラつきながらも立ち上がり、ゼンを見る。
「あぁ、だって下っ端に魔法なんて勿体無いからな。」
余裕そうな顔をしながら答えるゼン。
自分の方が格上だと思って油断しているみたいだ。
ならせめて、アイツに一矢報いてやる!
「それを負けの言い訳にするなよ?下っ端如きにに負けたんじゃ中隊長として恥ずかしいだろ?」
俺はゼンを煽るように言った。
「どうした、いきなり?……何か企んでいるんだろうが、俺も慎重なんでね潰させてもらう」
そしてゼンは魔性輪をはめ、魔法をだす。
辺りの気温が下がるのを感じた。
ゼンの周りに氷の塊がいくつも出来ているのが見える。
どうやらゼンの魔法はレイナみたいな氷結系の魔法……そりゃ氷結のゼンって呼ばれるわ。
辺りの氷がゼンの拳へと集まり、氷のグローブがつくられる。
「この一撃で終わらせてやるよ。」
ゼンは氷で固められた拳を構え、そう宣言する。
「……上等だよ、俺もこの一撃で終わらせてやる!」
ゼンと同じように宣言し、魔力を込めた右拳を構える。
向き合ったまま、俺たちは拳を相手へと振った。
確かに俺はゼンには敵わない、それでも俺は友達にあんな事したのを許しはしない!
この一撃に全てを込めろ!!
────
互いの拳が相手へと近づく最中、異変が起きる。
悪い方の異変じゃない、それどころか……心地が良い。
魔力を込めている拳、そして体全体に魔力を が流れるのが鮮明にわかる。
拳が光輝く……
そして拳が当たる直前に俺の思考がたった1つの結果を導き出していた。
勝っ──
しかしその思考は拳とともに受け止められた。
俺の拳がゼンの元に着く前に止まる、それはゼンも同じのようだった。
俺とゼンの間に誰かが立って、2人の拳を受け止めていた。
銀色の髪、ガタイのいい体。
その人物は俺のよく知ってる人だった。
「ディーオン……大隊長……」
絶望みたいな表情をしているゼンがそう呟いた。
彼は自分の弟であるデイに危害を加えようとした、俺の友達にそんなことをする奴はたとえソイツの兄だろうが許さない!
「……下っ端が、2度言ってやるかかってこい」
俺はゼンの挑発的な発言をして、俺はその発言の答えるようにゼンに襲いかかった。
まずは右ストレートで牽制しようとする。
しかしゼンは余裕で拳をかわし、逆に俺の顔面めがけて拳をくらわせ吹っ飛ばす。
とっさに手で顔面を守りはしたが、それでも吹っ飛ぶくらいの威力。
なるほど、確かに中隊長って言われるだけのことはある。
「……ガードしたか、なるほどお前が大隊長の言ってた異世界人か。」
納得したような顔をしながらゼンは俺に言った。
大隊長……たしかディーオンのことか?
「確かにお前は身体能力だけはいいようだな。……だが。」
そう言った瞬間にもゼンは俺との距離を詰める。
「そんなもらっただけの力と!今まで鍛えてきた俺たちとはまったく違うんだよ!!」
腹部に強い痛みが走る。
確かに、ゼンの言ってることは正しい。
俺の力なんて見ず知らずの誰かから貰ったものに過ぎない……俺はその力を使って今まで勝ってきた。
けれどもこれからもこの力を使っていくだろう。
だって俺は強くなりたいから!たとえこの力が与えてられたものであっても!!
「……魔法、使わないんですね。」
フラつきながらも立ち上がり、ゼンを見る。
「あぁ、だって下っ端に魔法なんて勿体無いからな。」
余裕そうな顔をしながら答えるゼン。
自分の方が格上だと思って油断しているみたいだ。
ならせめて、アイツに一矢報いてやる!
「それを負けの言い訳にするなよ?下っ端如きにに負けたんじゃ中隊長として恥ずかしいだろ?」
俺はゼンを煽るように言った。
「どうした、いきなり?……何か企んでいるんだろうが、俺も慎重なんでね潰させてもらう」
そしてゼンは魔性輪をはめ、魔法をだす。
辺りの気温が下がるのを感じた。
ゼンの周りに氷の塊がいくつも出来ているのが見える。
どうやらゼンの魔法はレイナみたいな氷結系の魔法……そりゃ氷結のゼンって呼ばれるわ。
辺りの氷がゼンの拳へと集まり、氷のグローブがつくられる。
「この一撃で終わらせてやるよ。」
ゼンは氷で固められた拳を構え、そう宣言する。
「……上等だよ、俺もこの一撃で終わらせてやる!」
ゼンと同じように宣言し、魔力を込めた右拳を構える。
向き合ったまま、俺たちは拳を相手へと振った。
確かに俺はゼンには敵わない、それでも俺は友達にあんな事したのを許しはしない!
この一撃に全てを込めろ!!
────
互いの拳が相手へと近づく最中、異変が起きる。
悪い方の異変じゃない、それどころか……心地が良い。
魔力を込めている拳、そして体全体に魔力を が流れるのが鮮明にわかる。
拳が光輝く……
そして拳が当たる直前に俺の思考がたった1つの結果を導き出していた。
勝っ──
しかしその思考は拳とともに受け止められた。
俺の拳がゼンの元に着く前に止まる、それはゼンも同じのようだった。
俺とゼンの間に誰かが立って、2人の拳を受け止めていた。
銀色の髪、ガタイのいい体。
その人物は俺のよく知ってる人だった。
「ディーオン……大隊長……」
絶望みたいな表情をしているゼンがそう呟いた。
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