【BL】記憶のカケラ

樺純

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43話

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キイチside

数日後

「はぁ!!!?付き合うことになったぁ!!!?」

ノイルくんの店で集まるのは幼なじみ7人組のいつものメンバー。

俺はタカラくんと手を繋ぎ、恥ずかしそうに顔を赤らめるタカラくんと一緒にそうみんなに報告をした。

H「5年間のキイチの片想いが実って良かったね?」

ヒノハちゃんは自分の事のように嬉しそうな顔をしてそう言った。

K「実は…5年間の片想いじゃなかったんだ…記憶が戻って色々と考えてみたら物心がついて、初めての記憶が5歳の頃でその記憶がタカラくんが俺に抱きついてきた時から好きだったから…多方19年の片想いです。」

俺が自慢気にそう言うとタカラくんは嬉しそうに頬を上げて肩をすくめるのに、目の前にいるみんなは…ドン引きの顔をして重すぎだのストーカーだの俺のことをボロカスに言って笑っていた。

T「いいの!!俺が好きなんだからそれで!!」

みんなの暴言をそのひと言で黙らせたタカラくんに微笑むと、タカラくんも嬉しそうに笑い俺の身体に自分の身体をもたれ掛からせる。

2人でイチャイチャにゃんにゃんしているとノイルくんが咳払いをし前のめりになり、何を言い始めるのかと思いきやその言葉に俺は冷や汗が出た。

N「19年間の片想いはいいけどさ?で…もうヤったのか?」

K「は!?な…なに言ってのノイルくん!!俺たちは真面目な交際をしてるんです!!ヤったとか下品な言葉はやめてください!!清い関係なんです!!」

N「真面目な交際でもヤるもんはヤるだろ。俺たちなんて付き合ってもう長いけど毎晩だぞ?」

ノイルくんはそう言いながらユウリちゃんの肩を抱くとユウリちゃんは少し気まずそうに笑ってノイルくんの肩を思いっきり殴る。

M「まぁ、ウチだって週に5回はしてるけどね?ねぇ~ヒノハ~?」

H「それはミズキの性欲が強いからでしょ~私は月に一回でも十分。」

M「またまたよく言うよ~」

K「もうやめて!!純粋なタカラくんの前でそんな下品な話!!」

俺がそう言ってみんなの話を止めるとタカラくんが遠慮気味に俺の服の袖をつまみピクピクと引っ張り、俺がタカラくんの方を見るとタカラくんは口を尖らし上目遣いでチラッ…チラッ…と見つめながら言った。

K「どうしたの?」

T「…俺は…キイチとなら…シたい…」

その言葉を聞いたみんなは盛大に俺たちを冷やかし、俺はプシューーーッと音を立てて気絶した。

つづく
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