信濃の大空

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強襲

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攻撃隊は彩雲が発見した米機動部隊に向けて進撃していた。
彩雲が報告した空母の総数は4隻だったのでまだ敵はどこかに潜んでいる。
そう警戒しながらの飛行だった。
攻撃隊の総数は200機を超えていた。
いつ発見されてもおかしくない。
だが、その警戒がある報告を生んだ。
『隊長!8番機が艦隊の航跡を発見したと言っております!』
彩雲が発見した敵艦隊と遭遇するには早すぎる。
となると…。
「目標を変更する!全機、我に続け!」


「レーダーに反応が出ました!敵機です!」
リーブス少将は驚愕した。
「敵に発見されたのは第1機動群ではなかったのか!?」
「おそらく、第1機動群へ向かう最中に我々を発見したのかと…。」
あり得るな。
だが、今はそんなことを論じている時間はない。
「迎撃隊はいつ頃発進できる?」
「10分以内には必ず発艦できます!」
「分かった。ではそのように。」
リーブスは空を見つめる。
雲一つない快晴だった。
つまり、敵は我々を見逃してはくれない。
我々は戦うしかない。
リーブスは腹を括った。


『敵迎撃機接近!』
その声に坂井はすぐ反応した。
「中隊機、攻撃準備。」
そうすると遠方に黒点が見え始めた。
坂井は冷静に引き金に手をかけた。


迎撃隊が直掩隊を抑えている間に攻撃隊は艦隊近くに到達した。
「全機突撃せよ!」
山口はそういうと自らは3割の爆撃隊を率いて上昇していった。
残りの7割の雷撃隊は富安から言われた通り超低空で侵入を始めた。


「迎撃隊は何をしている!」
リーブスは机を叩く。
だがすでに対空砲火は始まっている。
近接信管の威力は絶大だ。
何とかなるだろうか。


「くそっ!なんで当たらないんだ!」
ワスプⅡの艦橋にいた兵士たちが叫ぶ。
敵の雷撃隊を撃破しようと弾幕が張られているがそのほとんどが敵機の手前で爆発している。
近接信管の性質状、反射物があると爆発してしまう。
現在、日本の雷撃隊は超低空で飛行しているため、近接信管は海面に反射し爆発してしてしまう。
「奴らは、近接信管の仕組みをわかっているのか…!?」
その言葉を聞いた他の兵士たちも徐々に恐怖が心を支配していく。
それは他の艦でも同じだった。
同じだったらこそ上空に展開していた爆撃隊に気づかなかった。
レーダーは距離は分かっても高度は分からないので、目視できるまで誰も気づかなかった。


「敵の対空砲火は少ない!全機僕撃せよ!」
自分も操縦桿を倒す。
やっと上空に弾幕を張り始めたがもう遅い。
そう思いながらワスプⅡの甲板に800キロ徹甲弾を投下した。
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