空母鳳炎奮戦記

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南洋艦隊

南洋艦隊解散

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マンジェロ沖での海戦により、南洋のアメリカ海軍の戦力が弱まったことを大本営は見逃さなかった。
6月4日に南洋艦隊に対してポートモレスビー攻略が命令された。


南洋艦隊の空母鳳炎、扶桑、山城そして戦艦陸奥と補助艦20隻は陸軍の輸送船を護衛しながらポートモレスビーまであと50㎞に迫っていた。
「どうやら、すでにポートモレスビーの航空戦力は壊滅してしまっているようだな。」
徹底的な海上封鎖により、機体、弾薬、燃料、食料などがポートモレスビーには届いていなかった。
そして連日にわたる陸攻隊による空襲で飛行場や海岸要塞は破壊しつくされていた。
「我々の航空隊は如何いたします?」
樋端の質問に井上は断固とした態度で答えた。
「我々の任務は上陸軍の損害を抑えることだ。徹底的に攻撃を加える。」
「分かりました。」


井上は陸奥と数隻の駆逐艦を輸送船と共に先進させた。
そして換装された50口径41㎝砲が準備射撃を行う。
たっぷり1時間ほど行った後、大発に乗り換えた一木支隊の4000名が海岸に乗り付ける。
上空には零戦や風翔が完全に制空権を確保していた。
一木支隊はろくな抵抗を受けることがなく占領域を拡大していく。
そして、上陸から4時間後に現地軍が投降した。


「港の方はどれくらいで修理ができそうだ?」
井上はまだ黒煙立ち上るポートモレスビーを見ながら言った。
「港の損害は比較的軽微だったので、1週間で使用可能です。」
「それは良かった。潜水艦をオーストラリア近海に進出させるにはポートもレスビーが不可欠だからな。」
そして1週間後には23隻の潜水艦隊が進出しオーストラリアに向かう輸送船を襲撃し続けた。
連合軍はこれに対して有効な手を打てないまま2か月が過ぎた。
すでにオーストラリアは限界に達していた。
石油が枯渇し日本軍による空襲も本格化してきていた。
ここで、オーストラリアの首相であるジョーン・カティーンは日本に交渉を求めた。


8月23日。
復興されつつあるポートモレスビーを横目にオーストラリア代表団は設置されていた南洋艦隊司令部を訪れていた。
「オーストラリア首相、カティーンです。この度は交渉に応じていただいてありがとうございます。」
井上も言葉を返す。
「こちらこそ。では早速本題に移りましょうか。」
カティーンは身構える。
「我々としてはオーストラリアが戦争から離脱してらい、ニューギニアと海軍を一部譲渡していただければ成果十分です。」
「!本当ですか!?」
賠償金な要求されると考えていたカティーンは驚いた。
「はい。どうでしょう?]
「もちろんです!」
こうして、オーストラリアは日本と単独講和をした。


「これで南洋艦隊は解散か。」
南洋艦隊の創設理由はオーストラリアの攻略だった。
その目標が達成された今、空母3隻に戦艦1隻は過剰となった。
南洋艦隊に代わってここ南洋に配備されるのは重巡鳥海をはじめとする20隻の艦隊となった。
井上は海軍の航空隊などを統括する航空本部総長に就任。
樋端は連合艦隊主席参謀として山本の元へ向かった。
そして、鳳炎はつぎなる戦場に駆り出される。
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