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学園編
攫われた、らしい
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私はとっさに左に避ける。襲ってきた人たちは思っていた通りそこまでの手練ではなかったようで、方向転換できずにそのまま私のいる突っ込んでいく。そして奴らが私の方を振り向こうと止まった瞬間、ネロが奴らに電撃を放って気絶させた。
「ふぅ、危なかっ……!?」
口元に、後ろから麻布のようなざらざらした粗い布が誰かにぐいっと押し当てられた。押し当てられた手を離そうともがくも、首元をもう一方の腕で羽交い締めにするように回されていて、全く動かない。息をすると、ツンとした独特な臭いがした。そしてそれを感じるとともに視界がぐらりと揺れる。……薬品を使われたな。
隣りにいるはずのネロを見る。彼も私と同じように布を押し当てられている。とっても苦しそうにして、もがき続けている。
あぁ、どうして気づかなかったんだろう。この辺りで私達を知らない人間などまずいない。特に、よく街の方に出ている私のことは。つまり山賊は、私達から金目のものを盗むために襲ってきたんじゃない。私かネロ、どちらか、または両方を攫うための陽動として雇われて襲ってきたんだ。そして私達はまんまとこうやって引っかかってしまったのだ。
……あ、意識、落ちる。目の前はもうほとんど真っ暗で、頭も重くてぼんやりしている。私は抗えない怠さと眠気のようなものによって、すうっと目を閉じて意識を手放した。
ぐわんぐわんと痛む頭に悩まされながら、私は上半身を腹筋でなんとか起こした。手と足は縄できつく縛られているせいで一切動かない。……女の子にこの扱いはひどすぎやしない?
周りを見回すが、ネロはいない。埃っぽい臭いがする、薄暗い、たった一つのランプだけで照らされた狭い部屋に私ひとりだ。ボロボロの部屋と対照的に、ランプの中に灯されている光は、普通は火のところがなんと光魔法で灯されている。そのうえ、縄には魔法が付与されている。それも、非常に高等な、相手がつけている間魔法を一切使えなくするというもの。つまり、犯人はどこかの、それなりに爵位の高い貴族だということか。そうでもないとこんなすごく危険な代物は持っているはずがない。……ネロは大丈夫なのかな。この様子を見る限り、おそらく標的は私だったんだろう。その証拠に、こうして私は拘束されて閉じ込められている。
「まあ、ネロは公爵家だし、殺しはしないと思うけど……」
彼を殺すようなことをしたら、大問題だ。私とネロ、両方に手を出すなんてことをしたら、フィレネーゼとルートヴェング、両方を敵に回すことになる。普通の頭をしていれば、私が目的ならネロには手を出さないはずだ。
そう考えると、少しほっとはしたけれど、この状況が相当ヤバいことには変わりない。いつ殺されるかわからないような状況なのだから。……どうにかして、逃げ出さないと。
どこかに縄を切れるところはないか、ともう一度今度はもっと注意深く部屋の中を見る。普段なら魔法で解決するんだけれど、今は魔法が封じられているせいでそういうわけにはいかない。面倒だけど、さいわい部屋の中は倉庫のようになっているので、色々なものが置かれている。その中には、釘が飛び出している箱も。……釘のところに押し付けて擦り続けたら切れそうだ。
「いっちょ頑張るか」
「ふぅ、危なかっ……!?」
口元に、後ろから麻布のようなざらざらした粗い布が誰かにぐいっと押し当てられた。押し当てられた手を離そうともがくも、首元をもう一方の腕で羽交い締めにするように回されていて、全く動かない。息をすると、ツンとした独特な臭いがした。そしてそれを感じるとともに視界がぐらりと揺れる。……薬品を使われたな。
隣りにいるはずのネロを見る。彼も私と同じように布を押し当てられている。とっても苦しそうにして、もがき続けている。
あぁ、どうして気づかなかったんだろう。この辺りで私達を知らない人間などまずいない。特に、よく街の方に出ている私のことは。つまり山賊は、私達から金目のものを盗むために襲ってきたんじゃない。私かネロ、どちらか、または両方を攫うための陽動として雇われて襲ってきたんだ。そして私達はまんまとこうやって引っかかってしまったのだ。
……あ、意識、落ちる。目の前はもうほとんど真っ暗で、頭も重くてぼんやりしている。私は抗えない怠さと眠気のようなものによって、すうっと目を閉じて意識を手放した。
ぐわんぐわんと痛む頭に悩まされながら、私は上半身を腹筋でなんとか起こした。手と足は縄できつく縛られているせいで一切動かない。……女の子にこの扱いはひどすぎやしない?
周りを見回すが、ネロはいない。埃っぽい臭いがする、薄暗い、たった一つのランプだけで照らされた狭い部屋に私ひとりだ。ボロボロの部屋と対照的に、ランプの中に灯されている光は、普通は火のところがなんと光魔法で灯されている。そのうえ、縄には魔法が付与されている。それも、非常に高等な、相手がつけている間魔法を一切使えなくするというもの。つまり、犯人はどこかの、それなりに爵位の高い貴族だということか。そうでもないとこんなすごく危険な代物は持っているはずがない。……ネロは大丈夫なのかな。この様子を見る限り、おそらく標的は私だったんだろう。その証拠に、こうして私は拘束されて閉じ込められている。
「まあ、ネロは公爵家だし、殺しはしないと思うけど……」
彼を殺すようなことをしたら、大問題だ。私とネロ、両方に手を出すなんてことをしたら、フィレネーゼとルートヴェング、両方を敵に回すことになる。普通の頭をしていれば、私が目的ならネロには手を出さないはずだ。
そう考えると、少しほっとはしたけれど、この状況が相当ヤバいことには変わりない。いつ殺されるかわからないような状況なのだから。……どうにかして、逃げ出さないと。
どこかに縄を切れるところはないか、ともう一度今度はもっと注意深く部屋の中を見る。普段なら魔法で解決するんだけれど、今は魔法が封じられているせいでそういうわけにはいかない。面倒だけど、さいわい部屋の中は倉庫のようになっているので、色々なものが置かれている。その中には、釘が飛び出している箱も。……釘のところに押し付けて擦り続けたら切れそうだ。
「いっちょ頑張るか」
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